住宅ローン減税制度とは?どれくらいお得になる?

配信日: 2022.07.27

この記事は約 6 分で読めます。
住宅ローン減税制度とは?どれくらいお得になる?
住宅ローン減税制度は会社員が実行できる数少ない節税対策の1つです。法人やフリーランスと比べて、節税の手段が限られる会社員ですが、本制度を活用することで、大きな金額の所得控除を受けることができます。
FINANCIAL FIELD編集部

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住宅ローン減税制度とは

住宅ローン減税制度は、住宅ローン控除制度とも言われています。正式名称は、「住宅借入金等特別控除」であり、住宅ローンを借り入れてマイホームを購入した場合、住宅ローンの年末残高に0.7%を乗じた金額をその年の所得税から差し引く減税制度です。
 
所得税から控除しきれない場合、9万7500円を限度として、住民税からも一部控除されます。住宅ローン減税制度を利用することで、マイホーム購入者の経済的な負担を軽減することができます。
 
図表1

居住開始時期 2022年4月〜2025年3月
控除期間 13年
控除率 0.7%
最大控除額 ・1年〜10年目
4000万円×1%×10年=400万円
 
・11年〜13年目
81万円
控除上限額(住民税)

新生銀行「住宅ローン控除の期間が延長!我が家は対象になる?」を基に筆者作成
 
ちなみに、2021年までは控除率が1%でしたが、2022年4月以降0.7%に引き下げとなったため、注意が必要です。
 

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住宅ローン減税制度の適用対象

住民ローン減税制度の適用対象は以下のとおりです。


●自らが居住する住宅の借入である
●床面積が40平方メートル以上であること
●控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下である
●住宅ローンの返済期間10年以上である
●床面積の2分の1以上の部分が自身の居住用である
●増改築等の場合、工事費が100万円以上である

令和4年度税制改正によって、所得上限額が2000万円に引き下げられています。したがって、合計所得金額が2000万円を超える年については、控除を受けられません。床面積については、「50平方メートル以上」から「40平方メートル以上」に緩和されています。
 
また、本制度適用の前提として、利用者の居住を前提としています。親族等の居住用や投資用、事業用の物件は対象外となっています。
 

住宅ローン減税制度の対象となるローン

マイホームの購入に充てられる住宅ローン全てが対象ではなく、以下の機関からの借入である必要があります。


●銀行
●農協
●信用金庫
●信用組合
●地方自治体
●住宅金融支援機構
●公務員共済組合
●勤務先

また、給与所得者が勤務先から借入した場合、金利が市場金利を換算して定められた0.2%以上である必要があります。親族や知人といった個人からの借入は対象外です。勤務先からの借入であっても、親族の会社や自身が役員となっている勤務先からの借入も対象外となります。
 

申請方法

初めて住宅ローン減税制度を利用するときには確定申告が必要です。会社員は通常、確定申告をしなくても会社が年末調整で税金の手続きをしてくれているので、確定申告が必要なことに注意が必要です。
 
入居した年の翌年1月1日より確定申告ができ、税務署に必要書類を提出することになります。しかし、2年目以降は勤務先に住宅ローンの残高証明書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書を提出すれば、会社の年末調整で手続きが完了します。
 

確定申告に必要な書類

住宅ローン減税制度の申請には、1年目は確定申告が必要です。確定申告のときに必要となる書類は以下のとおりです。


●確定申告書(第一表・第二表)
●(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
●源泉徴収票(会社員)
●住民票のコピー
●住宅ローンの残高証明書
●建築請負契約書・不動産売買契約書のコピー
●土地建物の登記簿謄本
●マイナンバーカード

住宅ローンの残高証明書は金融機関から送付されます。確定申告書や住宅借入金等特別控除額の計算明細書は税務署から入手します。
 

2年目以降の手続き

2年目以降は、確定申告の必要はなく、勤務先に必要書類を提出し、年末調整で手続きが完了します。年末調整のときには、住宅ローンの残高証明書や住宅借入金等特別控除額の計算明細書といった確定申告時と同様の書類が必要になります。
 
一方で、フリーランスなどの年末調整の対象外に該当する人は1年目、2年目以降ともに確定申告のときに必要書類を提出します。
 

住宅ローン減税制度でどれくらいお得になる?

住宅ローン減税制度を利用することで、実際にどれくらい所得税が控除され、税金の負担が軽減されるのでしょうか。マイホームの平均的な購入金額は4397万円です。
 
住宅ローンの借入額を4000万円、返済期間35年、金利2%、年収600万円として想定してみましょう。控除額は1年目から10年目でローン残高×0.7%ですので、年間28万円です。
 
その後10年目まで毎年ローン残高×0.7%となります。そして、11年目から13年目までは約81万円の控除額です。13年目までの控除額の合計は272万2000円となります。年収600万円の人の所得税・住民税は18万円、31万円程度です。
 
10年目まで28万円の控除額のうち18万円の所得税と、住民税は9万7500円までの控除です。したがって、18万円+31万円-18万円+9万7500円=21万2500円が実際に戻ってくる金額です。
 
10年目までの税軽減効果は21万2500円×10年=212万5000円、11年目から13年目までと合わせて272万2000円となります。
 

出典

財務省「住宅ローン減税」について教えてください。
新生銀行 住宅ローン控除の期間が延長!我が家は対象になる?
国土交通省 住宅ローン減税
国税庁 No.1225 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等
りそなグループ 住宅ローン控除(減税)制度の概要と計算方法、手続きの流れを徹底解説
住宅金融支援機構 2020年度フラット35利用者調査
ELOAN 住宅ローンの控除(減税)シミュレーション
ウェルスハック 【早見表付】年収200万円~1億円の手取り|計算式と簡易計算方法も解説
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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