更新日: 2024.06.28 教育ローン

子どもの大学費用は正直キツいので奨学金を利用してもらいたいのが本音です……。返済には協力してあげたいのですがダメでしょうか?

子どもの大学費用は正直キツいので奨学金を利用してもらいたいのが本音です……。返済には協力してあげたいのですがダメでしょうか?
家計の事情等で子どもの進学費用の準備が難しく、大学に係る費用は奨学金を利用してもらいたいと考えている方は多いでしょう。貸与型の奨学金の場合、子ども本人に返済の義務が発生しますが、返済を協力してあげたいと思うのは親心です。
 
ただし、親が奨学金を返済する場合、金額によっては贈与税が発生してしまう場合があります。返済に対して課税されてしまうと、返済の負担が大きくなってしまうため、贈与税がかかる金額のラインを知っておくようにしましょう。
 
本記事では、奨学金の返済を親が手伝った際に、贈与税がかかる基準について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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奨学金を返済するのは学生本人。ただし、親が返済を手伝うのは問題ない

貸与型の奨学金の場合、債務者は学生本人となり、借りるのも返還するのも本人です。日本学生支援機構の奨学金の場合、返済は卒業後にスタートします。したがって、就職して得た給料から返済をしていくのが基本ですが、奨学金の返済を親が手伝うのは法的にも道徳的にも問題はないと考えられます。
 
ただし、あくまでも奨学金の債務者は子ども本人です。当初は返済を手伝うつもりで返済計画を考えていた場合、親に万が一のことがあったら子どもに借金が残ってしまう点には注意が必要です。
 

親による奨学金の返済は贈与税がかかるケースがある

親が奨学金を返済する場合、金額によっては贈与税がかかってしまうケースがあります。
 
通常、子どもの教育に必要な教育資金は贈与にはあたらず非課税です。ただし、奨学金を子どもが借りた場合、奨学金は子ども本人の債務とみなされてしまいます。そのため、親による奨学金の返済は子どもの借金の債務引き受けとみなされ、贈与税の課税対象です。
 
とくに、一括での繰り上げ返済の場合等は、金額が大きくなるケースが多いため、贈与税が発生する可能性が高まります。ここでは、奨学金の返済で贈与税が発生する基準について解説します。
 

暦年課税で年間110万円以下が基準

贈与税は暦年課税で基礎控除110万円のため、その年の1月1日から12月31日までの贈与額の合計が110万円以下なら贈与税の支払いは発生しません。そのため、親が奨学金の返済をする場合は、年間110万円以下になるように返済額を調整すれば無駄なく返済を手助けできます。
 
ただし、奨学金の返済額だけではなく、親や祖父母からの他の贈与も合算して110万円以下におさめる必要がある点には注意が必要です。奨学金の返済を親が手伝う場合には、他の家族と贈与税に係る金額を共有しておくようにしましょう。
 

親が返済をする前提なら教育ローンも選択肢の1つ

親が大学の学費を支払う前提であれば、奨学金ではなく、教育ローンを利用するのも1つの方法です。教育ローンは親が債務者となるため、親に万が一のことがあっても、子どもに返済の負担をかける心配はありません。
 
また、教育ローンの返済には贈与税はかからないので、余裕ができたときに一括で繰り上げ返済をすることも可能です。国の教育ローンとして、日本政策金融公庫が取り扱う教育ローンもあるため、必要に応じて利用しましょう。
 

親が奨学金の返済を手伝うのは問題ない。ただし贈与税のかかる基準には注意が必要

親が奨学金の返済を手伝うことに問題はありませんが、奨学金の債務者はあくまでも子ども本人である点に注意が必要です。
 
奨学金を親が返済すると債務引き受けとみなされ、他の贈与と併せて年間110万円を超えると贈与税が発生します。返済を親が行うことが前提の場合、奨学金ではなく教育ローンを利用するのも1つの方法です。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 よくあるご質問 海外留学のための貸与奨学金(返済必要)
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
日本政策金融公庫 国の教育ローン
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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