32歳、今年「年収500万円」を超えました。マンションを購入したいのですが「4000万円」の住宅ローンは厳しいですか? フラット35なら大丈夫でしょうか?
配信日: 2024.01.26
本記事では、住宅ローンの金額は年収の何倍を目安にすればよいのかについて解説します。
執筆者:小林裕(こばやし ゆう)
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
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住宅ローンの借入額は年収倍率の約7倍までが目安
住宅ローンの借入金額を決める際に考慮すべき指標として「年収倍率」があります。年収倍率は世帯の年収額を基準に、住宅購入価格を検討するための数値です。
住宅金融支援機構が集計している「2022年度 フラット35利用者調査」によると、年収倍率は土地付注文住宅で7.7倍、マンションは7.2倍、建売住宅は6.9倍、中古マンションは5.9倍、中古戸建ては5.7倍という結果です。およそ7倍までが目安と考えるとよいでしょう。
年収倍率7倍を目安とすると、年収500万円のケースでは3500万円までの住宅の購入が一般的といえます。
フラット35を利用し、4000万円の住宅購入を購入する場合、審査が通る可能性はもちろんあります。しかし余裕のある返済とはいえないでしょう。今後本当に無理なく返済を続けることが可能なのかという観点で、購入金額を検討すべきだといえます。
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住宅ローン金額を決定する際の注意点
前項にて年収倍率7倍までが目安と紹介しましたが、他にも注意すべき点を紹介します。
年収の変化
住宅ローンは一度組むと25~35年と長期間の返済を行うことになります。そのため、返済中に年収が変動する可能性が高くなります。厚生労働省の「令和4年 賃金構造基本統計調査」によると、会社員は55~59歳をピークに年収が下がることが分かります。
他にも傷病による就業不能状態になることや、意図せぬ要因による転職・失業による年収の減少の可能性があります。各種保険加入なども検討した上で、無理のない返済が可能な金額を設定しましょう。
頭金の準備
厚生労働省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、分譲集合住宅購入時の平均自己資金比率は42.8%です。頭金なしで住宅を購入する「フルローン」もありますが、借入額が大きくなってしまい、月々の返済額も増えます。
金利の変動
住宅ローン金利の変動は、完済するまでの総返済額に大きな影響を与えます。変動金利型の住宅ローンを選択する際には、金利上昇リスクの理解が重要です。向こう何十年の金利動向を予測することは難しいため、不安に感じる人は固定金利型のローンを選択するのもよいでしょう。
住宅購入以外の費用
不動産取得税や固定資産税、都市計画税といった税金の負担をはじめ、マンションの場合には管理費や修繕積立金、駐車場代、駐輪代などの費用負担を想定する必要があります。購入金額以外にもかかる諸費用を把握しておきましょう。
無理のない住宅ローンの返済を
住宅ローンの返済は25~35年と長期間の返済が一般的であるため、さまざまなリスクに備える必要があります。健康状態などさまざまな要因により、現在の年収が保てなくなる可能性があるためです。
本記事にて紹介した、「住宅購入価格は年収の7倍まで」という目安を1つの参考に、無理のない返済金額を検討しましょう。
出典
住宅金融支援機構 2022年度 フラット35利用者調査
厚生労働省 令和4年 賃金構造基本統計調査
厚生労働省 令和4年度住宅市場動向調査報告書
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
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