地方の川で釣りをしようとしたら「遊漁券」はあるのかと尋ねられました。お金もかかるようなのですが、なぜなのでしょうか?
配信日: 2025.01.18
本記事では、個人的な釣りで遊漁券が必要になる理由や漁業権の概要、川釣りのマナーについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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川釣りは地域によって遊漁券が必要
河川は、海と同様に「漁業権」が設定されている場合があります。水産庁によれば、漁業権とは「一定の水面において特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利」を指します。漁業権には定置漁業権、区画漁業権、共同漁業権の3種類があり、一般の人が魚や貝類、海藻類などを採捕することは、共同漁業権の侵害に該当する可能性があります。
特に、川釣りには、アユや渓流魚、コイ、ワカサギなどの特定の水産動植物を対象とした漁業権が関係しています。第5種共同漁業権に該当し、漁業権の免許を受けているのは地元の内水面漁業協同組合(漁協)です。
内水面漁業協同組合が管理する水域では漁業権が適用され、一般の釣り人が無断で釣りを行うことは法律に違反する可能性があります。そのため、川釣りをする際には、その地域におけるルールがどのようなものかを事前に確認することが大切です。地域によっては、遊漁券など釣りを行うための特別な許可や、遊漁料が必要な場合もあります。
また、川釣りに関するルールは各都道府県条例や漁協の遊漁規則に基づいて独自に定められているケースが多いため、対象の魚種や、釣りをしても良い時期・場所などを十分に調べておく必要があります。
川釣りのマナー
川で釣りを楽しむ際には、自然との調和を大切にし、他の釣り人への配慮を忘れないことが大切です。ここでは、川釣りの基本的なマナーを紹介します。
遊漁券は目立つ場所につける
遊漁券を購入した場合は、釣りの際に目立つ場所に取り付ける必要があります。ベストやビクなど、他の釣り人や漁協関係者に見やすい場所に掲示し、提示を求められた際には快く応じましょう。提示することで、釣り場で許可された釣りを行っていることが証明でき、他の人とトラブルを避けられます。
釣り場探しは先行者への配慮を忘れずに
釣り場を探していると、他の釣り人と出くわすことがあります。その場合、川釣りのルールでは「先行者優先」が原則とされています。また、釣りたい場所に他の釣り人がいた場合は、近づき過ぎずに別の場所を探すようにしましょう。先行者に一声かけ、十分な距離を保って釣りを楽しむことが大切です。
時には、他の川に移動することも検討し、他の釣り人と気持ちよく釣りができるよう配慮しましょう。場所によっては人気の釣りポイントがあるため、他の釣り人と譲り合って釣りをすることが、トラブルを避けるためにも大切です。
ゴミを置きっぱなしにしない
釣り場をきれいに保つために、出たゴミは必ず持ち帰ることが基本です。食事の際に出たゴミや飲み物の容器など、放置せずにすべて持ち帰りましょう。ゴミ袋を準備しておき、ゴミを入れて車などに持ち帰ることが求められます。
なお、飲み物はペットボトルを使用することをおすすめします。釣り中にビクやドリンクホルダーにペットボトルを収納しておけば、ゴミを最小限に抑えられ、移動の際にも便利です。
小さいサイズの魚はリリースする
川釣りでは、釣った魚のサイズについても注意が必要です。魚を釣ったら、まずはサイズを確認しましょう。持ち帰ることが許されているのは規定の大きさを満たした魚だけです。漁業協同組合によって規定が設けられているため、釣った魚が基準に満たない場合はリリースしましょう。
遊漁券が必要となるのは漁業権が関係するケースがあるため|各都道府県条例や漁協の遊漁規則を確認しよう
釣りを楽しむ際、河川や水産動植物の種類などによっては漁業権が関わることがあるため、地域ごとのルールを事前に確認することが大切です。
川釣りでは、漁業権を侵害しないように、適切な許可を得たり、遊漁券を購入し遊漁料を支払ったりする必要があるでしょう。釣りを楽しむ際は、法令を守り、漁業権の確認を行うことをおすすめします。ルールやマナーを守って、安全で楽しい釣りの時間を過ごせるよう心掛けましょう。
出典
水産庁 漁業権について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー