更新日: 2021.04.05 キャッシュレス

キャッシュレスに潜む【スミッシング被害】自分で出来る対策は存在するのか

キャッシュレスに潜む【スミッシング被害】自分で出来る対策は存在するのか
消費税引き上げに伴ってキャッシュレス・ポイント還元が始まったこともあり、キャッシュレス決済の利用が増えているようです。一方で、セキュリティーに不安を感じるという声も多く聞かれます。そこで、自分でできるセキュリティー対策を紹介します。
 
蟹山淳子

執筆者:蟹山淳子(かにやま・じゅんこ)

CFP(R)認定者

宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
蟹山FPオフィス代表
大学卒業後、銀行勤務を経て専業主婦となり、二世帯住宅で夫の両親と同居、2人の子どもを育てる。1997年夫と死別、シングルマザーとなる。以後、自身の資産管理、義父の認知症介護、相続など、自分でプランを立てながら対応。2004年CFP取得。2011年慶應義塾大学経済学部(通信過程)卒業。2015年、日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。2016年日本FP協会、広報センタースタッフ。子どもの受験は幼稚園から大学まですべて経験。3回の介護と3回の相続を経験。その他、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー等の資格も保有。

クレジットカード・デビットカード

クレジットカードやデビットカードは、カード番号や暗証番号などを盗まれて不正利用されることが心配されます。

(1)カードの使用時は慎重に

当たり前のことですが、不審なサイトでカード番号やパスワードを入力しないよう気をつけましょう。また、店でクレジットカードを預けたらできるだけ目を離さないようにすることが重要です。

(2)クレジットカードの利用額は適度に

どんなに気をつけていても絶対に被害にあわないとは言い切れません。だとすれば、被害にあったとしても被害が小さくて済むように、クレジットカードの利用限度額は必要最低限を目安に設定しておきましょう。

(3)複数のカードを上手に使い分ける

光熱費、通信費など毎月引き落とされる固定費の支払いに使用しているメインカードと、不安を感じる店やサイトで利用するカードは別にしましょう。
 
万一カード情報を盗まれて不正利用の被害にあった場合、メインカードを利用停止して再発行するには手間がかかります。特に海外でのメインカードの利用は慎重に。複数のカードを利用シーンに応じて使い分けたほうが良いでしょう。
 

電子マネー

盗難にあったり紛失したりしたときに不正利用されるリスクを考えて、チャージ金額はあまり多くならないようにしましょう。特にオートチャージを設定している場合は被害額が大きくなる可能性があるので、管理には十分気をつけましょう。
 

スマホ決済

スマホ決済では、自分のバーコードやQRコードは数分で無効になり、店側のコードを読み取る場合も自分の情報を読み取られる恐れがないので、セキュリティーの不安は少ないといわれています。
 
ただし、スマホの盗難や紛失で不正利用された場合の被害は考えられます。スマホ自体に指紋認証や顔認証などの生体認証を設定しておくことはもちろん、端末認証などアプリのセキュリティー機能もしっかり設定しておきましょう。また、アプリの利用上限額やチャージ額を大きくしないなどの対策をしておくと安心です。
 

スミッシング対策

SMSを利用したスミッシングに引っかからない対策も考えておきましょう。スミッシングとは、金融機関や携帯キャリアなどになりすましたSMSを送信し、フィッシングサイトに誘導してクレジットカード情報や携帯ID・パスワードなどを入力させて盗む犯罪です。
 
あやしいSMSを受信したら、まずSMSのURLに不審な点がないか、メール文面が自然な日本語かを確認しましょう。SMSの迷惑メール設定で海外事業者のSMSを拒否できる場合もあるので、できれば設定しておくと良いでしょう。
 
最近、スミッシングによってウイルス感染し、気づかないうちにスマホに登録されている電話番号にSMS送信してウイルスが増殖するという被害もあるようです。できれば、受信したSMSのリンクは、正規SMSであってもクリックしないというくらい慎重に対応することが大切です。
 

まとめ

お財布は落とすといけないから必要以上の現金を入れないのに、プリペイドカードには余裕を持った金額をチャージしておく、お財布は盗まれないように簡単に出せるところには入れないのに、スマホはすぐに出せるところに入れて簡単に使えるようにしておく、ということはないでしょうか。
 
IT犯罪は日々悪質化、巧妙化しています。今は犯罪に巻き込まれることの少ないスマホ決済を狙った犯罪も、今後多くなる可能性がないとはいえません。
 
キャッシュレス決済のサービス提供事業者もセキュリティー対策を進化させているようですが、私たちもセキュリティー対策を考え、犯罪から自分の身を守っていく必要があります。まずは自分でできる対策を見直してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:蟹山淳子
CFP(R)認定者


 

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