更新日: 2022.02.07 住宅ローン
住宅ローンの借り換えはいつから可能? タイミングやメリットを解説
ここでは、住宅ローンの借り換えがいつからできるのかや、借り換えの検討をするタイミングに加えて、住宅ローンを借り換えるメリット・デメリット、借り換えできないケースも紹介します。住宅ローンの借り換えを検討するタイミングで迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
住宅ローンの借り換えはいつから可能なのか
住宅ローンの借り換えがいつからできるか、統一された決まりはありません。金融機関によって支払い実績などの条件が設定されているため、要件をしっかり確認しましょう。
例えばフラット35の借換融資には、次のような申込要件があります。
●借り換え対象の住宅ローンの契約日(もしくは相続などによる債務者の変更日)から、借り換えの申込日まで1年以上経過している
●借換融資の申込日の前1年間、正常に返済している
両方を満たしている必要があるため、借り換え対象の住宅ローンを少なくとも1年間は返済してからでないと、フラット35の借換融資を利用できないことになります。また、直近1年以内に延滞などの履歴がある場合は、延滞を解消してから1年間経過するまで申し込みを待たなければなりません。
金融機関によっては返済実績を2年間や3年間などと定めている場合もあります。この場合は借り換え対象の住宅ローンを契約してから2年〜3年が経過しなければ、借り換えができません。
借り換え対象の住宅ローンが契約から日が浅い場合、A社には申し込みできるがB社、C社にはまだ申し込めないというケースもあるため注意しましょう。
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住宅ローンの借り換えを検討するタイミング
住宅ローンの借り換えは、申し込める時期が来たらいつ行ってもメリットがあるものではありません。借り換えでできるだけ得をしたいと考えるなら、借り換えを検討するタイミングが重要です。
一般的には、次のようなタイミングで借り換えを検討すると、効果が出やすいと言われています。
●金利変動時や優遇金利終了時
●仕事や生活などライフスタイルが変化するとき
なぜこれらのタイミングが借り換えの検討に向いているのか、以下で説明します。
金利が変動したときや優遇金利が終わるとき
住宅ローンを借り換えるタイミングを計るには、借り換え前後の金利差が重要です。
借り換え後の金利差が大きいほど、借り換えの効果も大きい傾向があります。そのため、住宅ローンの金利水準が下がり、返済中の住宅ローンよりも金利の低い住宅ローン商品を見つけやすくなったら、借り換えを考えるのに良いタイミングといえるでしょう。
とくに近年、住宅ローンの金利は低水準が続いています。住宅ローンを借り入れたのが10年以上前であれば、借り換えで大きなメリットを得られる可能性があります。どの程度の効果を得られるか、シミュレーションしてみるとよいでしょう。
また、当初優遇プランの商品で優遇金利が終了するときは、利率が上がるため、より金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討するタイミングです。
自身の仕事や生活が変わるとき
転職や独立などを考えているときは、仕事や生活の環境が変わる前に借り換えを検討するとよいでしょう。なぜなら、転職や独立などをすると借り換え申込時に申告する勤続年数が短くなるためです。
勤続年数は、住宅ローンの審査において重要な項目です。金融機関の審査基準次第では、転職や独立で年収が上がっていても、勤続年数が短い点がマイナスに働き、借り換え審査に落ちる可能性があります。
また、転職や独立、勤務体制の変更などによって年収が下がる見込みがある場合は、早めに借り換えを検討するほうがよいでしょう。
もちろん、勤続年数や年収が要件を満たしていれば、申し込みは問題なくできます。しかし、住宅ローン借り換え時の審査は、新規借入時よりも厳しいとも言われています。より条件の良いうちに申し込むほうが、審査落ちを回避しやすいでしょう。
住宅ローンを借り換えするメリット
住宅ローンの借り換えによって得られる主なメリットは、次の4点です。
●返済額を減らせる
●リフォーム資金と一本化できる
●金利タイプを変更できる
●団体信用生命保険の保障内容の充実を図れる
ただし、借り換えさえすれば一度に全てのメリットがもたらされるわけではありません。自分が最も強く求めるメリットは何かを明確にして、借り換え先を選択することが大切です。
それぞれのメリットについて、以下で説明します。
返済額の減額
住宅ローンを借り換える最大のメリットは、返済額を減らせる点です。金利の低い住宅ローンに借り換えることで、総返済額や月々の返済額を軽減できます。
借り換えによってどの程度の減額効果が得られるのか、次のA銀行からB銀行に借り換えるケースについてシミュレーションしてみましょう。
●当初借入額:3000万円
●借入残高:2500万円
●借入期間:30年
●残りの返済期間:25年
●金利:年3.5%(全期間固定)
●返済方式:元利均等返済
●ボーナス返済:なし
●借り換え金額:2500万円
●借入期間:25年
●金利:年2.5%(全期間固定)
