片づけの美学184 書類はファイルボックスで種類ごとに整理。でも、気づいたらあふれてゴチャゴチャ|防ぐために試してほしいこと
配信日: 2025.01.14
書類入れがゴチャゴチャになるとお悩みの場合は、「書類の管理とはこうあるべき」という形をまず忘れることから始めてみましょう。書類の管理において大切なことは、必要書類がサッと取り出せること……これに尽きるのです。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
書類を細かく分ける必要性はなし
書類入れがゴチャゴチャになるとお悩みの管理方法に共通するのが、「細分化しすぎている」という傾向です。
例えば、ファイルボックスの中に仕切りポケットをいくつも入れていたり、何段もある書類トレーを利用しているなどです。細かく分けると、チェックする場所が増え、分ける作業も増えます。
初期設定の時は、やる気があって続けられそうな気がしますが、残念ながら長続きしないことが多いのも現実です。書類はシンプルに保管がベストです。
ファイルボックス管理は1つに
書類を管理するためのファイルボックスは1つにしましょう。暮らしの書類だけなら、十分なご家庭がほとんどです。
ファイルボックスの中に、仕切りポケットやクリアファイルがいくつかあると便利です。まずはご家庭にある書類の分類をしてみましょう。
例えば、わが家の日常の書類入れの場合、
●ふるさと納税の書類
●医療費や検査結果
●その他
と3つに分けています。ご家庭によって、受け取る書類は違ってくるので、手元に多いモノを分けてみましょう。
「その他」では、生活に使う雑雑とした書類・紙類を混ぜ混ぜに入れています。
●チケット
●予防接種の補助券
●イベントのチラシ
●割引券
●気になる広告
などが内容物です。
この“混ぜ混ぜ感”が、実はちょうどよいのです。行こうか迷っているイベントのチラシなどは、収納場所に迷う書類です。「必要なモノ」と「もしかしたら使うモノ」を一緒に入れておくと、必要なモノを取り出す時に目に入り、思い出すきっかけになります。
別々に入れておくと、「もしかしたら使うモノ」はずっと使われないまま、量だけが増えていくのです。書類がゴチャゴチャの原因の1つです。
手持ちの書類を残すか、捨てるか
最初に書類の管理において大切なことは、「必要書類がサッと取り出せること」だとお伝えしました。逆を言うと、サッと取り出さない書類は管理する必要すらないということです。つまり、「実は取っておく必要がない」ということになります。
例えば、
●過去年度の保険証券
●すでに加入した保険のパンフレット
●クレジットカード発行時の約款
●クレジットカードの明細
書類が多くて困っている方の書類入れには上記のような書類がたくさんあります。過去のお知らせは基本的に未来に必要なことはありません。仮にあったとしても、便利な現代はほとんどのモノがオンラインで確認できます。
どうしても処分が不安な場合
そうはいっても、保険の書類など処分を不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。そんな場合は、思い出の品と同じ扱いで、自宅の中の使わないスペースに入れていくのも一案です。必要な書類と、過去の必要な書類を分けるだけでも、スッキリします。
ゴチャゴチャになる前がチャンス
手元で管理する書類は基本的に未来に使うモノが中心です。書類入れのファイルボックスは1つにまとめ、定期的にチェックすると、必要なモノとそうでないモノがよく見えてくるはずです。必要な時にサッと取り出せる書類入れを目指して整理を進めていきましょう。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表