居酒屋でグラスを落としてしまった場合「グラス代」を支払うべき? 対応方法を解説
配信日: 2025.01.18
「わざとではないけれど、グラスを割ってしまった」
「同僚がテーブルにぶつかって、高そうなグラスを落としてしまった」
このようなトラブルに巻き込まれてハラハラした経験をお持ちの人もいるのではないでしょうか。お店のものを壊してしまうと、弁償が必要なのではないかと不安に感じてしまいます。
そこで、本記事では居酒屋や飲食店で酔っ払ってしまって、使っていたグラスを割ってしまった際の対応や弁償の必要性を詳しく解説します。最悪の場合、お店からどのような請求をされる恐れがあるかも分かりやすく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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お店のグラスを割ったら弁償しなければならない?
結論からお伝えすると、グラスやお皿を含む店内の備品を壊してしまった場合は、お店に対して弁償する必要があります。
これは、民法第709条で定められている「不法行為による損害賠償」に基づく考え方です。意図的であっても、不注意が原因であっても、お店のものを壊してしまった場合は、損害賠償請求の対象となります。
つまり、酔っ払ってうっかりお店のお皿やグラスを割ってしまったことは過失である「不法行為」とみなされます。
ただし、注目すべきなのは、居酒屋で使用するお皿やグラスなどは「消耗品」として扱われるケースが多いということです。利用客が割ってしまう恐れがあることを店側も想定していると考えられます。
つまり、利用客がグラスを割ってしまうことはお店としては珍しい行為ではなく、その都度客に対して弁償を請求するケースは少ないといえるでしょう。
割ったら弁償が必要な場合は事前に説明があるべき
グラスなどは消耗品として扱われるケースが多く、弁償を請求されるケースは少ないものの、なかには高級なグラスを使用しているお店もあるでしょう。そのような店舗でお皿やグラスを割ってしまった場合は、対象となる利用客に責任が追及される恐れがあります。
例えば、高価なグラスであることを説明して、丁寧に取り扱うように事前に説明を受けていたにもかかわらず、利用客の不注意によって破損させてしまった場合は、店側から弁償を請求されるかもしれません。
悪質だと判断されれば全額弁償を求められる恐れも
わざとではなく、客側がふざけていたことが原因でグラスを割ってしまった場合は、全額弁償が求められる恐れもあります。大声で騒いだり、わざと乱暴に扱ったり、客同士で暴行などのトラブルに発展したりなどの行為が認められた場合は、過去に全額賠償を求められた事例もあるため注意が必要です。
店員に対して横柄な態度で接したり、大声で他の利用客に迷惑をかけたりする行為も、全額賠償の対象となる恐れがあります。さらに、今後お店を出入りしないように「出禁」を命じられるケースもあるため、注意しましょう。
店側が許した場合は原則として弁償は不要
民法では、居酒屋などの飲食店や店舗、そして他者に対して損害を与えてしまった場合は損害賠償を負うように定められています。しかし、多くの飲食店ではお皿やグラスを消耗品として考えており、不注意によって壊した場合は弁償を請求しないケースがほとんどです。
ただし、事前に割らないようにと店側から説明があった場合は、一部、もしくは全額の弁償を請求される恐れもあります。悪酔いをして店員に対して横柄な態度を取ったり、店内で暴れたりなどの迷惑行為をしているとみなされると、損害賠償を請求される可能性が高まるため注意しましょう。
悪酔いしてふざけることがないよう、一緒に飲む仲間同士で注意し合いながらお酒を楽しんでください。
出典
e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条 デジタル庁
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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