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更新日: 2021.10.19 老後

進めたい高齢者住居のバリアフリー化 優先順位を決め着実に

執筆者 : 黒木達也 / 監修 : 中嶋正廣

進めたい高齢者住居のバリアフリー化 優先順位を決め着実に
高齢になるほど、自宅内での転倒事故などが多く発生します。自宅への居住をやめ老人ホームへ入居することを選択する方は別ですが、自宅内での事故などが起こらないため、長年住んでいる自宅を改修し、バリアフリー化することも必要になります。
 
黒木達也

執筆者:

執筆者:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

中嶋正廣

監修:

監修:中嶋正廣(なかじま まさひろ)

行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。

長野県松本市在住。

黒木達也

執筆者:

執筆者:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

中嶋正廣

執筆者:

監修:中嶋正廣(なかじま まさひろ)

行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。

長野県松本市在住。

自宅での事故は非常に多い

高齢になるほど足腰などが弱ってくるため、自宅内での事故が多くなってきます。特に若い時には何でもなかったことが、高齢になるとともに以前の対応能力がなくなります。
 
例えば、段差につまずいて転倒する、階段の上り下りの際に踏み外す、冬の浴室の脱衣所で気分が悪くなる、などといったことが起こります。政府の「高齢社会白書」を見ても、65歳以上の方の事故に遭う場所の約7割が「自宅内」となっています。
 
例えば建築後40年以上たっている住宅では、バリアフリー化に手がつかないまま、住み続けている方もいらっしゃるかもしれません。老朽化による改修の時期に合わせて、バリアフリー化を進めることも選択肢です。
 
築20年、築25年程度の住宅でも、バリアフリーを意識して設計していないケースもあり、自分が高齢になることではじめて、バリアフリーの重要性に気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
バリアフリー住宅を購入する、介護施設へ入居する、といった方は別ですが、自宅に住み続ける方は、住宅の改修が不可欠です。特に、段差をなくす、手すりを付ける、引き戸に変更する、動線を短くする、などの具体的な変更を部屋ごとに進める必要があります。
 

全体の予算額とリフォームの進め方

一戸建て住宅であれマンションであれ、部屋の間取りの変更を含めた全面バリアフリー化の工事となると、ケースにより1000万円近くの費用がかかるかもしれません。一時的な引っ越しを伴うと、精神的・肉体的負担も大きくなります。
 
本格的工事を行わなくても、玄関・廊下、寝室、浴室、トイレ、居間など個別に行うと、それぞれ平均的に10~80万円程度の経費が必要になる可能性があります。可能な限り修繕箇所を洗い出し、緊急性の高い場所から優先順位を決め、徐々に進めるかは、予算などの事情で決める必要があります。
 
特に高齢になればなるほど、介護に備える必要があり、足腰に支障が出てきても、できる限り自宅内を移動できる工夫が不可欠になります。例えば、寝室とトイレの動線を短くする、畳の寝室での布団の上げ下ろしをベッドに変える、といったことは、まず実現したい項目です。
 
さらに、2階建ての住宅では、できる限り1階スペースで生活できるようにする、介護ベッドを置く部屋を決め、介護をしやすくすることも大切なポイントです。
 
もし、突然の骨折や認知症の発症などにより「要介護」の認定を受けると、多くの自治体ではバリアフリー化の工事に対する補助金制度があります。申込期間などのタイミングにもよりますが、受けられる補助は受けたいものです。
 

優先順位を決め各部をリフォーム

全面改修ではなく、可能なところから改修していく際の注意点を考えてみましょう。
 
まず大切なことは、より早い時期に改修すべき箇所はどこか、になります。繰り返しになりますが、多くの方は高齢になるにつれ足腰が弱ってきます。家の中での移動がスムーズにできる工夫を第一に考える必要があります。
 
まず、寝室の状態とトイレとの距離です。畳の上に布団を敷いて寝る生活だと起き上がることが次第に難しくなります。介護ベッドにしなくても比較的低いベッドで生活するようにしましょう。布団で寝起きしていた方は、これだけでも楽になる可能性があります。
 
人によっては夜間トイレに行くことが多くなるかと思いますので、できる限り近い動線で行けるようにしたいものです。トイレは便座の高さを必要に応じて低く改良します。寝室、トイレとも必要に応じて手すりを設け、移動が楽にできるようにします。
 
次は浴室です。特に改修が必要な箇所は、浴室の床と浴槽との高低差です。この差を低くし浴槽に足を高くあげなくても入れるようにしましょう。浴槽に手すりを付けることも忘れないでください。洗い場で使う腰掛けも安定感のあるものに変えておきます。
 
居間や廊下については、段差をなくすことが基本です。開き戸になっている部屋では、扉の開閉を止めるため、ほとんど段差があります。段差をなくす、可能であれば引き戸に変えるなどの工夫をしたいものです。
 
段差は転倒の要因になりますので、家全体でなくすことが大切です。居間が畳で座る形式の構造ならば、フローリングにして椅子に腰かけるタイプに変更しましょう。
 
外出などの機会がある場合は、玄関の段差をなくし、必要な箇所に手すりを付けます。玄関外のアプローチについても、段差があればスロープに変更する、手すりをつけるといった工事が必要になります。
 

優先順位を決め費用を計算

全面リフォームとなると、一時的な引っ越しなども必要なため、体力的な負担が大きくなります。できればこうした負担は避け、優先順位を決め少しずつ進めましょう。
 
優先順位は個々の事情で異なります。まず老朽化が進み支障をきたす箇所があれば、そこから工事を始めます。例えば、風呂場やトイレなどに不具合があれば、まずそこからです。
 
足腰が弱ったために階段で2階へ上がるのに苦労するようでしたら、1階の居間を改修して寝室として使える工事が第一になります。このように、それぞれの事情に合わせて改修工事の順位づけをします。
 
工事費用に関しては、それぞれの場所で、最低でも20万円、居間を寝室に変更するなどの手間のかかる工事になると100万円前後が必要になるかもしれません。どうしても改修が必要な場所から、見積もりを取って順次進めることをお勧めします。
 
同じ施工業者に依頼できるのであれば、別々の業者に依頼するより、コストも削減できるかもしれませんので確認してみましょう。
 
出典
内閣府「高齢社会白書」
 
執筆者:黒木達也
経済ジャーナリスト
 
監修:中嶋正廣
行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。

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