更新日: 2021.04.05 キャッシュレス
ポイント還元があっても現金派が積極的にキャッシュレス決済を利用しないワケ
これは2019年10月1日から2020年6月までの9ヶ月のみの限定的な支援事業です。加盟店はキャッシュレス決済に応じてポイント還元を受けることができるようになります。消費の落ち込み防止とキャッシュレス決済の利用拡大を目的としています。
消費者にとって気になるのは、どのくらいのポイントが戻ってくるかです。個別の店舗でのキャッシュレス利用による還元は5%、フランチャイズチェーン店では2%となっています。
いずれもポイント還元であり、現金がそのまま戻ってくるわけではありません。とはいえ、せっかくポイントが還元されるのですから、貰わない手はありませんよね。
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区)は、2019年10月1日から実施予定の消費税増税に関する意識調査を実施しました。※
この結果から、消費税増税を機にキャッシュレス決済の使用は増えるのか、この施策によって消費への意識は高まるのか、見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
消費税増税を機に、4割の人がキャッシュレス決済を増やす意向
ポイント還元の対象となるキャッシュレス決済は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードなど一般的な購買に繰り返し利用できる電子的決済手段となります。
ポイント還元を受けられる店舗でキャッシュレス決済を増やすと答えた人は、スーパーマーケット(43.9%)、コンビニエンスストア(38.5%)、ドラッグストア(40.4%)、ホームセンター・ディスカウントストア(36.9%)と、どの業態でも4割程度いることがわかりました。
中でも、日々の買い物で利用頻度の高いスーパーマーケットでキャッシュレス決済を利用したいという回答が最も多いです。
毎日の買い物の積み重ねで支出が多い分、戻ってくるポイントも多いので、スーパーマーケットでキャッシュレス決済を利用したいと考える人が増えていることがわかります。
ポイント還元があっても現金派はキャッシュレス決済を積極的に利用しない
今までキャッシュレス決済を利用していない人に、これを機に利用する意向があるかを尋ねると、スーパーマーケットで「必ず利用する」6.6%「利用する」17.9%、コンビニエンスストアで7.5%、16.5%、ドラッグストアで7.1%、21.0%、ホームセンター・ディスカウントストアで6.8%、19.2%と、全ての業態で「必ず利用する」と答えた人が10%以下となり、利用意向が3割に満たない結果となりました。
これまで現金でしか支払ったことがない人に、ポイント還元を機に新たにキャッシュレス決済を利用してもらうのはなかなか難しいようですね。
一度でも使ってみれば便利さがわかると思いますが、カード発行の手続きが面倒であるとか、使い過ぎが怖いなどの理由で現金派の人たちがキャッシュレス決済を利用する気にならないのではないかと推測されます。
キャッシュレス決済によるポイント還元制度でも、増税後の消費を促すことは難しい
また、消費税増税後のキャッシュレス決済・ポイント還元制度の認知率を調べると、「知っている」と回答したのは70.6%。
一方、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に税率を8%に据え置きする軽減税率については、「内容を理解している」32.5%、「名前は知っている」54.4%とあわせて86.9%と、9割近くの認知率でした。
ポイント還元制度については軽減税率に比べるとまだ認知が低いことも、新規のキャッシュレス利用者の増加につながらない要因の一つかもしれません。
増税による家計支出について尋ねると「引き締める」30.1%、「少し引き締める」50.8%ということで、昨年11月に実施した調査(それぞれ31.1%、50.2%)とほとんど変わっていないことがわかりました。
さまざまな施策を講じても、消費税増税を機に8割以上の人が財布の紐を引き締めるという意識はさほど変わらないということでした。
キャッシュレス決済・ポイント還元制度の認知率がまだ低いということもありますが、増税後の消費の落ち込みにより、景気の低迷が懸念されます。消費者としては、うまくこの制度を利用して少しでも支出が抑えられるようにしたほうがよいでしょう。
※株式会社インテージ「消費税増税によるキャッシュレス決済 現金併用者は4割使用増も、新規利用に前向き4人に1人」より
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部