更新日: 2022.06.18 住宅ローン

現金一括での住宅購入と住宅ローン利用での住宅購入、税金面ではどちらがお得?

現金一括での住宅購入と住宅ローン利用での住宅購入、税金面ではどちらがお得?
住宅購入は、大きな支出を伴います。税金についても、さまざまな種類のものが関係します。印紙税、不動産取得税、登録免許税などがそれに該当します。
 
支払い方法が「現金一括」か「住宅ローンを利用する」かで、税金面で違いがあります。本記事では、どのような違いがあり、どちらがお得なのかについて、解説していきます。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

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※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。

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住宅ローンを利用する場合、住宅借入金等特別控除が利用できる

住宅借入金等特別控除は、「住宅ローン控除」ともいいます。住宅ローンを利用して住宅を購入した方は、年末の住宅ローンの残高に応じて、所得税の控除を受けられるというものです。
 
住宅ローン控除を受けるためには一定の要件があります。しかし、その要件は多くの方が満たせるようなものです。住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、多くの方が住宅ローン控除を受けることができるといえます。
 
住宅ローン控除は、居住の用に供した(住み始めた)年から10年間(令和3年1月1日から令和4年12月31日までに居住の用に供した場合は13年間)、受けることができます。控除の額は、以下のとおりです。
 

●1年目から10年目:住宅ローンの年末残高の1%(上限は40万円または50万円)
●11年目から13年目:次の(1)(2)のうち少ない方の額

(1)年末残高(上限4000万円または5000万円)×1%
(2)(住宅取得等対価の額-消費税額)(上限4000万円または5000万円)×2%÷3

 
住宅ローン控除は「税額控除」です。「所得控除」とは異なり、算出した金額を、所得税額から差し引きます。
 
例えば、1年目の住宅ローンの年末残高が3600万円の場合、36万円の税額控除を受けることができます。仮に、所得税額が60万円の場合、36万円の税額控除を受けられるということは、所得税額が24万円になるということです。
 
住宅ローン控除は、このような税額控除が10年ないし13年にわたって受けることができます。このため、税制優遇措置としての効果が大きいといえます。
 

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現金一括で購入する場合、抵当権設定のための登録免許税が不要

現金一括で住宅購入をした場合、住宅ローン控除のような税制優遇措置はありません。
 
しかし税金の面から考えると、強いて挙げれば、「抵当権設定のための登録免許税がかからない」ということでしょうか。
 
住宅ローンを組むときには、購入する不動産に対し「抵当権」を設定します。「抵当権を設定する」とは、その不動産に対し、抵当権という権利を登記するということです。登記をする際に税金を支払う必要があり、この税金を「登録免許税」といいます。
 
抵当権を設定する場合の登録免許税は、「債権(借入)金額の総額× 4/1000」の計算式によって算出されます。例えば、債権金額が4000万円の場合、登録免許税は16万円となります。
 
現金一括で住宅を購入した場合には、抵当権を設定しないため、この登録免許税を支払う必要はありません。
 

まとめ

本記事では、住宅購入を現金一括にするか、住宅ローンを利用するかについて、税制面だけで比較して解説をしました。
 
違いは、住宅ローンを利用する場合は、住宅借入金等特別控除を受けられること、現金一括で購入する場合は、抵当権設定の登録免許税がかからないということです。
 
税制面だけで比較した場合は、住宅ローンを利用する方がお得といえます。
 
しかし、本記事において、住宅ローンの利用を推奨しているわけではありません。住宅ローンを利用する場合、現金一括で購入する場合に比べて、費用が多くなるからです。
 
住宅ローンの返済には、利息の支払いが伴います。住宅ローンの利用には、登録免許税以外にも、事務手数料や登記費用、団体信用生命保険料なども発生します。
 
住宅を購入する際には、総合的な視点で判断する必要があります。総合的な視点で検討される場合には、ファイナンシャルプランナーのような専門家に相談することをおすすめします。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
財務省 登録免許税に関する資料
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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