給付金を受けられる団信があるって聞いたんですが、ホントですか？

住宅ローンを組む時に加入する団体信用生命保険、すなわち団信には「保険金や給付金を受け取る」というイメージはあまりないかもしれません。団信は住宅ローンの借入金と相殺、つまり団信による借入金の弁済が目的の保険です。
 
しかし、給付金を受け取ることができる団信もあります。

がん団信

団信は生命保障と高度障害状態保障が目的ですが、その目的にがんを加えたタイプもあります。先述のとおり、団信は借入金の弁済が目的ですので、がん団信は所定のがんという診断で、団信によって借入金の弁済がなされます。
 
団信によって借入金の弁済がなされれば、毎月の返済がなくなります。なくなった毎月の返済分を治療費に充てたり、収入減少をカバーすることに充てたりもできます。
 
団信ではない一般的ながん保険には、診断給付金という保障が付いている商品があります。所定のがんという診断によって、診断給付金を受け取ることができます。つまり、診断給付金は治療の有無に関係なく受け取ることができます。
 
がん団信の中にも、一般的ながん保険の診断給付金と同じく、所定のがんという診断のみで診断給付金を受け取ることができるものもあります。
 

生前保障にして、まとまった額の給付金が受けられる団信

がん団信は、生前保障の団信の1つといえます。また、がんの治療には、ウィッグや下着、サプリメントなど、健康保険の対象とはならないものが必要になる場合もあります。
 
診断給付金を得ることができるのは、家庭環境やその後のがん治療などにおいて、とてもありがたいのではないでしょうか。
 

住宅ローンとともに、団信も多様化の時代へ

生命保障と高度障害状態の保障を目的とした団信に比べると、がんの保障という目的が加わっていますので、保険料負担として金利の上乗せがある場合があります。がん団信への加入を検討する際は、一般的ながん保険を別途契約し保険料を払う場合と比較してみましょう。
 
最近、団信も多様化が進んでいます。住宅ローンを検討していらっしゃる方は、ぜひ、団信の比較検討をすることもお勧めします。
 
執筆者：大泉稔
株式会社ｆｐＡＮＳＷＥＲ代表取締役