年金生活になる前に知っておきたい! 高齢者世帯はどのようなことにお金を使う?
配信日: 2021.03.31
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
高齢者は外食や趣味など楽しみに使いたい方が多数
株式会社ネオマーケティングが全国の60歳以上の男女を対象に行った調査によれば、生活費以外の現在のお金の使い方について、次のような結果となりました。
第1位 | 外食 |
第2位 | 趣味 |
第3位 | 旅行 |
※NEO MARKETING 「全国の60歳以上の男女1000名に聞いた シニアのお金に関する調査」より筆者作成
このデータから、年金生活となった高齢者は外食や趣味、旅行といった娯楽を中心にお金を使っていることが分かります。なお、今後お金を誰のために使いたいかというアンケートには、自分のためという回答が約87%と多くありました。
大きな支出にはどんなものがある?
では、高齢者の生活の中で行う大きな支出にはどのようなものがあるのでしょうか。内閣府が行った高齢者の経済生活に関する意識調査(令和元年度)によれば、60歳以上の方の過去1年以内にあった支出の中で大きな割合を占めたものについて、次のような結果になりました。
第1位 | 食費(59.4%) |
第2位 | 保険・医療関係(33.1%) |
第2位 | 水道光熱費(33.1%) |
第4位 | 交通費・自動車の維持費(25.7%) |
第5位 | 子や孫への支出(18.6%) |
※内閣府 「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」より筆者作成
大きな支出に限っていえば、食費のほか、保険料や医療費、子や孫への支出など高齢者らしいものが並んでいます。
一方で、あまり大きな支出とされないもには、家具・家電の購入などがありました。高齢者になると高価な家具や家電の新調などにはあまりお金をかけず、その分を別の支出に充てているといえそうです。
高齢者が感じる経済的不安は?
同じ内閣府の調査によると、高齢者が感じる経済的不安としては、自分や家族の医療費や介護費用がかかりすぎること(30.8%)、転居や老人ホームの入居費(26%)、収入や貯蓄で生活費を賄えなくなること(25.8%)などがありました。
やはり多くの方が、高齢者特有の医療や介護の費用が年金収入や貯蓄を上回ってしまうような状況となることを不安に感じているようです。
その一方で、不安に思っていることはないという回答が34.2%あり、老後の備えが十分にできているなど経済的不安を全く感じていない層が一定数存在していることが分かります。昨今、老後の生活費を不安に感じる方が増えていることを考えると、この結果を意外に感じる方もいるでしょう。
高齢者の支出もなかなか理想どおりとはいかないようです
多くの高齢者の方が、趣味や旅行などにお金を割きたいと考えているものの、実際には医療費や介護費用、子や孫への支出など、高齢者ならではの支出が大きな割合を占めているようです。
年金生活者となる前に、高齢者世帯が実際にどのようにお金を使っているかを知り、それに対して必要な費用を早めに準備しておくことが、理想の年金生活を送るために必要なのではないでしょうか。
出典
NEO MARKETING 「全国の60歳以上の男女1000名に聞いた シニアのお金に関する調査」
内閣府 「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」
執筆者:柘植輝
行政書士