更新日: 2023.05.29 教育ローン

今年、高3の息子が大学受験。教育資金が「ゼロ」の場合、必要額を全額借りることは可能?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

今年、高3の息子が大学受験。教育資金が「ゼロ」の場合、必要額を全額借りることは可能?
受験シーズンに必要な資金の用意がなく「借入れをして乗り切りたいけれど、収入額の問題などで必要額をすべて借りられるか不安」という親御さんもいるのではないでしょうか。
 
大学受験から入学までの資金を借りる手段として、「国の教育ローン」の利用が挙げられます。本記事では、国の教育ローンの利用条件や特徴、受験費用をまかなえるかどうか、奨学金との併用について解説します。
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受験費用や入学金にも使える「国の教育ローン」が選択肢になる

大学受験の費用や、合格した際の入学費用に充てる教育資金が足りない場合、借入先の選択肢となるのが、日本政策金融公庫が運用する「教育一般貸付」いわゆる「国の教育ローン」です。
 
国の教育ローンは、学生自身が借りる奨学金とは異なり、保護者の名義で借り入れる公的な教育ローンです。国の教育ローンとはどのような制度なのか、貸付の条件や返済方法などの特徴を紹介します。
 

借り入れ条件

国の教育ローンの主な借り入れ条件は次のとおりです。
 
■借入額
国の教育ローンの借入上限額は350万円です。ただし、次に該当する人は450万円までの融資を受けられます。
 

・自宅外通学
・修業年限が5年以上の大学(昼間部)
・大学院
・海外留学(修業年限3ヶ月以上の外国教育施設への留学)

 
■金利(令和5年5月20日時点)
固定金利1.95%
(ひとり親家庭、扶養する子の人数が3人以上、年収200万円以内の世帯は1.55%)
 
■返済期間
最長18年
 
■保証
教育資金融資保証基金(保証料が必要)または連帯保証人
 

対象となる学校など・資金使途

国の教育ローンの対象となるのは次の教育機関です。
 

●大学、大学院(専門職大学院を含む)、短大
●専修学校、各種学校(予備校、デザイン学校など)
●高校、高専、特別支援学校の高等部
●海外の高校、短大、大学、大学院、語学学校など
●その他職業能力開発校など

 
資金使途は次のように定められています。
 

●学校納付金:入学金、授業料、施設設備費など
●受験費用:受験料、受験時の交通費・宿泊費など
●在学中の住居費用:敷金・家賃など
●その他在学費用:教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費、修学旅行費、学生の国民年金保険料など
●教育資金融資保証基金の保証料

 
受験費用に関しては合格前であっても融資を受けられるため、受験費用の一時的な負担が難しい場合も安心です。
 

所得制限

国の教育ローンを利用するには、世帯年収(所得)が図表1に示す上限額以内である必要があります。
 
【図表1】
 

子どもの人数 世帯年収の上限額
1人 790万円
2人 890万円
3人 990万円
4人 1090万円
5人 1190万円

 
ただし、子どもが2人以内の世帯は、自宅外通学予定の場合などいくつかある要件のいずれかに当てはまると、世帯年収の上限額が990万円に引き上げられます。
 

返済方法

返済方法は、以下のいずれかを選択できます。
 

●元利均等返済
●在学中は元金据置で利息のみ返済

 
後者を選択すると、在学期間中は利息のみの返済に抑えて学費などの出費に備え、卒業後教育費の出費がなくなってからゆとりを持って元金を返済することが可能です。
 

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国の教育ローンで受験~入学初年度の費用はすべてまかなえる?

日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(2021年12月20日発表)」によると、大学受験費用・入学費用の平均は、子ども1人あたり約70万円です。また、1年間の在学費用は、平均100~180万円という結果が出ています。平均的な費用で収まる場合は、国の教育ローンの借入上限額350万円以内でまかなえる可能性が高いでしょう。
 
ただし、ローンである以上、融資の可否は審査で決まります。収入状況などによっては、必要額を借りられないケースもあるでしょう。また、ほかに多額の借り入れがある場合などは、融資を受けられない可能性があるため注意が必要です。
 

国の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金の併用も可能

国の教育ローンだけでは費用面や返済に不安がある場合、また、2年目以降の資金も借り入れる必要がある場合は、日本学生支援機構の奨学金を併用する方法も選択肢となるでしょう。
 
特に、国の大学無償化政策(修学支援新制度)の一環としてスタートした「給付奨学金」は、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯を対象としており、返済不要です。また、大学・専門学校などの授業料や入学金の減免も受けられます。
 
返済が必要な貸与奨学金も、返済は卒業後でよいこと、利息が無利息~比較的低く設定されていることなど、民間の教育ローンなどと比べて在学中の負担を抑えやすいでしょう。
 
卒業時に奨学金の余りを国の教育ローンの繰り上げ返済に充て、奨学金の返済に一本化する方法もあります。
 
なお、日本学生支援機構の奨学金には、国の教育ローンに申し込んだものの利用できなかった世帯を対象とする「入学時特別増額貸与奨学金」の制度もあります。入学費用の借り入れ手段として、こちらも覚えておくとよいでしょう。
 

大学受験・入学費用は国の教育ローンで借りられる

大学受験の費用や入学費用は、国の教育ローンで借り入れができます。入学前から融資を受けられることや、在学中は元金据え置きで利息のみの返済を選択できること、収入額が低い世帯でも申し込みしやすい点などが国の教育ローンの特徴です。
 
また、在学費用も視野に入れた場合は、日本学生支援機構の奨学金と国の教育ローンを併用する選択肢もあります。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 給付奨学金(返済不要)

日本学生支援機構 貸与奨学金(返済必要)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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