●返済方式:元利均等返済
●ボーナス返済:なし
この場合、借り換えによって減額できる金額は表1のとおりです。
表1
A銀行(借り換え前) | B銀行(借り換え後) | 借り換えで減額される金額 | |
---|---|---|---|
毎月返済額 | 12万5155円 | 11万2154円 | 1万3001円 |
総返済額 (うち利息分) |
3754万6684円 (1254万6684円) |
3364万6064円 (864万6064円) |
390万620円 (390万620円) |
※住宅金融支援機構「借換えシミュレーション」を用いた概算値です。
このケースでは、借り換えによって総額390万円以上も減額できる可能性があります。借入残高や残りの返済期間などの条件にもよりますが、一般的には金利差が大きいほど減額効果を得られます。
リフォーム資金との一本化
借り換えと同時にリフォームも検討している場合、リフォーム資金と住宅ローンの残高を一本化して借り換えできます。
リフォームローンは、住宅ローンと比べて金利が高いのが一般的です。リフォーム資金を含めて住宅ローンを借り換えると、住宅ローンの金利水準で、なおかつ長期間リフォーム資金を借りられます。
つまり、リフォームローンと借り換え後の住宅ローンの金利差の分だけ、節約ができるのです。場合によっては、借り換え前の住宅ローンの返済額よりも、リフォーム資金を上乗せして借り換えた後の返済額のほうが安くなる可能性もあります。
金利タイプの変更
借り換えをするときには、金利タイプを改めて選び直せます。金利タイプの再選択には、次のようなパターンが考えられます。
●現在変動金利で住宅ローンを借りている人が、長期固定金利に変更し、金利上昇のリスクを回避する
●現在固定金利で借りている人がより金利の低い変動金利に変更する
昨今の低金利水準下であれば、変動金利と比べて比較的金利が高めのことが多い長期固定金利を選んでも、かなり低い金利での借り換えが可能です。そのため、将来の金利上昇リスクが不安だという人にとって、長期固定金利への借り換えはメリットの大きい選択肢でしょう。
また、現在固定金利を選択しており、金利変動のリスクを取っても、できるだけ低い金利で借り直したいという人は、より低い金利が設定されていることの多い変動金利への変更を検討してもよいでしょう。
団体信用生命保険の保障充実
団体信用生命保険(以下、団信)の保障を見直せるメリットもあります。
最もスタンダードな団信は、住宅ローン返済中に死亡もしくは所定の高度障害状態になって返済が継続できなくなったときに、残りの住宅ローンの返済が免除されるものです。しかし時代とともにさまざまなニーズに応える新しいタイプの団信を提供する住宅ローンが増え、団信の選択肢は以前と比べて広がっています。
例えば最近では、次のような保障を備えた団信があります。
●がんの診断確定によって返済が減免される
●所定の生活習慣病で一定日数以上継続して入院すると返済が免除される
●所定の状態になったときに一時金が給付される
通常、住宅ローンの返済期間中に、団信の変更はできません。しかし借り換え時には借り換え先の団信に入り直すことになるため、より保障が充実した新しいタイプの団信への乗り換えも可能です。
ただし、新たに入る団信の種類によっては、住宅ローンの金利が0.1~0.3%上乗せされることもあるため、加入条件はしっかり確認しましょう。もちろん、団信に加入できる健康状態かどうかも確認しておく必要があります。
住宅ローンを借り換えするデメリット
住宅ローンの借り換えには、良いことばかりではなくデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのかを理解したうえで、借り換えをしたほうがよいのかどうか、冷静に検討することが大切です。
借り換えの主なデメリットは、次の2つです。
●手数料などの諸費用がかかる
●契約に手間と時間がかかる
以下でひとつずつ解説します。
手数料などの諸費用がかかる
住宅ローンの借り換えをする際には、さまざまな費用がかかります。借り換えにともなう主な諸費用は、次のようなものです。
●全額繰上返済手数料
●抵当権抹消費用
●保証料
●事務手数料
●抵当権設定費用
●印紙税
諸費用の金額は金融機関や住宅ローンの種類、借り入れの内容によって異なりますが、多いときには数十万円必要なこともあります。
諸費用の金額によっては、借り換えの減額効果が相殺されたり、逆に返済総額が増えてしまったりする可能性があります。そのため、借り換えの検討時には諸費用を考慮に入れてシミュレーションすることが重要です。
また、諸費用の負担軽減のために、保証料や事務手数料などが安い、もしくは無料の金融機関を借り換え先に選ぶ、といった工夫も必要でしょう。
契約に手間と時間がかかる
住宅ローンを借り換える際には、新規借入時と同じように、必要書類を提出して所定の審査を受けなければなりません。そのため、役所に書類を取りに行ったり住宅取得時の資料を揃えたりしなければならず、時間や手間がかかります。また、審査を通過したのちには、契約締結や抵当権設定・抹消手続きのために、まとまった時間が必要です。
