もうすぐ子どもが生まれますが、「児童手当」は学費のために貯金する予定です。すべてを貯めたら、大学の学費は賄えますか?
配信日: 2025.01.29
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児童手当を将来のために貯金するときは、児童手当だけで足りるのか、貯金はいくらあればよいかを把握しておくことが大切です。今回は、児童手当の金額や大学進学で必要な資金についてご紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当をすべて貯金するといくらになる?
こども家庭庁によると、児童手当は以下の金額を受け取れます。
●3歳未満:第2子までは月1万5000円、第3子以降は月3万円
●3歳~18歳に達する日以降の最初の3月31日まで:第2子までは月1万円、第3子以降は月3万円
また、児童手当は申請した翌月分から受け取れるため、子どもが生まれてすぐに申請したとしても生後1ヶ月目から支給されます。
例えば、第1子の子どもが3月2日に生まれたとしましょう。すぐに申請し認定を受けられれば4月分から受け取れるため、3歳になる直前の0歳1ヶ月~2歳11ヶ月の2年11ヶ月は、毎月1万5000円、合計52万5000円を受け取れます。
また、児童手当は18歳に達する年度の3月31日まで受給可能です。今回のケースだと18歳に達する日と以降で最初に訪れる3月31日が同じ月なので、受給できるのは3歳0ヶ月~18歳0ヶ月の181ヶ月で毎月1万円、合計181万円を受け取れます。
2歳11ヶ月までに受け取った児童手当と合算すると、第1子のみでは合計233万5000円の児童手当を受給可能となる計算です。なお、第3子以降からは金額が変わるため、兄弟姉妹の多い世帯では受け取れる総額も変わります。
大学の進学に際して必要な費用はいくら?
全国大学生活協同組合連合会が2023年に実施した「2023年度保護者に聞く新入生調査」によると、大学の種類別で受験から入学までにかかった費用は以下の通りです。
●国公立大学:自宅生136万2300円、下宿生206万1900円
●私立大学:自宅生167万6200円、下宿生234万円
かかった費用には受験料や入学金、授業料のほか、受験のための交通費や宿泊費、下宿するための部屋探し費用なども含まれています。結果を基にすると、私立大学の下宿生の場合は、受験から入学までで児童手当を使い切る計算です。
さらに、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、2023年の平均授業料は国立大学が53万5800円(国の標準額)、公立大学は53万6191円、私立大学は95万9205円でした。
なお、これらは入学年度の平均授業料です。もし、同じ金額を入学金と授業料をまとめて支払う初年度を除いた3年間支払うとすると、最低でも160万7400円、私立大学だと287万7615円かかります。
初年度に支払う金額と合わせると、国公立大学であっても児童手当だけでは足りません。将来のためにと児童手当を貯金しておくこと自体は問題ありませんが、追加で教育費のための貯金をした方がよいでしょう。
子どもの教育費を貯めるコツ
余裕をもって教育資金を貯めるには、積立定期預金や学資保険を活用することがおすすめです。積立定期預金では、口座からの引き落としで、決めた金額まで定期的に預金ができます。うっかり貯金を使ってしまうリスクを避けられる点がメリットです。
また、学資保険は目的が明確に決まっており、最初に決めたタイミングでほぼ確実にお金を受け取れるメリットがあります。契約者である両親に万が一のことがあった場合は、以降の保険料は免除され、祝い金や保険金は通常通り受け取れるでしょう。
児童手当だけでは足りない可能性があるためほかの貯金もしておく
3月初旬に生まれた第1子の場合、児童手当は合計で233万5000円を受け取れる可能性があります。受ける大学の種類によっても費用は変わりますが、児童手当で賄えるのは初年度から2年度の初期までになるケースもあるでしょう。
教育費の負担を軽くするために、児童手当を貯金しておく方法は確かに有効ですが、大学費用すべてとなるとほかにも貯金が必要です。家庭の状況に合わせて、積立定期預金や学資保険など、貯金しやすい制度を利用してみることをおすすめします。
出典
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
全国大学生活協同組合連合会 新入生の保護者19,664名から回答 「2023年度保護者に聞く新入生調査」概要報告
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー