更新日: 2024.09.30 その他ローン

車購入の際「残価クレジット」はやめた方がいいといわれました…なぜでしょうか?

車購入の際「残価クレジット」はやめた方がいいといわれました…なぜでしょうか?
車を購入する方法のなかに、「残価クレジット(以下残クレ)」という選択肢があります。一般的には「高級車に低価格で乗れる」「まとまったお金が必要ない」などのメリットがいわれていますが、利用には注意が必要です。今回は、残クレの仕組みと使用する際の注意点について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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残価クレジット(残クレ)とは

残価クレジットとは、車両の購入金額から将来の車の予想価値を残価として差し引いた額を毎月固定金額で契約するローンのことです。最大の特徴は、契約時にまとまった金額が不要な点と、支払総額が少ない点にあります。
 
契約期間終了時は、残価分を一括で支払うか車を返却するか、どちらかを選べます。契約期間はおよそ3年〜5年のタイプが一般的であるようです。気になる車をお試しで乗りたい方や、多くの車種に乗ってみたい方に向いているでしょう。
 
一般社団法人 長野県自動車販売店協会が令和3年に実施した調査では、「現在所有している車の購入方法」について、最も多い回答が「一括払い(48.3%)」、次いで「残価設定型クレジットローン(残クレ)(28.6%)」という結果でした。
 
なお、年代別でみると、30代は「残価設定型クレジットローン(残クレ)」で購入している方の割合が最も多いようです。
 
今後の購入についても同じ結果であり、最も多かった回答が「一括払い(42.3%)」、次いで「残価設定型クレジットローン(残クレ)(33.2%)」です。年代別でみると、29歳以下~30代、50代は「残価設定型クレジットローン(残クレ)」で購入したいという方の割合が最も多いようです。
 
所得に合わせて月々の支払額を抑えつつ、3年・5年といった短期間で新車に乗り換えできる仕組みは、若い世代に人気があることが分かります。
 

残クレを使用する注意点

前述のアンケートでも人気があり、低予算で車がほしい人にとって魅力的な選択肢である残クレですが、注意点もあるようです。主な内容は、以下の通りです。
 

・金利が高い
・走行距離に制限がある
・ローンの完済後に追加費用が発生する可能性がある
・残価を払う場合は総支払額が高くなる

 
ここからは、上記注意点について詳しく解説します。
 

金利が高い

残クレの金利は、一般的なカーローンに比べて高く設定されているケースがほとんどです。金融機関やディーラーによって異なりますが、マイカーローンの平均金利は1%〜4%で、残クレの平均金利は3%〜5%といわれています。
 
月々の支払いが低く見える一方で、実際には金利が高く、総支払額が高額になることは避けられません。残クレで契約した車を気に入って自家用車にする場合、マイカーローンを組んだときよりも割高の費用を支払う必要があります。そのため、最初から購入する意欲が高い方はマイカーローンを選んだほうがいいでしょう。
 

運転できる距離が限られる

ほとんどの残クレでは、契約時に走行距離の制限が設けられます。距離制限を超えた分には追加料金が発生するため、常に走行距離を気にしながら運転しなければなりません。残クレの走行距離は1ヶ月ごとに設定されているケースが多く、契約プランによって制限距離が変動します。スタンダードなプランだと1000キロに設定しているところが多いようです。
 

ローンの完済後に追加費用が発生する可能性がある

残クレ終了後、車の状態によっては修理費用が請求されることがあります。追加費用が発生する原因は、主に以下の2点です。
 

・車に規定外の傷やへこみがある
・指定した走行距離を超過している

 
傷やへこみは、程度によって修理費用が高額になる場合があります。残クレは契約終了時の車の価値をある程度予想したうえで価格が設定されているため、価値を減少させる要因があれば追加費用を支払わなければならないでしょう。
 

契約期間中はほかの車に乗り換えできない

残クレの契約中は、原則としてほかの車に変更したり、契約を解除したりできないようです。どうしても契約を解除したい場合は、ローン残高を一括返済する必要があります。
 
契約した車が気に入らなくても一定期間は乗り続ける必要があり、どうしても契約解除したい場合には、解約時点での査定額と残価の差額分の精算が必要です。ただし、事故や走行距離制限の超過があれば、契約時に設定された残価額よりも低くなる可能性があります。
 

車の用途に合わせて残クレとマイカーローンを選択しよう

残価クレジットは、月々の支払いを抑えたい人やまとまったお金がない人にとって魅力的な選択肢ですが、一方ではいくつかの注意点が存在します。金利が高いことや走行距離制限があることをはじめ、途中解約できないことをふまえて慎重に吟味しなければならないでしょう。
 
車の購入を検討する際は、マイカーローンや中古車購入など、残クレ以外の方法も含めて総合的に判断することが重要です。
 

出典

一般社団法人 長野県自動車販売店協会 第30回 県内自動車所有者1,000人に聞くアンケート調査(5ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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