誤って薬を紛失してしまいました…薬局に事情を話せば保険適用価格で薬を再購入できますか?
配信日: 2025.01.26 更新日: 2025.01.27
そんなとき、「薬局に事情を話せば、保険適用価格で再購入できるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
本記事では、薬を紛失した際に保険適用価格で再購入できるのか、また、紛失しないための対策などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
薬を紛失してしまったら保険適用価格で再購入できる?
薬を紛失してしまった際、薬局に事情を話しても保険適用価格での再購入はできません。
なぜなら、保険適用で薬を購入するためには、有効な処方せんが必要だからです。処方せんは医師が患者に対して、特定の薬を特定の量で特定の期間服用するよう指示したことを証明する書類です。
また、厚生労働省の調剤報酬の通知に「被保険者が保険医より薬品の授与を受け、持ち帰りの途中又は自宅において薬品を紛失したために(天災地変の他やむを得ない場合を除く。)保険医が再交付した場合は、その薬剤の費用は、被保険者の負担とする。」と記載されています。
つまり、薬をなくした場合は、台風や地震などやむを得ないケース以外は、全額自己負担ということになります。
再度処方せんを発行してもらう際の注意点
薬を再度購入するためには処方せんが必要です。再度処方せんを発行してもらう際は、2つの点に注意しましょう。
1つ目は、薬の費用だけでなく、受診料や処方せん料などの費用がかかる点です。処方せんの再発行は、受診せずに処方せんのみを再発行してもらえる医療機関もあれば、処方せん発行のためには再度受診が必要なケースもあります。再受診が必要だった場合は、薬の費用に加え受診料や処方せん料がかかるため、自己負担額が大きくなります。
2つ目は、処方せんには有効期限がある点です。処方せんの有効期限は、交付された日を含めて4日以内です(休日、祝日含む)。再発行してもらっても有効期限を過ぎてしまうと、薬の購入はできず、また医療機関に行くことになり手間もお金もかかります。再発行してもらったら、すぐに薬を購入するようにしましょう。
薬の紛失に気づいたときにまずすること
薬の紛失に気づいた際は、焦ってすぐに薬局や医療機関に連絡してしまう方もいるかもしれません。しかし、いったん落ち着いて薬が本当になくなったのか確認しましょう。
まず、カバンの中やいつも荷物を置く場所、ゴミ箱の中、車の中など、思いつく限りの場所に薬がないか探してみましょう。思いがけない場所に置いてあるかもしれません。
よく使う場所になかったら、次は立ち寄った場所に連絡してみましょう。病院や薬局、帰宅途中の交通機関などで気づかないうちに落としている可能性があります。
それでも見つからなかった場合は、薬局や医療機関に相談して再度薬を購入しましょう。
落ち着いて探せば薬が見つかる可能性があります。薬が見つかれば処方せん料や薬の購入費用などのお金も、薬局や医療機関に再度行く手間もかかりません。再購入は最終手段にして、まずは探してみましょう。
薬を紛失しないための対策
薬を紛失しないためには、薬を保管する場所を固定しましょう。薬を購入したらこの場所に置くと決めておけば、適当な場所に置くことが少なくなり、紛失のリスクを減らせるでしょう。また、薬の保管場所は家族全員が認識しておくのをおすすめします。
薬の保管場所は、直射日光や湿気のない場所が適しています。加えて、子どもの手が届かない場所にすると、子どもが誤って飲み込んでしまうなどの事態が防げるため安心です。
薬を紛失してしまったら保険適用価格で再購入はできない
薬を紛失してしまった場合は、薬局に事情を話しても保険適用価格で購入はできません。処方せん料や薬の購入費用は全額自己負担となりお金がかかるため、なくした際は慌てずに身の回りや行動範囲に落としていないか確認しましょう。
探しても見つからなかった場合は、医療機関を受診し新しい処方せんを発行してもらいましょう。
薬をなくしてしまうと再診料や薬代など、手間と費用がかかるため、薬を紛失しないための対策をしっかりと行うことが重要です。
出典
厚生労働省 第5部 投薬<通則>8
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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