更新日: 2019.07.04 セカンドライフ

シニア世代の約3割がスマホ所有 シニア世代が感じる「スマホ事情」

執筆者 : 畑美雪

シニア世代の約3割がスマホ所有 シニア世代が感じる「スマホ事情」
今や生活にかかせないアイテムとなりつつあるスマホ。出先で忘れたことに気づくと、その日は一日落ち着かないですよね。
 
若い世代のほとんどは、ガラケーではなくスマホを利用しています。では、シニアたちはどうでしょう?最近では、おじいちゃんおばあちゃんがスマホを持ち歩く姿も目にするようになってきました。
 
全世代でガラケーの時代が終わり、スマホ主流となっているのでしょうか?確かめてみましょう。
 
畑美雪

執筆者:畑美雪(はた みゆき)

フリーライター

雑誌を中心に取材やインタビュー記事を執筆中。
これまでの活動場所:タウン誌「湘南百撰」/情報誌「月刊公募ガイド」/WEBマガジン「カーサミアクラブ」

スマホの利用料金は高いか、低いか

スマホは生活の必需品とはいえ、毎月の支払いが気になりますよね。
 
先日、面白い資料を見つけました。総務省が公開している「電気通信サービスに係る内外価格差調査」です。
 
これは、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの6都市における、携帯電話(スマートフォン(MNO)、スマートフォン(MVNO)、フィーチャーフォン)、FTTH、固定電話の利用料金について比較調査したものです。
 
スマートフォンの容量別に見ると、東京における2GB、5GBの料金の高さは、6都市中3位であることが分かりました。金額で見てみると、2GBではニューヨークが5990円で1位、2位はソウルで3504円、3位の東京は2680円でした。つづいて、5GBでは、同じくニューヨークが5990円で1位、2位は同じくソウルで4256円、3位の東京は3760円でした。
 
こうしてみると、東京のスマホの料金は驚くほど高いというわけではありませんね。ちなみに、20GBで見てみると、東京は7022円で1位という結果でした。2位のニューヨークの6975円と僅差ですが、20GBだと一気に高くなることが分かります。
 
しかし、写真のやり取りやメール、SNSでの通信程度であれば、20GBの大容量を契約する必要はありません。参考にするのは2GB、5GBの方の値段でよいでしょう。
 

シニアたちのスマホ事情

高齢者は機械が苦手、スマホも敬遠しがち……なんて思われがちですが、本当にそうでしょうか?
 
楽天モバイルでは全国の65歳以上の男女956人を対象に、「高齢者に関するスマートフォンの利用実態」を調査しました。
 
それによると、65歳以上の約3割が、スマートフォンを所有していることが分かりました。また、利用していない人に「スマホを利用したいか」と質問したところ、33.7%が「はい」と答えたそうです。3人に1人がスマホを使ってみたいと考えているんですね。
 
また、ソニー生命保険株式会社は、スマートフォンを利用しているシニア650名を対象に「シニアの生活意識調査2018」を実施しました。
 
そこで、「日頃、スマートフォンで行っていること」について質問したところ、1位は「メール」で85.1%、つづいて2位が「通話」で79.7%、3位は「インターネット検索」で63.2%でした。ほかにも、「スケジュール管理」や「地図」などで利用しているという声が上がりました。
 
若い世代はアプリを使ってゲームやショッピング、SNSなどを利用しているイメージですが、シニアは生活の一部として利用しているといったところでしょうか。
 

シニアにスマホが浸透しない理由とは

しかし、スマホを持つことに抵抗を持つシニア世代にがいることも事実。
 
上述の楽天モバイルの調査によると、シニア世代がスマホを利用していない理由では、「料金が高いから」が74.0%と最も多い回答となりました。
 
また、シニア世代スマホ利用者の月額料金を見ると、最も多い回答が「7000円以上」で36.0%、ガラケーのみの利用者の月額は、最も多い回答が「3000円未満」で56.2%でした。たしかに、こうして比較してしまうと、スマホは不要、持つならガラケーでよいとなってしまいますね。
 
なお、スマホを利用していないシニアのうち、「料金が高い」と回答した人に「希望の月額利用料」を聞いたところ、「3000円未満」が6割以上を占めたそうです。
 
シニア世代がスマホを利用していない理由の別の回答としては、「多機能すぎてもてあましている」が29.3%でした。スマホは便利ではありますが、さまざまな機能があるゆえに、使いこなすのが難しいこともあります。とはいえ、シニア世代もすでに3割が所有しているのですから、何かしらのメリットを感じているはずです。
 

スマホは孫や子供とのコミュニケーションを深めるきっかけにも

では、スマホはどのような場面でシニアの役に立っているのでしょう?
 
楽天モバイルが、孫がいるシニア世代のスマホ利用者に普段の利用状況を質問したところ、「メール(88.2%)」「インターネットで調べもの(79.4%)」「写真や動画の撮影(77.9%)」が上位を占めました。また、「スマホを持ってよかったこと」を聞いてみると、「風景を撮影する機会が増えた(45.6%)」「孫の写真をたくさんもらえるようになった(36.8%)」「子供との電話が増えた(35.3%)」という回答が多く見られたそうです。
 
スマホを持つと、連絡手段や調べものがはかどるだけでなく、孫や子供とのコミュニケーションを深めることもできるんですね。紙焼きの写真でもデジタルの写真でも、思い出を残して送り合うことができるのは素晴らしいことです。
 
スマホを「携帯電話」ととらえると、たしかに料金は高いという印象になります。でも、「カメラ」「アルバム」「手帳」「電話」「メール」「テレビ」「動画」「インターネット」などなど、さまざまな道具が一緒になった機械と考えれば、料金に対する意識も変わってくるのではないでしょうか。
 
先日のニュースでは、NTTドコモが携帯料金の引き下げを発表するなどして話題を呼びました。焦って購入するものではありませんが、今後の状況次第では手に取ってみるのもいいかもしれませんね。
 
Text:畑 美雪(はた みゆき)
フリーランス・ライター