「家の解体」でローンは組める? 解体工事に利用できるローンを解説
配信日: 2022.07.09
本記事では、解体工事で利用できるローンの種類について解説します。
執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
解体工事にローンは可能
家の解体工事にはローンを利用することができるため、まとまった金額が準備できない場合に活用するとよいです。ローンには、用途別ローンと用途を限定しないローンの2つがあります。
用途別ローン
用途別ローンは、住宅購入や子どもの教育資金など用途別にさまざまな種類があります。用途を限定しているため、用途以外で使うことはできません。ローンの種類によって金利が変わり、用途を限定しないカードローンなどと比べると金利が低く設定されています。主なローンとして、住宅ローンや教育ローン、車のローンなどがあります。
用途を限定しないローン
用途を限定しないローンは、自由に活用できるため、急な出費などに対応ができます。借入限度額以内であれば、自由に借り入れができるものの、金利が高く設定されています。主なローンとして、カードローンやフリーローンがあります。
解体工事に使えるローンは3つ
解体工事で利用できるローンは大きく分けて、「住宅ローン」や「解体ローン」、「プロパーローン」の3つがあります。
住宅ローン
住宅ローンは、家やマンションの購入に際して組まれるローンです。しかし、「家の建て替え」を行う際の解体工事に利用できることがあります。例えば、中古住宅付きの土地を購入し、その中古住宅を解体して新しい家に建て替える場合です。ただし、住宅ローンを組むにあたって、解体工事と建て替え工事の両方を行う必要があり、解体工事のみの利用はできないため注意が必要です。
空き家解体ローン
空き家解体ローンは、老朽化した空き家や居住する予定がない空き家の解体に際して組まれるローンです。メガバンクでは販売されておらず、地方銀行や信用金庫などで取り扱っています。地方銀行や信用金庫の場合、その地域の自治体と連携して、空き家問題を解決することから取り扱うようになりました。また利用条件の面でも他のローンと比べると利用しやすいという特徴があります。
プロパーローン
プロパーローンは、資金用途が明確なものであればさまざまな用途に活用できる多目的ローンです。ただし、事業性資金や投機資金、不動産購入資金は対象外となります。保証会社や保証人なしで借り入れできるため、保証人がいないという理由で他のローンの借り入れが難しい人でも活用ができます。
住宅ローンは解体工事のみの利用ができないため、その場合、多目的に利用できるプロパーローンを活用することをおすすめします。
一括負担が難しければローン利用も選択の1つ
解体工事費用の準備が難しい場合、住宅ローンや解体ローン、プロパーローンの活用を検討するとよいでしょう。ただし、住宅ローンは、新しい家に建て替えることも含めたローンであるため注意が必要です。もし、解体工事のみの利用であれば、プロパーローンを利用するのがおすすめです。
居住する予定のない家の解体であれば、地方銀行や信用金庫などの空き家解体ローンを利用するとよいです。自治体では、年々増え続けている空き家問題が深刻化しているため、空き家解体ローンを販売している地方銀行や信用金庫も増えています。
解説してきたように家の解体にはローンを活用することができるため、まとまった費用がない場合に活用されるとよいでしょう。
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士