更新日: 2022.01.04 老後

親が認知症に…家族が資産管理できる仕組みとは? 金融機関の対応に変化も?

執筆者 : 黒木達也 / 監修 : 中嶋正廣

親が認知症に…家族が資産管理できる仕組みとは? 金融機関の対応に変化も?
これまでは認知症になると、その方の資産は凍結されるため、成年後見人を選定する、あるいは発症前に家族と信託契約を結んでおく、というのが一般的でした。
 
認知症になり介護施設に入居している方の預金が引き出せないなど、金融機関の対応もかなり不親切でした。しかし急増する認知症の方への対応が、以前に比べると変化してきました。
 
黒木達也

執筆者:

執筆者:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

中嶋正廣

監修:

監修:中嶋正廣(なかじま まさひろ)

行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。

長野県松本市在住。

黒木達也

執筆者:

執筆者:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

中嶋正廣

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監修:中嶋正廣(なかじま まさひろ)

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長野県松本市在住。

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口座が凍結され困る人が続出

認知症になると、本人が所有する預金口座や証券口座は凍結され、本人に必要なお金であっても引き出すことが難しい状態でした。
 
こうした金融機関から資金を引き出すためには、認知症にかかる前に「家族信託契約」を結ぶ、もしかかった後であれば、決められた手順で「成年後見人」をつける、といった対応をとる必要がありました。
 
しかしこうした制度は、多くの人に仕組みが認知されていないだけでなく、制度的問題も多く、必ずしも高齢者が制度を活用していませんでした。その一方で、認知症を発症した方の家族から、金融機関に対し苦情と制度の改善を求める声があがり、トラブルが起こりやすい傾向にありました。
 
銀行などでは、判断能力がないという理由だけでなく、引き出しに応じたために何かトラブルに巻き込まれたくない、という姿勢を強くもっていたため、口座の凍結が行われてきました。
 
在宅介護や施設入居のための費用が捻出できず、家族が立て替えを余儀なくされることもしばしばありました。家族が肩代わりすれば、それだけ経済的負担も増えることになり、最後に相続で解決すればよいという論理も通用しづらくなっています。
 

成年後見人制度は使い勝手が悪い

少子高齢化により高齢者は増加の一途をたどり、高齢者の総金融資産もますます増えることが予想されています。
 
そうしたなか、もし高齢者が認知症と診断されると、金融機関としては「成年後見人」制度を利用することを勧める傾向にありました。成年後見人が選任されれば、その人が預金の引き出しや株式の解約を行うことが可能になります。
 
その一方でこの制度自体が、非常に使い勝手が悪く、この制度の利用を敬遠する人もいます。
 
使い勝手が悪い理由は、(1)裁判所が後見人を選定するため、家族や親戚がなることが少ない、(2)後見人は認知症に人の利益保全を優先するため、家族の意向があっても引き出しに応じない、(3)家族が後見人を勝手に解任できない、(4)保有資産に応じて報酬が発生(月に2~5万円程度)し、生涯払うことになる、などが挙げられます。
 
このように、利用にはかなり高いハードルあります。こうした事情を踏まえ、金融機関の対応に変化が見られるようになりました。
 

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代理人が引き出せる制度の創設

証券会社では、家族が代理人となって株式などの売買ができる仕組みが稼働し始めました。例えば、三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、「予約型代理人」制度を2021年春からスタートさせました。
 
これは株式取引などを行っている顧客が、認知能力が極度に低下した場合に、家族が代わって株式などの売買ができる仕組みで、事前に二親等以内の方を「予約型代理人」として登録することが必要です。ただし本人が健康の場合は、代理人が取引することはできません。
 
またネット証券のマネックス証券は、2021年秋から「たくす株」という認知症に備える仕組みを創設しました。これは本人が健康のうちに加入し、認知症とわかった時点で、家族の専用口座に移管し、家族が口座の株式などを自由の売買することができるようにしたものです。
 
ただし発症時に保有していた資産に応じて手数料がかかります。この2証券会社は、いずれも公証役場での手続きは必要なく、家族信託契約を結ぶ必要はありません。  
 
家族信託契約をベースにした仕組みもあります。これは家族信託の仕組みを活用し、認知症発症時点で、家族が開いた信託口座に資産を移行し、その後の手続きを家族が行うもので、公正証書の作成費がかかります。これは野村證券など利用を開始しており、今後ほかの証券会社でも導入が予定されます。
 

ようやく銀行も重い腰を上げる

最も多く高齢者の金融資産を保有している銀行の対応も注目されています。これまでは、銀行の認知症の預金者への対応は必ずしも親切とはいえず、預金を動かすことで、親族間で起こる相続絡みのクレームを警戒していました。
 
そのため、認知症預金者の預金を引き出すためには、成年後見人を立てるなど、道は限られていました。
 
本人の病気や介護のための費用に充てる目的であっても、家族が預金を下ろすことができず、銀行への苦情やクレームが非常に多く寄せられていました。そのため、各銀行も対応策の検討を開始し、特に業界団体である全国銀行協会が中心となり、2021年春に指針をまとめました。
 
その基本的枠組みは、高齢者が健康な時点で、子どもなどの家族を代理人として届け出を行い、銀行は指定された代理人に「代理人カード」を発行する仕組みです。本人は認知症になると取引はできなくなりますが、家族が代理人カードを使って、一定金額は引き出すことができます。
 
すでに大手のメガバンク3行では、各行の仕組みは多少異なりますが、この代理人カードを制度化しています。これに加えて、各行で独自の仕組みがつくられており、例えば三菱UFJ銀行では、系列の証券会社と同じ「予約型代理人」制度もあります。
 
いずれにしても、こうした仕組みを活用するには、認知症発症前に預金者が準備することが前提になります。一方で、認知症が判明した後でも、家族などの代理人が預金を引き出せる仕組みも検討されています。使い勝手の悪い、成年後見人制度を利用しないで済む仕組みの構築が待たれます。
 
(参考)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 ホームページ
マネックス証券 ホームページ
野村證券 ホームページ
三菱UFJ銀行 ホームページ
みずほ銀行 ホームページ
三井住友銀行 ホームページ
 
執筆者:黒木達也
経済ジャーナリスト
 
監修:中嶋正廣
行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。

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