更新日: 2024.11.19 教育ローン

大学時代の同級生は親が代わりに「奨学金」を返還しているそうです。私も毎月の返還が厳しいのですが……同じような人って多いのでしょうか?

大学時代の同級生は親が代わりに「奨学金」を返還しているそうです。私も毎月の返還が厳しいのですが……同じような人って多いのでしょうか?
学生時代に奨学金を借りると、卒業後から返還が始まり毎月の支払いに頭を悩ませることがあるでしょう。親が代わりに奨学金を返還しているという話も聞くことがありますが、親の助けを借りている人がどれくらいいるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、奨学金を返還している人のうち、本人以外が返済しているケースがどのくらいの割合なのかを紹介するとともに、返還が難しい場合の対処方法について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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本人以外が奨学金を返還している場合もある

独立行政法人 日本学生支援機構が行った「令和4年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、奨学金を返還している人の属性と割合は、表1の通りです。
 
表1

延滞者 無延滞者
奨学生本人 78.8% 85.4%
本人の親 17.8% 12.6%
本人のパートナー 2.2% 1.8%
その他 1.3% 0.2%

出典:独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果」を基に筆者作成
 
延滞者の方が親やその他の人が返済を代行するケースが多いことから、本人が返済を行えない状況にある場合、返済が滞りやすい可能性があります。
 

毎月の返済額と延滞の関係性

また、同調査を基に、返済額と延滞の関係性を表2にまとめました。
 
表2

延滞者 無延滞者
5000円未満 5.8% 1.4%
5000円~1万円未満 13.1% 13.8%
1万円~1万5000円未満 21.1% 35.4%
1万5000円~2万円未満 20.0% 23.2%
2万円~2万5000円未満 13.4% 12.1%
2万5000円~3万円未満 7.7% 5.9%
3万円~3万5000円未満 8.6% 3.1%
3万5000円~4万円未満 2.5% 2.0%
4万円以上 7.6% 3.1%

出典:独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果」を基に筆者作成
 
表の割合から、延滞者は5000円~2万5000円の範囲に集中していると分かります。
 
それと同時に、延滞者の方が高い金額を返済している割合が高いです。高い金額を毎月返済しなければならないため家計が苦しくなり、延滞してしまうことが想定されます。
 

奨学金の返還が難しい場合は救済措置の利用を検討しよう

奨学金の返還が難しいときに利用できる救済措置として、主に、減額返還制度と返還期限猶予の2つがあります。
 
減額返還制度は、災害や傷病、その他の経済的理由により奨学金の返還が困難な方を対象とし、当初約束した返還金額を減らすことが可能です。返還期間は長引きますが、毎月の返還額が軽減されるため、無理なく返還を続けられるようになるでしょう。
 
ただし、申請するためには、所定の証明書を提出しなければならないようなので確認が必要です。また、1回の願い出で適用される期間は12ヶ月で、最長15年(180ヶ月)まで延長できるようです。
 
また、災害や傷病、経済的困難、失業などの事情が生じた場合には、返還期限の猶予を申請することも可能です。手続きは延滞する前に早めに行うことが大切です。
 
審査により承認された期間については返還の義務がなく、その後は再度返還が始まり、もちろん返還終了年月も先延ばしとなります。ただし、承認が得られなかった場合は、引き続き返還を続ける必要があるでしょう。
 
奨学金の返還に苦しんでいる場合は、今回紹介した制度を検討することで、少しでも負担を軽減できるかもしれません。
 

奨学金を親が代わりに返還している人は17%ほどいる

奨学金の返還者に関する調査結果から、約17%のケースで親が代わりに奨学金を返還していると分かりました。本人だけで返済することが難しく、親がサポートせざるを得ない状況にある人が一定数存在することを示唆しています。
 
特に、卒業後の収入が十分でない場合や経済的に厳しい状況が続いている場合に、親が返済の一部を担うケースが多いと考えられるでしょう。
 
ただし、返済が難しい場合には、「減額返還制度」や「返還期限猶予」の利用を検討することで、負担の軽減が実現できる可能性があるため、さまざまな制度の活用を検討することも大切です。返還が難しいと感じたら延滞する前に対策を考え、行動に移しましょう。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 令和4年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果(12、14ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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