更新日: 2024.01.01 その他ローン

奨学金の返済に絶望しています……。返済が遅れている人はいないのでしょうか?

奨学金の返済に絶望しています……。返済が遅れている人はいないのでしょうか?
貸与型の奨学金を利用した場合、貸与期間が終了すれば返還しなければなりません。経済的な事情で進学が難しい人にはよい制度ですが、返還で苦労している人もいるでしょう。今回は、奨学金の返還遅延者はどれくらいいるのか、返還が難しくなったときの対処法などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

奨学金の返還が遅延している人はどれくらい?

独立行政法人日本学生支援機構が公式サイトで公開しているデータによれば、令和元年12月末において、奨学金返還を3ヶ月以上延滞している人は15万2000人(参考母数)です。一方、返還に遅れがない人は411万1000人(参考母数)になります。
 

遅延の理由としてあげられるのが「所得」と「延滞額の増加」

独立行政法人日本学生支援機構は、「令和元年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」を公開しています。なお、調査対象として抽出されたのは、令和元年12月末時点で返還が3ヶ月以上延滞している1万5781人、返還の滞納がない7673人です。対象者は、先ほど紹介した「遅延者」と「無遅延者」からそれぞれ無作為に抽出しています。
 
では、今回行った調査結果の中から返還に関連する項目として「返還義務を知った時期」と「奨学生本人の職業」をそれぞれ見ていきましょう。遅延者が「返還義務を知った時期」でもっとも多かったのは「手続きを行う前」で約半数です。無遅延者ももっとも多かった回答は手続きを行う前ですが、こちらは9割近い人が回答しています。
 
職業は、遅延者、無遅延者ともにもっとも多いのは「正社(職)員・従業員」です。なお、遅延の理由でもっとも多いのは男女ともに「本人の低所得」で、次に多いのは「奨学金の延滞額の増加」です。
 

返還が難しいときの適切な対処とは?

独立行政法人日本学生支援機構の奨学金の場合は、所得の減少など、何らかの理由で返還が難しいと感じたときは「減額返還制度」「返還期限猶予」「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」を利用できます。
 
「減額返還制度」は、月々の返還額を抑える代わりに返還期間が延長される制度です。「返還期限猶予」は返還自体を待ってもらえる制度で、一定期間の返還を猶予してもらえます。
 
そして、本人の死亡もしくは精神・身体の障害によって労働が難しくなり、返還が難しくなったときに利用できるのが「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」です。
 
当面返還が難しいという場合は「返還期限猶予」の申請を行うとよいでしょう。申請には「奨学金返還期限猶予願」およびマイナンバー提出書の記入、返還困難な事情の証明書、不備がないかを確認したチェックシートが必要です。
 
猶予が始まってから1年ごとに、これらの書類を提出するのが原則となっています。延滞している場合は、延滞開始年月より1年(12ヶ月)ごとに猶予願・証明書を提出する必要があります。
 

利用可能な制度を使って無理のない返還を

令和元年12月末時点で、15万2000人(参考母数)が奨学金を延滞しています。遅延の理由としてもっとも多いのは「本人の低所得」や「奨学金の延滞額の増加」です。この結果から、延滞することによって返還額が増え、さらに返還を難しくしていることがうかがえます。
 
また、返還の義務について申請前に認知していなかった人が多いことも、返還を困難にしている要因といってよいでしょう。利用できる制度を理解し、自分で合ったペースで、確実に奨学金を返済していきましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 令和元年度奨学金の返還者に関する属性調査結果
独立行政法人日本学生支援機構 返還が難しくなった場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集