車で「愛知→金沢」へ旅行中、予報になかった大雪が! このまま「ノーマルタイヤ」で走り続けても大丈夫? チェーン規制の際は「スタッドレスタイヤ」でもダメなのか解説
配信日: 2025.01.25
このような場合、雪の少ないエリアのみを走っていれば支障のないこともありますが、雪道をノーマルタイヤで走行することは、非常に危険でまわりにも迷惑をかける行為です。
本記事では、雪道をノーマルタイヤで走行した場合の法的解釈と罰金について解説していきます。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
目次
ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの違い
ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤは、一見すると同じように見えますが、実際は、ゴムの素材と「トレッドパターン」と呼ばれる溝の形状に大きな違いがあります。ノーマルタイヤは、乾燥した路面や濡れた路面での走行を想定して、グリップが効くような素材のゴムを使用しています。
一方、スタッドレスタイヤは、低温下でも硬化しにくい柔らかいゴムを使用して、凍った路面や雪が積もった路面での走行でも高いグリップ力を発揮できるようになっています。さらに溝を深くしたり細かい切れ目を入れたりすることで、雪や氷の路面でも滑りにくくなっているという違いがあるのです。
つまり、ノーマルタイヤは雪道での走行に不向きのため、雪道を走行する際は必ずスタッドレスタイヤを着用するようにしましょう。
ノーマルタイヤで雪道を走ると違反になるの?
雪道をノーマルタイヤで走行することに対して、道路交通法では直接規定した条文はありません。しかし、同法では「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」を遵守しなければならないとされています。
公安委員会は各都道府県に設置されており、「道路交通法施行規則」や「道路交通規則」の中で、公安委員会が定めたルールを制定しています。
例えば、東京都の「道路交通規則」には、積雪や凍結によって滑りやすい道路で車両を運転する場合は、「タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること」と明記されています。このように各都道府県の公安委員会の規則にのっとると、ノーマルタイヤで雪道を走行することは「違反行為」となるのです。
ノーマルタイヤで走行したときの罰金は?
雪道や凍結路をノーマルタイヤで走行した場合、「公安委員会遵守事項違反」の項目に該当した交通違反となります。この反則金の金額は、大型自動車等が7000円、普通乗用車・二輪車等が6000円です。また小型特殊車・原付車は5000円です。
「チェーン規制」の際は、スタッドレスでもダメ?
雪道はスタッドレスタイヤを履いていれば安全かというと、そうでないこともあります。大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が発令されるようなケースの場合、「チェーン規制」となることもあるからです。
この場合スタッドレスタイヤでは安全上十分とはいえず、タイヤチェーンをしていない自動車は、チェーン規制中の道路を通ることはできなくなります。チェーン規制を守らないと、先ほど解説したように交通違反になることがあるので注意が必要です。
ただし、チェーン規制の場合は、そのタイヤがスタッドレスタイヤでもノーマルタイヤでも、チェーンをつけていれば規定を満たしていることになるので、雪の多い地域に行く際には、念のためチェーンを持参しておくと安心でしょう。
雪道では、安全なタイヤの装備で安全な走行を
雪道をノーマルタイヤで走行することは交通違反となり、罰金の対象となります。また、自身や周囲の人・車を危険にさらすことにつながります。雪が予想される地域に車で向かう際は、スタッドレスタイヤをしっかりと装着し、万一に備えてチェーンの用意もしておくようにしましょう。
旅行時のみスタッドレスタイヤを着用するのを負担と感じる場合は、公共交通機関を利用したり、スタッドレスタイヤ着用のレンタカーを借りることを検討するのもいいかもしれません。
出典
e-Gov法令検索 道路交通法
東京都 東京都道路交通規則
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
国土交通省 チェーン規制について
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級