更新日: 2022.02.07 老後

老後破産を防ぐためには、定年までに貯金はいくら必要?

執筆者 : 柘植輝

老後破産を防ぐためには、定年までに貯金はいくら必要?
「老後破産」という言葉が一時話題となりましたが、老後に一体いくらお金があればいいのか、不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
実際、定年までにどのくらい貯金をしておけば安心して老後を送ることができるのでしょう。老後破産を防ぐために必要な貯金額について考えてみます。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

老後破産が起きる原因は?

まずは、老後破産がなぜ起きてしまうのか知っておきましょう。
 
老後破産の原因はいくつかあるのですが、大まかにいってしまえば収支が合わなくなることが原因です。
 
具体的には定年退職や廃業により、それまでの給与や事業収入から、年金収入と貯蓄が生活費などの支出を支える中心となったのに、現役時代の感覚のまま生活してしまい、収入よりも支出が多い状態が続いて破産に至るといったケースが挙げられます。
 
日本年金機構は平均的な収入(平均標準報酬)について、43万9000円(賞与を含む月額換算)としています。
 
その収入で40年間就労した夫の厚生年金と、専業主婦の妻の国民年金を合わせた夫婦の老後の年金は、令和3年度の給付水準で月額22万496円です。
 
また、自営業などで夫婦共に国民年金のみの加入であれば、満額でも2人分で月額13万150円の年金収入にしかなりません。
 
仮に毎月43万9000円の収入があった方が、老後は22万円ほどの年金収入だけになったのに同じような生活スタイルを続けていれば、そのうち貯金が底を突く可能性があります。
 
その他にも、病気やケガで入院するなど大きな支出があったり、そもそも老後資金についての見通しが甘く、貯蓄額が不足していたりということも、老後破産の原因になり得ます。
 

老後破産を防ぐために必要な貯蓄額は?

では、老後破産を防ぐために必要な貯蓄額は、どれくらいの金額になるのでしょうか。
 
総務省統計局の「家計調査報告」(令和2年)によれば、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の、1ヶ月当たりの平均的な消費支出と非消費支出(税金や社会保険料など)の合計は25万5550円、単身無職世帯では14万4687円となっています。
 
また、厚生労働省の「簡易生命表」(令和2年)によると、日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳です。
 
これらの統計から、65歳で年金生活に突入し、女性の平均寿命である88歳まで生きたと仮定すると、夫婦で必要となる生活費は23年間で7053万1800円、単身でも3993万3612円となります。
 
これを自身が将来受け取れるであろう年金額と比較することで、定年までにためておくべき最低限の貯蓄額の目安が分かります。
 
例えば65歳から88歳まで23年分の生活費のうち、年金で賄えるのは、厚生年金に加入していた平均的な収入の夫婦においては6085万6896円と約19.8年分、国民年金を満額受け取れる単身の方では1796万700円となり、約10.3年分となります。
 
すると、厚生年金に加入していた平均的な夫婦では約967万円、国民年金を受け取る単身の方では2197万円不足するため、最低でもその不足分を65歳までに貯蓄しておかないと老後破産の可能性が高まると考えられます。
 
ただし上記の試算は、あくまでも現状の年金制度と各統計データに基づいたものです。
 
例えば、年金制度が変更されたり、老後に大病を患う、自宅の大規模なリフォームを行う、介護施設や高齢者向け住宅に入居するなど、個別の事情に応じて必要な金額は大きく変わるため、最低限必要な金額の目安として考えてください。
 

老後資金について早めに考え、現役世代のうちに準備するべき

老後破産を防ぐために現役のうちから将来いくらお金が必要になるのか、老後の最低限の生活費に加え、万が一の事態にも備えた金額についておおよそでも計算しておき、それを確保するための貯蓄をしておくべきです。
 
老後破産は人ごとではなく、誰にでも起こり得るものです。人生100年時代といわれる現代だからこそ、老後資金について早めに考えて準備するようにしてください。
 
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編) 2020年(令和2年)平均結果の概要
公益財団法人 生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計より「日本人の平均寿命はどれくらい?」
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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