また、住宅ローンを借り換えると、返済金の引き落とし口座が新しい借入先のものに切り替わります。それにともなって、給与振込口座の変更や公共料金の引き落とし口座の変更などが必要となる場合もあり、やらなければならないことは多いでしょう。
最近では、来店から契約までオンラインで完結できる、ネット型の住宅ローンも増えています。借り換えにともなう手間ひまを軽減したいと考えるなら、ネット型の商品を選ぶのも方法のひとつです。
住宅ローンの借り換えができないとき
次のようなケースでは、希望しても借り換えができません。
●同じ銀行で同じローンへの借り換え
●住宅を賃貸にした場合
●ローンの延滞や収入減がある場合、勤続年数が少ない場合
●物件の価値が落ちている場合
借り換えを検討するときには、まずご自身のケースが借り換えできない事由に当てはまらないかどうかを確認しましょう。
以下で、各ケースについて説明します。
同じ銀行で同じローンへの借り換え
同じ銀行内で、返済中のものと同一の住宅ローン商品への借り換えはできません。なぜなら、銀行側にはデメリットしかないためです。同じ銀行内でより低い金利での借り換えを認めた場合、銀行の利息収入は減少し、顧客が増えるわけでもありません。
ただし、銀行によっては、一般の住宅ローンからフラット35やネット専用住宅ローンなどの別の商品への借り換えが、可能なこともあります。
また、同一銀行内での借り換えはできませんが、金利引き下げなどの条件変更には交渉次第で応じてもらえる場合があります。
なぜなら、銀行としても他行に移られるよりは、これまでよりも低金利であっても引き続き利用してもらえる方がメリットがあるからです。金利の引き下げ交渉が上手くいけば、他行で借り換えるよりは簡便な手続きで、返済額を抑えられるでしょう。
なお、金利引き下げの際にも審査が行われます。審査を通過するには、過去に延滞などの問題を起こしていないことが大切です。
住宅を賃貸にした場合
住宅ローンの対象物件を賃貸に出すと、一般の住宅ローンでは借り換えができなくなります。なぜなら、賃貸に出している物件は収益物件とみなされるためです。
収益物件の取得費用として借り換える場合は、事業用ローン(アパートローン)を利用する必要があります。しかし、事業用ローンは住宅ローンと比べて金利が高い傾向にあり、借り換えるメリットはないでしょう。
なお、住宅ローンを利用して取得した住宅を賃貸に出すことは、住宅ローン契約書に記載された資金使途に反しており、契約違反です。本来ならば、賃貸に出した段階で速やかに金融機関へ相談する必要があります。
ローンの延滞や収入減がある場合、勤続年数が少ない場合
過去5年以内に住宅ローンやその他のローン、クレジットなどの延滞がある場合、借り換えの審査に通ることは難しいでしょう。住宅ローンの延滞については、借り換えの申し込み要件として明記している銀行も多いです。任意整理などの記録が信用情報に残っている場合(通常、完済から5年以内)も、審査では致命的なマイナスとなります。
また、住宅ローンでは通常、年収に対する全てのローンなどの返済額を合算した金額の割合(総返済負担率)の基準が定められています。そのため、収入の減少によって金融機関が定める総返済負担率の上限を超える場合も、借り換えはできません。
加えて最低勤続年数を定めている金融機関も多く、転職や独立などで勤続年数が短くなると借り換えが難しくなるでしょう。独立して個人事業主や会社の代表者になると、3年分の決算申告書を求められることもあります。転職や独立して間もない場合は、申し込み条件に勤続年数を上げていない金融機関を探すことをおすすめします。
物件の価値が落ちている場合
物件の価値は、時間の経過とともに下がっていくものです。そのため、住宅ローンの元金の返済状況によっては、住宅ローン残高が物件の担保価値を上回る、いわゆる「担保割れ」の状態になります。
最近では、物件評価額以上の金額を借りられる住宅ローンも増えており、担保割れ状態でも借り換えが絶対にできないわけではありません。例えばフラット35の借換融資では、借入額の上限を次のように明記しています。
・借換対象の住宅ローンの残高と住宅金融支援機構による担保評価額の200%のいずれか低いほう
しかし、物件の評価額が低いと資金回収が不能になるリスクがあるため、希望通りの融資額では審査に通りづらくなる可能性は高いでしょう。担保評価額に対していくらまでの融資が可能かは、ほかの審査項目も総合したうえで、金融機関が個別に判断します。
ベストなタイミングで借り換えを検討しよう
住宅ローンの借り換えは「いつからできる」という明確な決まりはありません。ただし、金融機関によっては借り換えの申し込み要件に「契約日から○年以上経過している」「直近1年間正常に返済している」と規定している場合があります。この場合は、要件を満たす時期を待って申し込まなければなりません。
また、借り換えでメリットを得るためには、時機の見極めが大切です。金利情勢やご自身の生活の変化などに合わせたタイミングで、借り換えを検討しましょう。
場合によっては、借り換えができないケースもあるため、申込先ごとの要件などもよく確認することが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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