夕方コンビニに行ったら「見切り品」のおにぎりが並んでました。コンビニは「値引き」をしないイメージでしたが、方針が変わったのでしょうか?

配信日: 2025.01.18

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夕方コンビニに行ったら「見切り品」のおにぎりが並んでました。コンビニは「値引き」をしないイメージでしたが、方針が変わったのでしょうか?
スーパーや百貨店のデパ地下などでは、閉店間際に「見切り品」として値引きが行われるのを見かけたことがある方もいるでしょう。
 
一方、24時間営業が多いコンビニには、見切り品を売っているイメージが少ないのではないでしょうか。しかし近年では、食品ロスの観点もあり、見切り品を販売するコンビニも増えてきているようです。
 
本記事では、今までコンビニであまり見切り品を見かけなかった理由や、コンビニ各社で見切り販売が増えた背景を解説します。
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そもそもコンビニはなぜ「見切り販売」に消極的だったのか?

コンビニが「見切り販売」に消極的だったのにはいくつか理由があります。
 

1.「契約更新されない」「契約解除される」などのリスクを恐れている

コンビニ会計の都合上、売れ残りは見切り販売をするより、すべて廃棄した方が本部の取り分は多くなる、という実態があるようです。
 
そのため、本部は「最終価格は加盟店が決めるもの」というスタンスを取っているものの、値下げを積極的に勧めているわけではありません。中には本部との関係が悪化し「契約更新されない」「契約解除される」といったリスクを恐れ、「見切り販売」に消極的なオーナーもいるようです。
 

2.見切り品目当てのお客さまが増える

コンビニでも、スーパーやデパ地下のように「値下げをする時間」が設けられると、値下げ品を求める方の来店が増えてしまうでしょう。その結果、新鮮な商品の販売が難しくなり、廃棄や見切り品が増加する恐れがあります。
 

3.本部からの廃棄補てんがなくなる可能性がある

コンビニでは、本部から販促費などといった名目で廃棄に対して補てんが出ているようです。廃棄補てんがなくなると経営が難しくなってしまう店舗もあるため、見切り品を出さないようにしているケースもあるようです。
 

コンビニで「見切り販売」が増加した背景

コンビニ各社で「見切り販売」をする店舗が増えた背景には、自由な値引きの制限が独占禁止法違反に該当する可能性があると公正取引委員会より指摘があり、改善を要請されたことが挙げられます。
 
またコンビニのオーナーからは、「値引きをするかどうかをオーナーが決められないのはおかしい」「大量の食品を廃棄するのも倫理上問題がある」などの声もありました。これらを受けて、現在では多くの店舗において値引きが行われているとのことです。
 

大手コンビニも「見切り販売」積極化の兆し

大手コンビニチェーンA社では、食品ロス軽減を目指し、消費期限のせまるお弁当やおにぎりなどに貼る値下げシールのデザインを変更する実証実験を行いました。メッセージやキャラクターの表情でお客さまにアピールする狙いです。
 
また、大手コンビニチェーンB社ではAIを導入して、その日の店舗ごとの在庫数といった状況に応じた値下げ額をAIが推奨し、効果的な値下げ販売を可能にしました。
 
このように、現在ではコンビニ各社で食品ロスを減らしSDGsにも取り組めるよう、「見切り販売」に積極的な姿勢を見せつつあります。
 

まとめ

コンビニでは、過去「見切り販売」をする店舗に対し、契約打ち切りをにおわせるなど「見切り販売」に対する実質的な制限を加えていたケースもあったようです。
 
しかし、コンビニオーナーたちの声や公正取引委員会の改善要請などを背景に、食品ロス軽減やSDGsといった観点も含め、徐々に値引き販売に積極的な姿勢を見せるようになったといわれています。
 
「見切り販売」をするコンビニは増加傾向にあるようですが、コンビニの値下げにばかり頼らず、消費者側も「てまえどりをする」といった行動で、食品ロスの軽減につなげていくことが大切です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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