公開日:2019.07.01 老後

生涯独身者が気をつけないといけないライフプラン・リタイヤメントプラン

生涯独身で過ごす人が増えています。積極的独身主義者もいれば、結婚願望があるが良い相手に巡り会えない人、最近は経済的な事情で結婚に至らない人などがいます。そのような人たちのライフプランとリタイアメントプラン(老後計画)について、考えてみましょう。
 
植田英三郎

執筆者:

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

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植田英三郎

執筆者:

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

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生涯独身の人たちのデータ

国立社会保障・人口問題研究所のデータ(※1)によると、2015年の生涯未婚率は、男性23.37%、女性14.06%となっています。時系列で見ますと下表のようになります。
 

 
生涯未婚率とは、50歳時点での未婚者を生涯独身であると見なして算出しています。昨今の社会の動きから推定すると、2016年以降さらに生涯独身の割合が大きくなっている可能性もあります。
 
ここでは、生涯独身の人たちのライフプランとリタイアメントプラン(老後プラン)に絞って、見ていきましょう。
 

50歳代未婚者の資産状況

金融広報中央委員会の平成28年の家計の金融行動に関する世論調査では、単身世帯(※2)と2人以上の世帯(※3)に分けてデータが取られています。
 
必ずしも生涯未婚者とは一致しませんが、年代別に調査を取られていますので、ある程度の50歳代独身者の経済的な実像を捉えたものと考えることができます。
 

 
総じて2人以上世帯は、単身世帯に比べて年間手取り収入額や資産の保有状況など、経済的に余裕があることが読み取れます。しかしこの表が意味する最大のテーマは、50歳代の独身者は大きく二極化していると推定される点です。
 
保有金融資産額をみると、2人以上世帯の平均が1481万円・中央値900万円に対して、単身世帯では平均1300万円・中央値60万円と、保有金融資産の中央値*が大きく違っています。
 
これは、46.4%の金融資産なし、または少額の金融資産しか持たないグループと、相当の資産を持つ世帯のグループに分かれていることを示しています。
 
生涯独身者のライフプランについて考えるとき、その対象は50歳代で約2割弱(男性23.4+女性14.1の半分)の独身者のうち、約50%の金融資産なしで持ち家なしの層になりそうです。
 
*中央値 小さい数値から大きい方に順に並べたときに、ちょうど中央に位置する値。(この表の例の場合は金融資産なし、または少額の人が多いことを示します)
 

生涯独身者のライフプラン

生涯独身者は前項で書いた通り、比較的余裕のあるグループと、金融資産なし・持ち家なしのグループに分かれている可能性が強いと考えました。
 
前者は、積極的独身主義者と重なっていることが推定されます。このグループの人たちは、生活設計を立てている世帯が多いでしょうし、ライフプランにあまり問題はありません。
 
一方で、低収入・資産なしグループの方は、現役の間は何とかなるとしても、リタイア後に問題が発生すると思われます。
 

生涯独身者のリタイアメントプラン

総務省の2018年家計調査報告(家計収支編)(※4)によると、高齢単身無職世帯の生活費は一ヶ月約15万円になっています。
 
これは平均値であり、都会と地方では生活費の絶対額は相当の差がありますが、多くの人が都会に住んでおり、この数値を額面通り受け入れて問題はないと思われます。
 
それに対しての収入は、この家計調査では約12万円となっており、大きな収支不足が生じることになります。非正規の給与所得や国民年金加入者が多いこと、さらには年金保険料の未納付者も多いと想定されます。
 

一部の生涯独身者の老後への警鐘

全体でおよそ20%に近づきつつある生涯独身者の、一部の人たちのリタイア後の生活は、懸念されることが多く、次のような取り組みが必要ではないでしょうか。
 
・70歳以降を見据えて、50歳代からもう一度生活設計を立てて、老後資金を積み立てる努力をすること。
・厚生年金・国民年金の加入状況を確認して、65歳~70歳以降に受け取れる年金額を把握し、増やす努力をすること。
・長く現役生活を過ごすため、65歳~70歳以降も就ける仕事を探し、継続を心掛けること。
・健康にいつでも留意すること。

 

まとめ

積極的な生涯独身者のアクティブなライフスタイルで過ごす人もいる一方、いつの間にか独身生活が長くなり、思わぬ展開になった人も少なからずいると思われます。
 
人生90年・100年時代ですから、50歳は折り返し点、積極的独身でアクティブに行くもよし、今から伴侶を見つけるもよし、コツコツと老後に備えるもよし、この一文がお役に立てばよしと思うところです。
 
出典
(※1)国立社会保障・人口問題研究所 人口統計資料集 Ⅵ.結婚・離婚・配偶関係別人口 表6-23
(※2)金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]
(※3)金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]
(※4)総務省 家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年) 家計の概要
 
執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)
ファイナンシャルプランナー CFP
 

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