子どもが3歳になったら「幼保無償化」で幼稚園・保育園をほぼ「無料」で利用できますよね? 子育て費用はそんなにかかりませんか?
配信日: 2025.01.26
本記事では、この無償化制度の概要と子育て世代の経済的な負担額について見ていきます。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
幼児教育・保育の無償化とは?
以下、概要について詳しく見ていきます。
1.対象者
子どもが満3歳になってから迎える4月1日から無償化が開始されます。終了は、小学校入学前までとなり、合計3年間が無償化の期間です。
なお、この3年間については、保護者の所得制限はなく、すべての世帯が対象となります。また、住民税非課税世帯は、これに加えて、0~2歳までの期間についても無償化の対象です。
2.対象となる費用
(1)幼稚園については、月額上限2万5700円です。
(2)通園送迎費、食材料費、行事費などは、無償化の対象とはならず、従来どおり保護者が負担します。
ただし、副食(おかず・おやつ等)の費用については、年収360万円未満相当世帯と全世帯の第3子以降の子どもについては、無償化の対象です。
3.対象施設
幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、障害児発達支援施設などが対象です。
なお、一般的な幼稚園や保育園は、無償化の手続きは不要ですが、手続きが必要となる施設もありますので、詳細はお住まいの市町村に確認をする必要があります。
子育て世代が負担する費用は?
幼児教育・保育の無償化は開始されましたが、子育て世代には、さまざまな経済的な負担があります。以下、子育てにかかる費用を見てみます。
1.0歳児の子育て費用と妊娠・出産費用
0歳児の子育てにかかった、平均費用の総額は年間約50万円。妊娠・出産にかかった平均費用が、約50万円です。これを合計すると、約100万円の費用がかかっています(図表1, 2を参照)。
2.1~6歳の子育て費用
1~6歳の子育て費用の平均値は、図表3のとおり、約340万円となっています。これに、0歳時にかかる平均費用である100万円を足すと、約440万円なり、子育て世帯にとっては、大きな経済的な負担になっていることが分かります。
ただし、このデータは、平成15年3月31日に公表されたものであり、令和元年10月からの幼児教育・保育の無償化によって負担額は和らぐと考えられます。
まとめ
幼児教育・保育の無償化が令和元年10月から開始されていますが、子育て世代の負担額が決して少なくなったわけではありません。極端に心配することは、ありませんが、計画的に資金を準備しておくと安心につながるでしょう。
出典
こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化概要
内閣府 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律について
財団法人こども未来財団 子育てコストに関する調査研究(平成15年3月)
厚生労働省 子育て世帯の就労状況及び経済的負担等に関する資料(平成20年7月2日)
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー