認知症になる前に備えたいお金と家計に関わる2つのリスクと対策
配信日: 2022.03.31
本記事では、認知症におけるお金や家計に関するリスクや認知症になる前にやっておくべき対策を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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認知症におけるお金と家計に関する2つのリスク
お金や家計の面で認知症におけるリスクは次の2つです。
●認知症患者本人による契約行為ができなくなる(モノやサービスの売買が一切できない)
●多くの医療費が必要になる
認知症患者本人による契約行為ができなくなる
生命保険文化センターの調査によると、2020年における65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%(約602万人)となっており、6人に1人が認知症といわれています。つまり、多くの高齢者が認知症であることから、認知症と向き合うことは人ごととはいえないでしょう。
認知症になると現預金の引き出しや家の売却などを自由に行えなくなります。例えば、高齢の親が認知症になり、将来親の家を売却して老人ホームなどの費用に充てようと考えていた場合、計画が崩れてしまいます。
多くの医療費が必要になる
学研Cocofumpの調査によると、認知症で入院する場合、自己負担分の平均は月額約7万円かかります。また、7万円とは別に入院中の生活費や日用品の購入などでお金がかかるため、実際にはさらに出費があることを覚悟しておきましょう。
認知症になる前にやっておくべき対策
では、先ほど紹介したリスクに備えるためにやっておくべき対策を紹介します。
任意後見制度を利用する
任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分となったときに備えるための制度です。本人の判断能力があるうちに、将来判断能力が低下した場合における財産管理や介護サービス締結などに関する事務手続きについて信頼できる人に依頼し、引き受けてもらうものです。
任意後見制度を利用すると、認知症になった後の契約行為を信頼できる人に行ってもらえるので安心です。
医療費にかかるお金を準備しておく
認知症で入院した場合にかかる費用として、月額平均7万円必要ということを紹介しました。例えば毎月7万円が20年間かかるとすると、合計1680万円のお金が必要となります。これだけのまとまったお金をすぐに準備するのは難しいので、若いうちからコツコツと貯金して備えておくことが重要です。
認知症になるリスクを知って今からできる備えをしておこう
認知症は誰にでも発症する可能性があるものです。備えをせずに認知症になってしまうと、お金や契約の面で苦労してしまいます。今回紹介した任意後見制度の利用や若いうちからの貯金を行い、認知症になっても安心して生活できるように備えていきましょう。
出典
生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 認知症患者はどれくらい?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部