年金のみの月収は21万円!? あなたの老後の支出と収入の目安とは
配信日: 2022.03.31
そんな方々に向けて、最初に考えるべき老後の月収と支出の目安について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金のみの月収は夫婦で平均25万円
老後の主な収入といえば「年金」です。総務省統計局が実施した「2020年度家計調査」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の年金による月の収入は平均25万6660円ということが明らかになっています。年収に換算すると307万9920円ということが分かります。
厚生労働省が発表した2019年度の「国民生活基礎調査」によると、公的年金だけで生活する世帯は48.4%となっており、また国税庁が2020年に発表した「民間給与実態統計調査」によると、会社員の平均月収は30万7500円、平均年収は賞与も含めて433万円となっています。
さらにデータを加えてみると同年度の「国民生活基礎調査」では、高齢者世帯の生活意識のうち「大変苦しい」と回答したのは全体の19.7%で「やや苦しい」の31.9%と合計すると過半数である51.6%の高齢者世帯が、生活に不便や不安を抱えていることが分かります。
最低日常生活費は平均22.1万円だからギリギリ黒字
月の収入のおおまかな目安の次は、平均的な老後の支出についてもおおまかな数値を知りたいですよね。老後の支出においてはさまざまな機関が調査結果を公表していますが、公益財団法人生命保険文化センターによる2018年度のデータによると、住居費や水道光熱費、保険料、食費といった老後の最低日常生活費は平均22.1万円であることが明らかになっています。
つまり、この時点で夫婦で年金のみで暮らし続けるためには、3万円程度しかゆとりがないことが分かります。また、同調査ではゆとりのある老後の生活費は平均36.1万円であることも明らかになっていることも覚えておきましょう。ちなみにゆとりのある生活を実現するために、お金を上乗せする用途については以下のとおりです。
1位:旅行やレジャー
2位:趣味や教養
3位:日常生活費の充実
4位:身内とのつきあい
5位:耐久消費財の買い替え
6位:子ども・孫への資金援助
7位:隣人や友人とのつきあい
8位:貯蓄
9位:その他
ゆとりのある生活と年金のみの月収の平均の差額である月14万円の穴埋めを意識してみれば、老後に備えて「どれだけ貯めるか」もしくは「どれだけの所得を確保するか」をイメージしやすいのではないでしょうか。
おおまかな目安から家計に落とし込もう
家庭によって支出の項目が異なりますが、基本的に毎年得られる所得に対して課税される「所得税」と「住民税」のほか、土地や自宅などにかかる「固定資産税」は多くの人が老後も払い続けなければなりません。これらの税金の支払いも考慮したうえで老後の生活を考える必要があるでしょう。
なかなか想像することが難しい老後のお金に関しては、この記事で紹介した「ざっくりした目安」を理解して、徐々に自分の家計に落とし込んでみることも1つの方法ではないでしょうか。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)家計の概要
厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況
公益財団法人生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部