信号のない横断歩道で「一時停止しない」車。信号のない横断歩道での停止率は50%を下回るって本当?

配信日: 2025.01.23

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信号のない横断歩道で「一時停止しない」車。信号のない横断歩道での停止率は50%を下回るって本当?
信号のない横断歩道は、ドライバーにとっても歩行者にとっても注意が必要な場所です。信号のない横断歩道は歩行者優先の原則があるものの、多くの車が一時停止せずに通過してしまっているのを見かけることもあるでしょう。
 
本記事では、信号のない横断歩道での停止率や守れない要因、さらには道路交通法についても詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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信号のない横断歩道での停止率は45.1%

JAFは2016年以降、毎年全国で信号のない横断歩道での一時停止に関する実態調査を行っています。2023年の実態調査においては、停止率は45.1%といった結果でした。50%を切る状態ですが、2017年調査では8.5%、2018年でも8.6%と横ばいの結果だったのです。
 
JAFはこの調査結果を公開し、それが社会問題として認識されるようになりました。交通安全運動や警察による取り締まりも強化された結果、2019年に17.1%、2021年で30.6%と徐々に一時停止率は改善されており、2023年には45.1%まで改善されていると分かります。
 

信号のない横断歩道で一時停止をしない要因

一時停止率は向上しているものの、横断歩道で横断待ちの人がいる状態で一時停止をせずに通過するドライバーは現状で半数以上いる状況です。ドライバーが一時停止しないのには、いくつかの要因があります。
 
京都府県警安全横断検討会議が2021年9月に出した「信号機のない横断歩道における歩行者保護を徹底するための取組みに関する提言」の中で、ドライバーが一時停止しない理由として、2017年にJAFが実施したアンケート結果を紹介しています。それは表1の通りです。
 
表1

理由 詳細
対向車の動向への不安 自車が停止しても、対向車が止まらなければ歩行者に危険が生じる
後続車がいない 自車が停止しなくても後続車がないため、通過後に安全に渡れる
歩行者の意図が不明確 横断歩道付近に人はいるが、渡ろうとしているのか判断できない

※筆者作成
 
ほかにも、交通ルールの認識不足もあり、信号のない横断歩道での歩行者優先のルールを充分に理解していないケースもあります。これらの要因が複合的に影響し、一時停止率が半数を超えない状態が続いているといえるでしょう。
 

横断歩道で停止しないのは道路交通法違反

信号のない横断歩道で横断者がいるのに一時停止しないのは道路交通法第38条違反となります。道路交通法第38条は、信号機のない横断歩道や自転車横断帯における歩行者や自転車の優先を定めた規定です。
 
具体的には、横断歩道を渡ろうとする歩行者や自転車がいる場合、車両や路面電車はその直前で一時停止し、通行を妨げてはならないとされています。
 

横断歩道で停止しなかった場合の罰則

道路交通法第38条に違反した場合、第119条第1項第5号により3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。
 
また、第38条の違反行為は、横断歩行者等妨害等違反となり、取り締まりにより検挙された場合、違反点数は2点の加点、反則金は大型車で1万2000円、普通車が9000円、二輪車は7000円、原動機付自転車は6000円となっています。
 

信号のない横断歩道で一時停止しない車は約45%!悪意や無知による一時停止無視は減少傾向

信号のない横断歩道での一時停止しない車は、2019年以降の取り締まり強化や交通安全運動の取り組みやメディアでの情報発信などにより、約7%だったものが約45%まで向上しています。
 
ですが、後続車両がいないからといったドライバーの判断、渡ろうとしているのか判断がつかないといった理由から一時停止をしないケースがあり、判断がつかない場合は確実に一時停止をする意識がつかない限りは100%の停止率は難しいといえるでしょう。
 
道路交通法による違反行為だと理解していないケースや悪意があって止まらないケースは取り締まりの効果もあり減少傾向だといえますが、まだまだ一時停止しない車は多いので、歩行者の方は信号のない横断歩道では十分に注意して渡るようにしましょう。
 

出典

e-GOV法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十八条
e-GOV法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十九条第一項第五号
警視庁 交通違反の点数一覧表
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
佐賀県警察 横断歩道は歩行者優先!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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