住宅購入時、現金はいくら手元に残しておくと安心?
配信日: 2022.06.29
しかし、頭金を多く確保しようとして貯金がカツカツとなっていしまっては、いざというときを考えると不安が残ります。住宅購入時に、いくら現金を手元に残しておくべきか解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
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住宅購入時手元に現金を残しておくべき理由
住宅購入時においては、頭金が多い方がローンを組む額が小さくなることや、より大きな金額でローンを組めるというメリットもあることから、手元にお金をほとんど残さず、住宅ローンを組む方もいらっしゃいます。
しかし、住宅購入時においては絶対に、ある程度手元に現金を残しておくべきです。間違っても貯金全てを頭金に充ててしまうというのはNGです。
その理由は、住宅の購入後には引っ越しがあるからです。今いる家から新居への引っ越し費用や、引っ越しに伴う家具家電の買い換えなどを考えると、住宅購入以外にもお金がある程度必要となります。
また、購入後に何らかの事情による退職や転職で収入の減少、また、突発的な支出が生じることもあります。そういった理由から、住宅購入時には、手元にある程度現金を残しておくべきなのです。
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残しておくべき現金はどれくらい?
住宅購入時、手元に残しておくべき現金は、最低でも3ヶ月は収入が途絶えても問題なく生活できるだけの金額が目安となります。可能であれば、6ヶ月分は、収入が途絶えても問題なく生活できるだけの費用を残しておきたいところです。
なぜなら、万が一退職したとしても、3ヶ月あれば失業手当の受給に至ることができますし、6ヶ月もあれば、よほどの状況でない限り再就職ができるからです。最低限3ヶ月分、余裕を持ちたい場合は6ヶ月分、これを手元に残しておくべき現金の目安として考えてください。
ただし、自営業者で収入に波がある、失業手当を受け取ることができないなどの場合、頭金に使える金額との相談にもなりますが、10ヶ月から1年間、収入が途絶えても問題なく生活できるだけの費用を残しておくと安心できます。
現金を残すためにフルローンという選択肢はアリなのか
住宅購入時に現金を残そうとすると、契約にかかる初期費用で手一杯となり、頭金が用意できないということもあるでしょう。そのような状況においては、フルローン(頭金なしでローンを組むこと)にすべきか、手元の現金を減らしてでも頭金を確保するべきか悩まれる方もいらっしゃいます。
そういった場合は、無理に頭金に貯金を入れるのではなく、フルローンないしフルローンに近い状態で住宅を購入することも検討すべきです。確かに、頭金を多く入れることで借入金額が減って利子も減るというメリットもあります。しかし、手元にまとまった現金がないという状況は、非常に危険であります。
例えば、手元にお金がない状態で離職し、長期就業できずローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合家を手放すことにもなりかねないからです。
住宅ローンを組むにあたり、頭金を1割から2割入れることは当たり前といわれることもありますが、それは絶対ではありません。リスクを避けるためにフルローンを組む、これも住宅購入時においては正しい選択肢となります。
心配であれば購入を一時見送り、頭金をある程度用意しつつ、手元に現金も残せるという状況になってから購入することを検討してもよいでしょう。
住宅購入時は3ヶ月から1年分の生活を現金で残すこと
住宅を購入する場合、万が一に備えて、最低でも3ヶ月~6ヶ月、自営業者であれば10ヶ月~1年程度を目安に、手元に現金を残しておくと、ある程度安心して住宅を購入することができます。
住宅ローンは長期にわたって返済していくものになります。その最初の一歩として、住宅購入時においては手元に残す現金について、十分に検討していただきたいところです。
執筆者:柘植輝
行政書士
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