都内のZ世代のマイカー所有率は「20%」。低い所有率の背景とは

配信日: 2025.01.19

この記事は約 4 分で読めます。
都内のZ世代のマイカー所有率は「20%」。低い所有率の背景とは
「Z世代の車離れ」が話題になった背景を実際のデータをもとに解説します。また、地方に住む若者と都市部に住む若者の車事情を比較し、マイカーの所有率の違いをご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

Z世代のマイカー所有率は?

株式会社KINTOが調査した「令和5年版 Z世代のクルマに対する意識調査」によると、都内在住のZ世代の車所有率は21.5%という結果でした。実際に「若者の車離れ」と聞いて「感じる」と回答した割合も57.2%と高水準です。
 
一方、地方在住の車所有率は58.2%と高いため、若者のクルマ離れを感じると回答した割合は34.2%と都内在住のZ世代に比べて低い結果でした。
 
ところが、ソニー損害保険株式会社が実施した「20歳のカーライフ意識調査」では、若者が車離れしていると一概にはいえない結果となっています。同調査における「運転免許保有率」は、2021年の結果が51.3%となっていますが、2022年は57.2%、2023年は61.2%と年々上昇しており、免許の取得率は車の所有率とは比例していないことがわかります。
 

マイカー所有率が低い原因

株式会社KINTOが調査した「令和5年版 Z世代のクルマに対する意識調査」における「自分名義の自動車が欲しいけれど所有していない理由」のアンケート結果では、都内在住・地方在住の両方で「自動車の価格が高いから」が1位、「自動車の維持費が高いから」が2位になるなど、金銭面が大きく影響していることがわかります。
 
一般社団法人日本自動車工業会の「2023年度 乗用車市場動向調査」によると、マイカーを所有していない人のうち、非保有の理由のトップは「ガソリン代や駐車場代が負担だから」が30%、以下「車検にかかる費用が負担だから」が25%と続きました。
 
また、非購入意向者の理由としては「買わなくても生活できる」が34%と高い結果となっています。都市部では交通網が発達しているため、車がなくても移動に困っていないことが大きな要因となっているようです。
 
さらに、友人・知人とのレジャーではカーシェアやレンタカーを活用している人も多く、サービスの充実も拍車をかけている可能性が考えられます。
 

車の購入価格と維持費

一般社団法人日本自動車工業会の「2023年度 乗用車市場動向調査」によると、新車の平均購入価格は264万円でした。2019年には245万円、2021年には255万円だったように、年々上昇しています。
 
独身期(39歳以下)に限定すると、購入平均価格は225万円でした。また、29歳以下の男性では「リース」で購入した人が13%、「サブスクリプション」を利用した人が6%おり、現金やローンとは違う新しい所有の方法を選択している人が多い傾向でした。
 
また、維持費の月間平均費用は1万2100円となっています。こちらも2019年は1万700円、2021年は1万1300円と上昇しています。費用負担感が大きいと答えた人も60%と高いのが特徴です。
 

地方の車事情

公共交通機関が少なく不便な地方では車は一家に1台ではなく、1人1台所有するなど足として欠かせない存在です。一般財団法人自動車検査登録情報協会がまとめた「自家用乗用車の世帯普及台数」は、全国平均は1世帯あたり1.025台という結果でした。
 
普及台数の1位は福井1.698台、2位富山1.640台、3位山形1.635台と続き、上位11県では1.5台以上普及していることがわかります。一方、東京は0.416台、大阪は0.623台と、大都市の普及台数は低い傾向です。
 
地域によって必要性は異なりますが、電車は数十分~1時間待ち、路線バスは1時間に1~3本など公共交通機関が充実していない地域では、車は通勤や買い物のほかに緊急時に移動がスムーズにできるため不可欠です。
 
地方で車が必需な街は駐車場の充実度が高い傾向があり、アパートには駐車場が付いている場合がほとんどです。また、駅前にはコインパーキングが充実しており、安価に停めることができます。
 
このように地方では車に便利な環境が整っているため、身近な存在として車が好きな人も多いのかもしれません。
 

都市部と地方で異なる

都市部では公共交通機関が充実しているためマイカー所有率は5人に1人と低い確率です。一方、地方では車がないと移動が難しい場所もあるため車に対する設備が整っています。そのため、身近な存在として地方には車好きな若者が多いのかもしれません。
 

出典

株式会社KINTO 令和5年版 Z世代のクルマに対する意識調査
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査
一般財団法人自動車検査登録情報協会 自家用乗用車の世帯普及台数
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 夫の家事への不安に関するアンケート ライターさん募集