2026年3月よりJR東日本は運賃「値上げ」へ! 山手線や中央線など、各路線の運賃や定期券への影響は?

配信日: 2025.01.15

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2026年3月よりJR東日本は運賃「値上げ」へ! 山手線や中央線など、各路線の運賃や定期券への影響は?
JR東日本の運賃改定が2026年3月の実施に向けて申請されることから、具体的な値上げ額や主要路線への影響を解説します。同時に、通勤・通学者にとっての影響や費用を抑える方法も紹介します。
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2026年3月に運賃値上げ実施へ

JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)は、1987年の設立以来、2026年3月に初めて運賃の値上げを国土交通大臣に申請しました。今回の改訂では、普通運賃が平均7.8%、通勤定期が12.0%、通学定期が4.9%の値上げとなり、切符だけでなく定期券も対象となります。
 
これまでJR東日本は運賃改定を5回実施してきましたが、ほとんどが消費税の導入や増税に伴うものでした。2023年3月にはオフピーク定期券が導入され、一部の区間で通勤定期が見直されましたが、普通運賃や通学定期券の料金改定は行われていませんでした。
 
値上げの背景には、2024年4月に27年ぶりに国による鉄道運賃の基準が見直されたことが挙げられます。この改定は、JR東日本にとって民営化以来初の全面的な運賃改定であり、利用者への影響が懸念されています。
 

運賃値上げの理由とは

運賃の値上げが必要となった理由は、大きく分けて、利用客の減少、経費の増加、設備等の修理の3つです。
 
コロナ禍以降、テレワークやオンラインミーティングが普及し、鉄道の利用客が大幅に減少しました。例えば、新宿駅の利用者数は、2019年度の1日あたり77万5386人から、2023年度には65万602人に減少しています。
 
これに加えて、人材確保や定着に伴う経費の増加も経営を圧迫しており、運営コストが増大する中で、収益の確保が厳しい状況です。
 
さらに、古くなった路線や設備の修理だけでなく、地震や台風に備えた耐震工事や防災設備の整備も求められています。JR東日本が示した「設備投資実績・計画」では、4000億円を超える投資計画が立てられています。
 
具体的には、ホームドアの整備に10年間で約4100億円、大規模地震対策に4500億円が計画されており、これらの設備改修はサービス品質の向上だけでなく、快適で安全な利用を実現するためにも運賃の値上げを余儀なくされる要因となっているのです。
 
賃上げは、電車特定区間や山手線内の賃率が幹線に統一される形で行われる予定で、「ICカード運賃が切符運賃以下」となるように改定されます。
 
これにより、初乗り運賃がすべてのエリアで10円ずつ値上げされます。例えば東京駅から隣の新橋駅までの切符は、現在の150円から160円になるということです。東京駅を起点にした普通旅客運賃は、図1をご覧ください。現在の運賃を比較する際に役立つ情報が示されています。
 
【図1】

図1

(出典:東日本旅客鉄道株式会社「運賃改定の申請について(図2-1)東京駅起点の普通旅客運賃(現改比較)」)
 
距離が伸びると値上がり金額も大きくなることから、遠くなればなるほど値上がりを実感するでしょう。
 

定期券への影響

通勤定期の運賃は平均で12.0%、通学定期は4.9%値上げされます。運賃区分は、切符と同様に幹線に統合されることが決まっています。通勤定期運賃は普通運賃の改定に基づき調査され、6ヶ月定期券については平均割引率が最大5%の見直される予定です。
 
なお、大学生向けの通学定期運賃については、現在の「幹線」と「地方交通線」の運賃はそのままとなります。東京駅を起点とした通勤定期旅客運賃については図2をご覧ください。
 
【図2】

図2

(出典:東日本旅客鉄道株式会社「運賃改定の申請について(図2-2)東京駅起点の通勤定期旅客運賃(現改比較) 」)
 
距離が遠くなるほど、切符と定期券の値上がり幅を実感することが増えまるでしょう。少しでもお得に定期券を購入したい場合は、が現在の割引率よりも高い「6ヶ月定期券」の購入を検討することをおすすめします。
 

2026年3月からの値上がりに備えよう

東日本旅客鉄道株式会社は切符だけでなく定期券も値上がりするため、安く購入する方法を検討する必要があります。まず、SuicaなどのICカード利用や定期券は6ヶ月分購入するなど、少しでもお得になる方法を試してみてください。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社 運賃改定の申請について
東日本旅客鉄道株式会社 各駅の乗車人員 2023年度
東日本旅客鉄道株式会社 各駅の乗車人員 2019年度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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