娘が大学に合格しましたが、入学金や初年度の学費が予想以上に「高額」で驚いています。「奨学金」や「分割払い」など、支払いを無理なく済ませる方法はあるのでしょうか?

配信日: 2025.01.24

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娘が大学に合格しましたが、入学金や初年度の学費が予想以上に「高額」で驚いています。「奨学金」や「分割払い」など、支払いを無理なく済ませる方法はあるのでしょうか?
大学合格は喜ばしい出来事ですが、同時に入学金や初年度の学費といった出費の多さに驚く方も多いのではないでしょうか。高額な学費の負担を軽減するためには、「奨学金」や「分割払い」などの制度を活用することが大切です。
 
本記事では、無理なく支払いを済ませるための具体的な方法や注意点を詳しく解説します。家計に余裕を持たせながら、安心して新しい生活をスタートさせましょう。
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大学進学で初年度にかかる費用

大学進学時には、入学金だけでなく、初年度の学費や諸経費も加わり、想定以上の負担となることが多いです。図表1は、文部科学省による令和3年度の初年度にかかる費用の平均です。
 
図表1

国立 公立 私立
入学金 28万2000円 39万1305円 24万5951円
授業料 53万5800円 53万6363円 93万943円
施設設備費 18万186円
合計 81万7800円 92万7668円 135万7080円

文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査」より筆者作成
 
初年度はこれらを一括で支払う場合が多く、私立となると合計で100万円以上が必要になります。予想外の出費に対応するには、計画的な資金準備や制度の活用が欠かせないでしょう。
 

支払いを無理なく済ませる方法

大学の入学金や学費は高額で、家計にとって大きな負担となることがあります。しかし、「奨学金」や「分割払い」、「教育ローン」などの制度を活用すれば、無理なく支払いを進めることが可能です。ここでは、それぞれの方法の特徴や注意点について簡潔にご紹介します。
 

奨学金の活用

奨学金は、進学費用をサポートするための代表的な制度です。以下の種類があります。
 
・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
日本学生支援機構の奨学金は多くの学生が利用している公的な支援制度で、給付型奨学金(返済不要)と貸与型奨学金(返済必要)があります。貸与型には、無利子タイプ(第一種)と利子付きタイプ(第二種)があり、返済計画に応じて選択できます。
 
・大学独自の奨学金
多くの大学が、成績優秀者や経済的支援が必要な学生向けに独自の奨学金を提供しています。これらは返済不要な場合が多いため、必ず確認しておきましょう。
 
・自治体や民間団体の奨学金
地域の自治体や企業、財団が提供する奨学金も選択肢の一つです。条件や金額は多様なので、複数を比較してみることをおすすめします。
 

分割払いや延納制度の利用

大学によっては、学費の一括支払いが難しい場合に対応できる分割払い制度や延納制度を用意していることがあります。例えば、授業料を2〜4回に分けて支払うことができる仕組みです。この場合、事前に大学の指定する方法(窓口や郵送など)で手続きを行う必要があります。また、多くの場合、経済的な理由などの条件があります。
 
分割払いを利用することで、一度に大きな金額を用意する負担を軽減できますが、支払期限をしっかり守ることが重要です。
 

教育ローンの利用

まとまった資金が必要な場合、教育ローンも選択肢の一つです。
 
・日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)
比較的低金利で利用でき、最大350万円までの融資が可能です(一定の要件を満たす場合は450万円まで)。使途も幅広く、入学金や学費だけでなく、住居費や教材費にも充てられます。
 
・銀行や信用金庫の教育ローン
民間の金融機関でも、教育専用のローンを提供している場合があります。ただし、条件によっては金利が高いこともあり、返済期間も国の教育ローン(最長18年)に比べて短い場合があります。そのため、国の教育ローンと比較して検討するとよいでしょう。
 
教育ローンを利用する際は、返済計画を明確にし、無理のない範囲で借り入れることが大切です。返済期間や返済方法(元利均等返済が一般的)、在学中の返済猶予(元金据置)などの選択肢を考慮し、家庭の経済状況に合わせて計画を立てましょう。
 

入学金免除や減額の制度を確認する

国は、国公立大学や私立大学に通う学生に対し、家庭の経済状況に応じて入学金や授業料の免除・減額制度を設けています。これは「高等教育の修学支援新制度」として知られており、大学だけでなく、短期大学、高等専門学校、専門学校も対象となります。
 
申請には所得証明書や必要書類の提出が求められるため、早めに大学の窓口や公式サイトで情報を確認し、申請を行いましょう。特に、入学金の免除や減額を受けるためには、入学後3ヶ月以内の定められた期日までに申し込む必要があります。
 
また、2025年度からは新たな大学無償化制度が始まる予定で、扶養の子どもが3人以上の多子世帯を対象に、所得制限なしで支援が行われる予定です。
 

費用負担を軽減するための準備と注意点

大学進学の費用は高額ですが、事前の準備と計画次第で負担を軽減することができます。奨学金や分割払い、教育ローンを利用する際は、早めの情報収集と無理のない返済計画が重要です。ここでは、費用負担を減らすために押さえておきたいポイントと注意点について解説します。
 
1. 早めに情報収集を行う
奨学金や分割払い、教育ローンは申込期限が決まっている場合が多いため、合格が決まったらすぐに調べて手続きを進めることが重要です。
 
2. 無理のない返済計画を立てる
特に奨学金やローンを利用する場合は、卒業後の返済を見越して家計に影響が出ない範囲で借り入れを検討しましょう。
 
3. 支援制度を積極的に活用する
国の高等教育の修学支援新制度や大学独自の支援制度を見逃さないことが、費用負担軽減の鍵となります。特に、授業料等の減免と給付型奨学金を組み合わせた新制度は、大きな支援となる可能性があります。
 

負担を減らして安心して大学生活をスタートさせよう

大学進学の費用は高額ですが、奨学金、分割払い、教育ローン、減免制度などを上手に活用することで、無理なく支払いを進めることが可能です。大切なのは、早めの情報収集と計画的な手続きです。
 
支払いの負担を軽減し、安心して新しい生活をスタートさせるために、できることから一歩ずつ準備を進めましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
文部科学省 大学等の無償化 子ども3人以上の世帯への支援を拡充します!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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