中学受験の塾代が思っていたより多く、合格後の資金が足りないかもしれません。「教育ローン」は利用できるのでしょうか?
配信日: 2024.02.05
そこで本記事では、中学校を対象とする教育ローンがあるのかどうかや、教育ローンを利用するときの注意点をわかりやすくまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
教育ローンには「国の教育ローン」と民間の教育ローンがある
一口に教育ローンと言っても、日本政策金融公庫が取り扱う公的な融資である「国の教育ローン」と、金融機関が取り扱う民間の教育ローン(学資ローン)の2種類に分けられます。
国の教育ローンと民間の教育ローンの大きな違いは、借り入れ条件のうち収入に関する要件です。金融機関の教育ローンは一定以上の収入がなければ借りられませんが、国の教育ローンは子どもの人数に応じた年収制限を超えていないことが条件です。
また、国の教育ローンはひとり親家庭などに優遇金利が適用されること、固定金利で民間よりも金利が低めであることなどの違いもあります。
国の教育ローンは中学生は対象外
私立中学校の受験費用の負担が重く、進学費用に悩む家庭の場合、年収が低くても借りやすい国の教育ローンを利用したいと考えるのではないでしょうか。しかし、国の教育ローンは残念ながら中学校の費用は融資の対象外です。
国の教育ローンを利用できる対象の学校は「修業年限が3ヶ月以上で中学校卒業以上の人を対象とする教育施設」と定められています。そのため、高校や高専、大学、専修学校、予備校などの各種学校、職業能力開発校などの教育施設は対象ですが、中学校の費用には利用できません。
民間の教育ローンは中学生を対象とするものもある
民間の教育ローンのなかには、中学校を対象にしているものもあります。借り入れた資金は次のようなことに利用可能です。
・入学金・学費
・施設費・寄付金
・学用品の購入費用
・部活動の費用
・校外学習・修学旅行の費用
・定期代など通学の費用
・塾の授業料
金融機関によって資金使途として認められる範囲は異なるため、申し込む前に確認しましょう。また、すべての金融機関の教育ローンが中学校を対象にしているのではない点にも注意が必要です。
民間の教育ローンを利用するときの注意点
民間の教育ローンは、自己資金では教育費の負担が難しいときに、頼りになる金融商品です。ただし、利用するときには次の点に注意しましょう。
・一定の収入が必要
・審査落ちの可能性がある
・ほかの借り入れに影響する可能性がある
・金利が発生する
国の教育ローンと違い、民間の教育ローンは申し込み者の年収が金融機関の定める基準を下回っていると融資を受けられません。金融機関によっては下限の年収を明示している場合もあるため、借り入れ条件をチェックしてみましょう。
また、ローン商品である以上、金融機関所定の審査が行われます。信用情報に問題がある、勤続年数が短いなど、審査を通過できないケースもあることに注意が必要です。
金利が発生することにも注意しましょう。長い目でみれば、借りた金額よりも多くの金額を負担することになります。返済の負担が重くなり、かえって家計が苦しくなる可能性もあります。
なお、教育ローンを借りた金額によっては、ほかのローンやクレジットカードの審査で不利になる可能性があります。返済中の借り入れがある=返済能力が十分ではないと判断されてしまうためです。
中学校でも利用できる教育ローンはあるが民間の商品のみ
中学校でかかる学費などの費用は、国の教育ローンでは借りられません。国の教育ローンは、中学校卒業以上を対象としているためです。民間の教育ローンのなかには、中学校の費用も対象の商品があります。借り入れ条件や資金使途などを確認して、ニーズと合う商品を選びましょう。
また、民間の教育ローンを利用する場合、審査が必要で誰でも借りられるわけではないことや金利がかかること、ほかの借り入れをしにくくなる可能性があることに留意することが必要です。
出典
日本政策金融公庫教育一般貸付(国の教育ローン)
内閣府 お子さんの進学・在学資金を支援!国の教育ローンをご利用ください 政府広報オンライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー