児童手当の増額には「申請」が必要?2024年10月からの改正で支給額はどのくらい増えた?
配信日: 2025.01.30

しかし、中には子どもを養育していても児童手当の支給対象にならない方や、支給額、支給されるタイミングなどが少ないと感じている方もいるかもしれません。
2024年10月に児童手当制度が改正され、支給条件や支給期間などが変更されました。
本記事では、児童手当の改正による変更点を詳しく解説するとともに、受給や増額の申請を行う必要がある人の条件についてもご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
児童手当の改正で何が変わったのか?
まずは、2024年10月の児童手当制度改正によりどのようなことが変わったのかをご紹介します。
所得制限がなくなった
扶養親族が2人で主たる生計維持者の所得が934万円以上になると支給対象にならないなど、これまでの児童手当受給には所得制限が設けられていました。
今回の改正によりこのような制限が撤廃され、所得に関係なく、対象となる年齢の子どもを養育しているすべての方が全額支給の対象になりました。
支給期間が高校生年代まで延長された
2024年9月までの児童手当は、中学生以下の子どもを養育している方が支給対象でした。今後は高校生年代までが対象になるため、高校生年代の子どもを養育している方は確認が必要です。
高校生年代とは、18歳の誕生日が過ぎて最初の3月31日までのことをいいます。
第三子以降の支給額が増えた
子どもが3人以上いる多子世帯への支援を手厚くするため、第三子以降の支給額が3万円に増額されました。また、こども家庭庁によれば、併せて第三子以降の算定方法も以下のように変更になりました。
【改正前】
・子どもが3人以上で、上の子が18歳年度末まで
【改正後】
・子どもが3人以上で、上の子が22歳年度末まで
これまでは児童手当の支給対象となる「児童」に該当するのは15歳年度末までで「児童の兄姉等」の範囲が18歳年度末まででしたが、改正後は18歳年度末までが「児童」に該当し、「児童の兄姉等」の範囲が22歳年度末まで延長されたということです。
支払われる回数が増えた
これまでの児童手当は年3回、4ヶ月に1回のペースで支払われていましたが、改正後は年6回、2ヶ月に1回のペースで支払われるよう変更されました。改正後、最初の支給月は2024年12月で、10月分と11月分の2ヶ月分が支給されたはずです。
もらえる金額はいくら増えるのか?
家庭の状況によってはもらえる児童手当の金額が増えた場合もあるはずなので、確認しておきましょう。改正前と改正後の支給月額の変更点について、表1にまとめました。
表1
2024年9月まで | 2024年10月以降 | |
---|---|---|
3歳未満 | 1万5000円 | 第一子・第二子:1万5000円 第三子以降:3万円 |
3歳~小学校修了まで | 第一子・第二子:1万円 第三子以降:1万5000円 |
第一子・第二子:1万円 第三子以降:3万円 |
中学生 | 1万円 | 第一子・第二子:1万円 第三子以降:3万円 |
高校生 | 支給なし | 第一子・第二子:1万円 第三子以降:3万円 |
出典:吹田市「令和6年(2024年)9月までの児童手当制度について」を基に筆者作成
例えば、小学生・中学生・高校生の子どもが1人ずついる場合、2024年9月までは1ヶ月分の支給額が中学生の1万円と小学生(第三子)の1万5000円の合計2万5000円でしたが、2024年10月以降は高校生の1万円、中学生の1万円、小学生(第三子)の3万円で合計5万円が支給されるようになります。
申請を行う必要がある人は?
今回の児童手当拡充により、申請が必要になる人もいるので確認しておきましょう。
政府広報オンラインによると、例えば、これまで所得制限により児童手当を受給していなかった方や、高校生年代の子どものみを養育していた方、3人以上子どもがいる世帯で、上の子どもが22歳年度末までの年齢である場合などが申請の対象となります。
申請の手続きは各自治体で行う必要があるので、詳細を調べておくとよいでしょう。
児童手当の増額を受けるには申請が必要な人もいる|支給額が倍になる家庭も
児童手当が2024年10月に改正され、これまで支給されていなかった方に支給されるようになったり、家庭の状況によっては今までより増額されるようになったりしました。
新たに高校生の年代が受給対象になったことや、第三子の支給額が増えたことなどにより、家庭によっては今までの倍の金額の手当が支給されるケースもあるようです。
今回の改正により、増額や受給を受けるためには申請を行う必要がある人もいるので、各自治体のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
出典
政府広報オンライン 特集 2024年10月分から児童手当が大幅拡充!対象となるかたは必ず申請を
こども家庭庁 児童手当制度のご案内 「第3子以降」のカウント方法について
吹田市 令和6年(2024年)9月までの児童手当制度について 制度改正の内容の比較
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー