「フリード」や「フィット」などの人気車からアイドリングストップ機能が次々廃止!その理由とは
配信日: 2025.01.10
今回は、アイドリングストップ機能のメリットやデメリット、衰退し始めている理由などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
そもそもアイドリングストップ機能とは
アイドリングストップは、不必要な燃料消費や排気ガスの排出、騒音などを防ぐために車に搭載された機能です。赤信号や渋滞などでブレーキを踏んで停車した際、エンジンを停止させることで排気ガスの排出量をおさえ、環境への負荷を減らすことを目的としているようです。
アイドリングストップによって停止した車は、ブレーキを緩める、もしくはハンドルを操作することで自動的にエンジンが再始動し、走行可能になります。
通常のアイドリングストップのほかに「停車前アイドリングストップ」という機能があり、ブレーキを踏みこんで減速中に時速が約8キロメートルになるとエンジンが自動的に停止します。特に、始動と停止を繰り返す渋滞時に重宝される機能でしょう。
アイドリングストップ機能のメリット・デメリット
環境への配慮を目指して搭載されたアイドリングストップ機能には、メリット・デメリットがあります。アイドリングストップ機能のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
アイドリングストップ機能のメリット
アイドリングストップ機能のメリットはおもに以下の通りです。
●燃費をおさえることでガソリン代の節約につながる
●無駄な排気ガスの排出量が減り、環境に優しい
●騒音を最小限に減らせる
アイドリングストップを活用することで停車時などの不要なエンジンの回転をなくし、燃料の消費量と排気ガスの排出量をおさえられます。また、住宅地などで起こる車の騒音問題の解決にもつながる可能性があります。
アイドリングストップ機能のデメリット
アイドリングストップ機能のデメリットはおもに以下の通りです。
●バッテリーの寿命が早まるおそれがある
●再始動時のタイムラグによって動作に違和感を覚える場合がある
●停車時間が短すぎると、かえって燃費が悪くなることもある
エンジン再始動の頻度が増えることによって、バッテリーやその他部品に負担をかける可能性があります。また、通常使用時と比べてバッテリー交換のタイミングが早くなり、結果として割高になる場合もあるでしょう。
なぜアイドリングストップ機能は衰退したのか
近年、大手自動車会社を中心に、新しく販売する自動車のアイドリングストップ機能を廃止しています。アイドリングストップ機能廃止の背景にはおもに3つの理由が考えられるようです。
燃費基準が変化したから
カタログ燃費(国が定めた方法に従って測定したカタログに表示される公式の燃費)の計測方法が日本独自の基準から世界基準に変わったことにより、エンジン停止状態の燃費が全体の燃費数値に与える影響が少なくなったようです。
それによって、アイドリングストップでエンジンを止めたことにより節約できる燃費が少なくなり、アイドリングストップ機能を採用する意味がなくなったことが1つの理由でしょう。
車本体の燃費性能が向上したから
車の性能が全体的に上がったことにより、アイドリングストップ機能を搭載しなくても燃費をおさえられるようになったようです。
また、低燃費車購入時に自動車重量税が軽減される「エコカー減税」が受けられるようになり、環境によい車を購入する人が増えたことも関係している可能性があります。
バッテリーやエンジンへの負担が大きいから
アイドリングストップ機能は頻繁にエンジンの始動と停止を繰り返すため、バッテリーやエンジンなどの部品に大きな負担を与えることにつながります。
ガソリン代は節約できるかもしれませんが、バッテリーやその他部品の交換頻度が上がり、結果としてコストがかかる場合もあるでしょう。
アイドリングストップ機能は、燃費基準の変化や車本体の性能向上などにより非搭載となりつつある
アイドリングストップは、不必要な燃料消費や排気ガスの排出、騒音などを防ぐために車に搭載された機能でした。しかし、近年は大手自動車会社を中心にアイドリングストップ機能を廃止する動きが見られています。
その理由として、燃費基準の変化や車本体の燃費性能の向上、バッテリーなどの部品への負担が大きいことがあげられるようです。アイドリングストップ機能のメリット・デメリットを正しく理解し、今後の車選びの参考にしてください。
出典
日産自動車株式会社 取扱説明書 アイドリングストップ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー