乗っていた電車が突然の「人身事故」!交通系ICカードは「振替輸送の対象外」と言われましたが、別の電車には乗れないということなのでしょうか…?

配信日: 2025.01.18

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乗っていた電車が突然の「人身事故」!交通系ICカードは「振替輸送の対象外」と言われましたが、別の電車には乗れないということなのでしょうか…?
電車に乗っていて、「人身事故」や「設備故障」などによる大幅な遅延に遭遇したことはありませんか。そんな時、車内放送や案内掲示板で「振替輸送」が案内されることがあります。
 
しかし、「振替輸送」は定期券以外の交通系ICカードで乗車した場合は対象外なのだそうです。では、通常の交通系ICカードを利用していた場合、どのように対処したらよいのでしょうか。
 
そこで当記事では、「振替輸送」の概要や、交通系ICカードで乗車し「振替輸送」の対象外になった場合の対処法を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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定期券を除いて「交通系ICカード」は「振替輸送」の対象にならない

電車が運行不能になった際、交通系ICカードで乗車していた場合は、振替輸送を利用できません。例えば、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)のホームページでは、「Suica等のICカード乗車券のチャージ残高でご利用している場合は、振替輸送の対象とはなりません」と明記しています。
 
基本的に、振替輸送は乗車時にすでに乗車区間分の支払いが済んでいるきっぷが対象です。そのため、交通系ICカードでも定期券で定期券区間内を利用する場合は、振替輸送を利用することができます。事実、JR東日本は「Suica定期券で定期区間内をご利用になる場合は振替輸送の対象となります」と案内しています。
 
さらに、JR東日本によると、振替輸送の対象となるきっぷは「振替輸送の対象となる区間を含む、乗車券・定期券・おトクなきっぷ・回数券」です。そのため、通常の交通系ICカードを利用して乗車した電車が運行不能になり他の路線に乗車する場合は、実際に乗車した区間の運賃の支払いが必要になります。
 

そもそも「振替輸送」の仕組みとは?

振替輸送とは、JR東日本によると「すでにお持ちの乗車券区間で輸送障害が発生した場合、指定された他の鉄道会社等の経路により、う回して目的地までご利用いただける仕組み」です。電車の復旧までに時間がかかると判断された場合に、乗客への影響を可能な限り最小限に抑えるための取り組みとして実施されています。
 
運転を見合わせている路線や持っている乗車券区間によって、その都度利用できる鉄道会社・路線が異なります。振替輸送の対象になる路線については、適宜、案内掲示板や車内放送などで確認しましょう。また、振替輸送で他の鉄道会社を利用する場合は、係員のいる改札で持っている乗車券などを見せて通る必要があります。
 

「交通系ICカード」で乗った電車が「運行不能」になったらどうしたらいい?

前述のとおり、定期券以外の交通系ICカードは振替輸送の対象外です。ただし、振替輸送の対象外というだけで、「乗っていた電車が止まっても別の電車にまったく乗れない」というわけではありません。
 
交通系ICカードで乗車した電車が運行不能になり、他の電車に乗る場合は、実際に乗車する区間の運賃を支払えば他の路線も利用できます。交通系ICカードは「振替輸送」の対象にはならないため、実費負担で他経路を利用してう回するようにしましょう。
 

「交通系ICカード」で乗車し「振替輸送」の対象外となった場合のコスト

交通系ICカードで乗車した電車が何らかの理由で運行不能となった場合、「振替輸送」の対象にはなりません。他の経路に乗り換える場合、運賃は自己負担になりますが、いくらくらいコストに差が生じるのでしょうか。
 
例えば、神奈川県・埼玉県・千葉県から東京方面に移動する際に人身事故が発生し、う回した場合の差額について調べてみると、表1のような結果となりました。なお、価格はすべてIC運賃です。
 
表1

経路 通常ルート例 う回ルート例 差額
横浜駅~品川駅 JR東海道本線:303円 京急本線:313円 10円
川越駅~池袋駅 東武東上線:481円 JR埼京線:682円 201円
千葉駅~東京駅 JR総武線:659円 千葉モノレール・JR京葉線:858円 199円

※筆者作成(2025年1月現在)
 

まとめ

今回は「振替輸送」の概要や「振替輸送」の対象外となった場合の対処法を解説しました。定期券以外の「交通系ICカード」を利用した場合は、「振替輸送」の対象外となるため、う回した区間分の運賃が発生します。いざというときは、追加の運賃も頭に入れて、う回を検討しましょう。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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