奨学金の返済に絶望しています……。返済が遅れている人はいないのでしょうか?

配信日: 2024.01.01

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奨学金の返済に絶望しています……。返済が遅れている人はいないのでしょうか?
貸与型の奨学金を利用した場合、貸与期間が終了すれば返還しなければなりません。経済的な事情で進学が難しい人にはよい制度ですが、返還で苦労している人もいるでしょう。今回は、奨学金の返還遅延者はどれくらいいるのか、返還が難しくなったときの対処法などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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奨学金の返還が遅延している人はどれくらい?

独立行政法人日本学生支援機構が公式サイトで公開しているデータによれば、令和元年12月末において、奨学金返還を3ヶ月以上延滞している人は15万2000人(参考母数)です。一方、返還に遅れがない人は411万1000人(参考母数)になります。
 

遅延の理由としてあげられるのが「所得」と「延滞額の増加」

独立行政法人日本学生支援機構は、「令和元年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」を公開しています。なお、調査対象として抽出されたのは、令和元年12月末時点で返還が3ヶ月以上延滞している1万5781人、返還の滞納がない7673人です。対象者は、先ほど紹介した「遅延者」と「無遅延者」からそれぞれ無作為に抽出しています。
 
では、今回行った調査結果の中から返還に関連する項目として「返還義務を知った時期」と「奨学生本人の職業」をそれぞれ見ていきましょう。遅延者が「返還義務を知った時期」でもっとも多かったのは「手続きを行う前」で約半数です。無遅延者ももっとも多かった回答は手続きを行う前ですが、こちらは9割近い人が回答しています。
 
職業は、遅延者、無遅延者ともにもっとも多いのは「正社(職)員・従業員」です。なお、遅延の理由でもっとも多いのは男女ともに「本人の低所得」で、次に多いのは「奨学金の延滞額の増加」です。
 

返還が難しいときの適切な対処とは?

独立行政法人日本学生支援機構の奨学金の場合は、所得の減少など、何らかの理由で返還が難しいと感じたときは「減額返還制度」「返還期限猶予」「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」を利用できます。
 
「減額返還制度」は、月々の返還額を抑える代わりに返還期間が延長される制度です。「返還期限猶予」は返還自体を待ってもらえる制度で、一定期間の返還を猶予してもらえます。
 
そして、本人の死亡もしくは精神・身体の障害によって労働が難しくなり、返還が難しくなったときに利用できるのが「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」です。
 
当面返還が難しいという場合は「返還期限猶予」の申請を行うとよいでしょう。申請には「奨学金返還期限猶予願」およびマイナンバー提出書の記入、返還困難な事情の証明書、不備がないかを確認したチェックシートが必要です。
 
猶予が始まってから1年ごとに、これらの書類を提出するのが原則となっています。延滞している場合は、延滞開始年月より1年(12ヶ月)ごとに猶予願・証明書を提出する必要があります。
 

利用可能な制度を使って無理のない返還を

令和元年12月末時点で、15万2000人(参考母数)が奨学金を延滞しています。遅延の理由としてもっとも多いのは「本人の低所得」や「奨学金の延滞額の増加」です。この結果から、延滞することによって返還額が増え、さらに返還を難しくしていることがうかがえます。
 
また、返還の義務について申請前に認知していなかった人が多いことも、返還を困難にしている要因といってよいでしょう。利用できる制度を理解し、自分で合ったペースで、確実に奨学金を返済していきましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 令和元年度奨学金の返還者に関する属性調査結果
独立行政法人日本学生支援機構 返還が難しくなった場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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