家に急な訪問があり、「行政機関の統計調査」とのことだったので「世帯人数」を答えてしまいました…。これって事件性がありますか?
配信日: 2025.01.24
特に、世帯人数のような個人情報まで伝えてしまった場合、「もしかしてだまされたのでは」と心配になる方もいるでしょう。この記事では、急な訪問による統計調査についての対応や注意点を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
行政機関の統計調査とは
統計調査は、国や地方自治体が「統計法」に基づいて行う調査です。
この調査の目的は、私たちの生活をより良くし、行政の方針を正しく進めるために必要な情報を集めることにあります。集めたデータは、個人が特定できないように処理され、政策の決定や研究、教育、経済活動などで役立てられます。
令和7年の統計調査について
令和7年10月1日、国勢調査が行われます。この調査は、5年に1度日本に住むすべての人を対象とした最も重要な統計調査の一つです。収集されたデータは、社会経済の基盤情報として活用され、多くの政策の基礎となります。
令和7年度国勢調査の調査員を募集
令和7年度国勢調査の調査員を募集しています。国勢調査員の調査活動期間は、2025年8月下旬から10月にかけて約2ヶ月間です。
調査員として任命されると、総務大臣から任命された非常勤の国家公務員となります。たとえば渋谷区では、基本的に2つの調査区を担当し、報酬は約7万円程度となっています。調査員は、20歳以上であれば応募可能です。
統計調査の回答義務について
統計調査では、正確なデータを集めるために、対象者が正しく回答することが大切です。もし回答がなかったり、不正確な内容だったりすると、信頼できない統計ができてしまい、それが原因で政策や経済状況の判断を誤る可能性があります。
そのため、統計法第13条では、経済センサスなどの重要な調査について、対象の個人や法人、団体に回答する義務があると定めているのです。
また、同法第61条では、「基幹統計調査への報告を拒否したり、虚偽の内容を報告した場合」には、「50万円以下の罰金」が科されることが明記されています。
調査内容の秘密は守られる
基幹統計調査では、対象者が安心して回答できるよう、調査内容の秘密を守らなければなりません。このことは法律で定められており、同法第41条には、「調査に関連して知った個人や法人、団体の秘密を漏らしてはならない」と明記されています。
調査上で知った内容をばらした場合罰則がある
調査員や関係者が業務を通じて知り得た秘密を漏らした場合、同法第57条により「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されると規定されています。
統計調査を装う詐欺に注意
「国勢調査」を名乗り、電話で年齢や家族構成などの個人情報を聞き出そうとする「かたり調査」が報告されています。国や地方自治体の職員や統計調査員が、電話やメールを通じて個人や世帯に関する情報を問い合わせることはありません。
たとえば、「国勢調査を実施中」との電話が一般家庭にかかり、取引先の銀行名や1000万円以上の預金があるかどうかを尋ねられるケースがあります。
しかし、国勢調査では、預金や収入などの情報を調査項目に含めていません。もし不審な電話を受けた場合は、個人情報を教えないよう注意してください。
急な訪問で「行政機関の統計調査」と言われて、世帯人数を答えてしまった場合、必ずしも事件性があるわけではないが、慎重に対応することが重要
急な訪問で「行政機関の統計調査」と言われて、世帯人数を答えてしまった場合、必ずしも事件性があるわけではありませんが、慎重に対応することが重要です。国や地方自治体が行う統計調査では、調査員が訪問することもあります。
しかし、調査内容には限りがあり、個人情報や預金額、収入などを尋ねることはありません。もしそのような質問を受けた場合、詐欺の可能性もあります。
あなたが世帯人数を答えたこと自体がすぐに問題になるわけではありませんが、その後不審な連絡があったり、個人情報を不正に使われるようなことがあれば、警察に相談することをおすすめします。
今後は、急な訪問や電話で個人情報を尋ねられた際には、相手が本当に正当な調査員かどうか確認することが大切です。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 統計法(平成十九年法律第五十三号)第十三条、第四十一条、五十七条、六十一条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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