社会人の夏季休暇、プチ留学という選択肢も?
配信日: 2019.06.25
では若者たちが、留学や海外での生活を望んでいるかといえば、そうでもないようです。一方で、2週間程度のプチ留学をする社会人は増えています。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
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海外は身近になったけれど、留学のハードルは高い
内閣府は7か国の若者を対象に、留学に関する意識調査を行いました。日本経済新聞の記事(2019年6月3日付)によると、この調査は昨年11~12月に13~29歳の男女を対象にインターネットで行われました。対象となったのは日本・韓国・米国・英国・ドイツ・フランス・スウェーデンの7か国です。
これによると日本の留学希望者は全体の32.3%で、韓国の65.7%や米国の65.4%に比べてかなり低い数字です。
逆に「留学したいと思わない」53.2%、「ずっと自国に住みたい」42.7%と回答しています。旅行で海外に行く機会が増えていますが、「留学して異文化に触れたい」「じっくり長期滞在したい」という気持ちには繋がっていないようです。
実際に行ってみてわかる魅力は多い
「留学」となると時間的にも経済的にもハードルが高くなりますが、短期滞在である「プチ留学」の人気は高まっています。1週間や10日間のプログラムなら社会人でも可能ということで、連休や夏季休暇などを利用して参加する人が増えています。現地で英語漬けの生活をすることで、実践英語が学べます。
また「海外で暮らす」ことを疑似体験できることは貴重です。“海外旅行の目的はショッピング”だったのは、遠い昔の話になりました。これは近頃の消費の傾向が、購買型から体験型にシフトしていることと重なります。
今年3月に、マルタ共和国に関する本が出版されました。「マルタ 地中海楽園ガイド(伊藤ひろみ著)彩流社」です。なぜマルタ?と思い、著者に話を聞くことにしました。
彼女の場合、ツーリズムのイベントでマルタ共和国のブースを尋ねたのが、マルタとの出会いだったそうです。2016年に1カ月弱の滞在で、語学研修と観光で訪れたのが最初だったのだそう。旅慣れている彼女は、実にフットワークが軽くリピーターになり、魅力を紹介したいという気持ちが執筆に繋がったようです。
マルタは地中海に浮かぶ小さな島国です。小国ながら世界遺産など見どころも多く、観光に力を入れています。ヨーロッパからバカンスに訪れる人も多いようです。また語学学校に通うことを目的に来訪する外国人も多く、観光に次ぐ産業として40以上の語学学校があるのだそう。留学先としてマルタが選ばれる理由がいくつかあるようです。
(1)世界中の人たちと出会える
EU圏の英語ではない母国語の国(ドイツやフランスなど)やロシア、北アフリカからも集まるので国際交流が活発に行える
(2)治安のよさ
(3)授業料や物価が比較的リーズナブル
1日3時間 週5日クラスの場合 €150~200/週 が目安となります。テキスト代などが必要な場合もあります。夏のピークシーズンは料金もアップしますが、イギリスやアメリカに比べると割安感があります。
(4)アクティビティやワンデートリップなどのプログラムが充実している
(5)国内の観光地はもちろん、ヨーロッパ諸国に近いので、観光も楽しめる
(6)幅広い年代を受け入れている
(7)2018年4月から学生アルバイトでのアルバイトも可能になった
まだ日本人の留学生が多くないというのも、魅力の一つかもしれません。折角留学しても、周りに日本人が多いと、日本人同士の会話はついつい日本語になってしまします。英語で話す時間が減ってしまい、また異文化に触れるチャンスも逃してしまいます。バスを待つ間や散歩の途中など、彼女もいろいろな人と会話することが出来たそうです。
マルタ以外の国の人とも話すことができ、さらに充実度が増したと話してくれました。やはり「実際に行ってみないと本当の良さは分からない」ということなのかもしれません。プチ留学を、夏休みの選択肢の一つにいかがですか。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士