更新日: 2021.12.06 老後

40代は教育費と住宅ローンの返済のピーク。この時期に無理なく老後の資金を貯める方法は?

執筆者 : 伊達寿和

40代は教育費と住宅ローンの返済のピーク。この時期に無理なく老後の資金を貯める方法は?
近年、平均寿命の延びに伴って、老後資金が気になる人も増えてきたのではないでしょうか。40代は、子どもの教育費や住宅ローン返済の負担もあり、並行して老後資金の準備をする難しさがあります。
 
総務省の家計調査(2020年平均)によりますと、2人以上の勤労世帯で持ち家のうち、住宅ローンを支払っている割合について世帯主の年齢で見ると、40歳~44歳が57.2%、45歳~49歳が51.6%と、40代では半数を超えています。また、月の教育費についても、40歳~44歳は1万8543円ですが、45歳~49歳では3万572円と全国平均で3万円を超える状況です。
 
40代など教育費と住宅ローンの返済で支出が多くなる時期に、無理なく老後資金の準備をするための考え方を紹介します。
 
伊達寿和

執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp

老後資金の準備は長期の積み立てで備える

近年では会社の賃金や退職金の制度も変化しており、これまでの年功序列型の賃金や退職金制度が廃止されるケースもあります。「老後資金」=「退職金」という考え方から、老後資金は現役時代から少しずつ準備するという考え方に変えていく必要があるでしょう。
 
また、「個人型確定拠出年金制度(iDeCo)」や「つみたてNISA」といった、税制上の優遇が受けられる私的年金や投資支援の制度が設けられており、老後資金の準備に活用しているケースもあるのではないでしょうか。
 
老後資金の準備方法として、預貯金のほかに、個人型確定拠出年金やつみたてNISA、個人年金保険などがありますが、これらは毎月や毎年、決まった額を積み立てるタイプのものです。長期的に積み立てを続けることになるので、資金不足で中断することがないように無理のない金額で積み立てを始めましょう。
 
特に、個人型確定拠出年金は一部の例外を除き、60歳まで解約することができません。そのため、税制メリットだけを考えて掛け金を多く設定すると、手元資金が不足しても引き出せない事態になることもあるので注意しましょう。
 

教育費のピークには、子どもが小さい時期から貯蓄で備える

子どものいる家庭では教育費も大きな負担となります。学費については、小学校から高校まで公立であれば負担は小さくて済みますが、私立学校や、教育費のピークとなる大学については負担が大きくなります。
 
文部科学省の調査によりますと、私立大学の初年度の納付金(2019年度)は約134万円でした。2年目以降については入学料を除く約109万円となり、年100万円以上の学費が必要となります。
 
例えば子どもが2人いて、どちらも私立大学に通うケースでは、学費だけで年200万円以上の負担になります。
 
教育費の負担が大きくなると、貯蓄や老後資金の積み立てが難しくなるので、大学の学費については子どもが小さい時期から貯蓄で備えるのがよいでしょう。
 
子どもが小さい時期は将来の教育費として貯蓄をし、大学生の時期は貯蓄を取り崩すことで教育費の支出を平準化することができれば、教育費の支出による他の資金の不足を回避することができます。
 

住宅ローンは、支出がピークの時期を考慮した返済額で考える

住宅ローンの返済も教育費と同じく、老後資金の準備を進める上で考慮すべき支出です。
 
住宅ローンを組むときに考慮すべき点として、毎月の返済額があります。住宅を購入する時点の家計で考えると、将来増える教育費が考慮されていないかもしれません。教育費が増加するタイミングも踏まえて、支出のピーク時に無理なく返済できる金額を設定することが必要でしょう。
 
住宅ローンの返済額を一時的に減らすことは、特別な事情がある場合を除いて難しく、支出のピーク時を考慮して返済額を考えるとよいでしょう。
 
すでに住宅ローンを借りていて、手元資金に余裕がある場合は、「返済額軽減型」の繰り上げ返済をして毎月の返済額を少なくする方法もあります。
 

老後資金の積み立てが難しい場合は、掛け金の減額や中断も選択肢に

教育費の支出や住宅ローンの返済などが重なり、事前の対策が難しい場合は、老後資金の積み立てそのものを見直す必要があるかもしれません。
 
個人型確定拠出年金では1年に1回、掛金額の変更ができ、最低拠出額の月5000円まで掛金額を下げることができます。また、掛け金の拠出をやめて運用指図者になる方法もありますが、毎月の手数料がかかるため、よほど掛け金を払うのが難しい場合に限った方がよいでしょう。
 
つみたてNISAでは、積み立ての中断や再開について特に制約はありません。中断する場合は、支出のピークを越えて家計に余裕が出たところで再開するとよいでしょう。
 
老後資金の準備を長期の積み立てでする場合は、教育費や住宅ローン返済と一緒に考えることが必要です。また、計画的な教育資金の貯蓄や住宅ローン返済額の設定も大事なポイントになります。
 
40代は支出も増える時期ですので、どうしても老後資金の積み立てが難しい場合は無理をせず、掛け金の減額や中断も選択肢として考えましょう。
 
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(2020年)
文部科学省 私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
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執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

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