定年後に残った住宅ローン。子に引き継ぐことは可能ですか?
配信日: 2022.07.23
そういったとき、親から子へ住宅ローンを引き継いで返済できないかと検討される家族もいらっしゃいます。
定年後、親から子へ住宅ローンを引き継がせるということは可能なのでしょうか? 検討していきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
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住宅ローンの名義変更は難しい
親から子へ住宅ローンを引き継がせようとする場合、多くの方が思いつくであろう方法に、住宅ローンの名義変更があります。
定年を迎えた親が名義人となっている住宅ローンを、現役で収入の安定している子が名義人となるように変更するのです。
この方法は、親が亡くなり子が相続した際に住宅ローンが残っていたような場合を除き、現実的には不可能であることがほとんどです。現在親が組んでいる住宅ローンは、親の信用情報に基づいて設定されているものであるからです。
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住宅ローンを子へ引き継がせるなら借り換えが現実的
住宅ローンを子へ引き継がせたいと考えるのであれば、住宅ローンの借り換えによって行うことが現実的です。
住宅ローンの借り換えとは、別の金融機関から住宅ローンを借り入れし、そのお金で今の金融機関の住宅ローンを返済することです。
借り換えによって親から子へ住宅ローンを引き継がせる場合、子名義で金融機関から借り入れを行い、子が親の住宅ローンを返済するという流れになります。
ただし、住宅ローンの借り換えには審査が生じます。子が借りる場合、審査対象となるのは当然、子になります。子がすでに自分の住宅ローンを組んでいたり、事業のために融資を受けていたりするなど、借り入れが存在する状況にあると、借り換えがうまくいかないこともあります。
そのため、定年後、借り換えによって住宅ローンの名義を親から子へ変更するのであれば、借換先の金融機関と相談しながら行うべきです。
名義変更や借り換えをしない方法もある
定年後に残った住宅ローンを子に継がせたいと思ったとしても、果たして本当に名義変更や借り換えを行う必要性があるのか、いま一度考えてみましょう。
住宅ローンの名義変更や借り換えの手続きには、諸費用が発生します。
例えば、借り換えであれば事務手数料や、借入金額に応じた印紙代、繰り上げ返済手数料などが必要となります。それに加え、面倒な事務手続きや、借入時の審査を新たに受けなければならないなど、手間と時間もかかります。
こういったことを考えると、無理に名義変更や借り換えを検討せず、子が親に住宅ローン相当額のお金を渡し、親がそのお金で返済することで、実質的に子が親の住宅ローンを肩代わりする方法も検討の余地があります。
この方法であれば、手間や手数料を省いた上で、住宅ローンを実質的に子へ継がせることができます。
住宅ローンを引き継がせるなら借り換えの検討を
定年後、残っている住宅ローンを子に引き継がせたいという場合、住宅ローンの借り換えによって行うことが現実的です。悩んでいる方は、一度借り換えについて検討してみてはいかがでしょうか。
詳細については、借り換えを希望する金融機関へご相談ください。
執筆者:柘植輝
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