更新日: 2022.04.01 介護

自宅をバリアフリー化するといくら支給してもらえるの? 介護保険や自治体の給付金を解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

自宅をバリアフリー化するといくら支給してもらえるの? 介護保険や自治体の給付金を解説
自宅で介護をする必要が生じた場合、住宅のバリアフリー化は欠かすことはできません。住宅のリフォームには多額のお金がかかりますが、同居する家族に高齢者や要介護者がいる場合には、介護保険や市町村の給付金を利用してリフォーム費用を抑えることが可能です。そこでこの記事では、介護保険や、市町村の給付金、またその支給条件などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

介護リフォームとは

介護リフォームとは、高齢者や要介護者が、自宅で生活する場合の不都合や不便を解消するためのリフォームのことを指します。
 
介護リフォームは、介護保険制度の中に組み込まれており、手すりの設置や段差の解消・トイレや浴室の改修などをする場合に給付金が支給されます。介護保険制度のもとで給付金を利用できるので、自己負担は1~3割程度で済みます。
 

介護保険で受けられるリフォーム

介護保険で受けられるリフォームの内容や利用条件・支給金額対象となるリフォームについて説明します。
 

・介護保険を利用できるのはどんな場合?

介護保険制度は、介護する家族の負担を社会全体で支えるために介護保険法で定められたものです。原因を問わず要介護状態・要支援状態になった65歳以上の人と、40歳から64歳までの人で老化に起因する特定疾病(図表)により要介護・要支援状態になったときに、介護サービスを受けられます。従って交通事故などが原因の場合には、対象外になります。
 


出典:厚生労働省「介護保険制度」について
 

介護リフォームの利用条件

介護給付の一つとして介護リフォームがあり、支給条件を満たすことにより給付金が支給されます。なお給付金を受給するためには工事を始める前に申請する必要があります。給付金が支給されるのは、原則として工事終了後です。市町村によっては、事前に申請して前払いにできる場合もあります。
 
具体的な支給条件は、以下の通りです。

・介護保険の被保険者で、40歳以上の要介護または要支援に認定されていること
・介護リフォーム住宅の住所が、被保険者の住所と同じであること
・被保険者が病院や福祉施設に入居していないこと

 

・支給される金額

介護リフォームの給付金は、ほかの介護保険サービスとは別に計算されます。従って、ほかの介護給付を受けていても申請できます。給付金の対象となれば、支給限度基準額20万円の9割(18万円)を受給できます。
 

・対象となる介護リフォーム工事

 
介護保険におけるリフォーム工事は、次の6つに決められていています。

・手すりの取り付け
・段差の解消
・滑りの防止およびスムーズに移動するための床の材料の変更
・引き戸等への扉の取り替え
・洋式便器等への便器の取り替え
・記5つに付帯する改修工事

 

地方自治体による介護リフォーム給付金

自治体によっては、介護リフォームのための給付金制度を設けている場合もあります。
 

・自治体の介護リフォーム給付の特徴

自治体の給付金は、条件や支給上限額・対象となるリフォーム工事がそれぞれ異なります。また、どの自治体でも設けているわけではないので、問い合わせが必要です。なお、お住まいの自治体の支援内容を調べるには、住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」が分かりやすいです。
 
介護保険で対象となるリフォーム工事が決まっていますが、自治体の改修給付金制度は、介護保険では対象となっていない工事が含まれる場合もあります。ただし、自治体によるの給付金は一般的に受給要件が厳しく、自治体の負担割合も少ないことが多いので、介護保険の補完だと考えたほうが良いでしょう。
 

・自治体の介護リフォーム助成例 東京都の場合

東京都の例を挙げて説明しましょう。東京都の場合は、介護保険とは別の枠組みで、高齢社会対策区市町村包括補助事業があります。高齢者のいる住居の改修に要する費用を助成する場合に、各市区町村に対して費用の一部を負担しています。
 
これにより、要介護だと認められなかったものの、日常生活に困難のある高齢者も補助を受けられます。住宅改修の工事内容については介護保険と同じですが、設備改修については下記のように給付されます。
 

設備改修工事の内容 給付金額
浴槽の取り替えおよび付帯する給湯設備等の工事 37万9000 円
流し・洗面台の取り替えおよび付帯する給湯設備などの工事 15万6000 円
便器の洋式化およびこれに附帯して必要な工事 10万6000 円

出典:東京都福祉保健局
 
なお制度の運用や助成内容は、同じ都内であっても区市町村により異なるので、各地域の対象者や給付内容は「各区市町村の事業概要」を参照する必要があります。
 

まとめ

介護保険を利用すれば、最大20万円を上限額として1~3割程度の負担で住宅をバリアフリー化できます。また地方自治体によっては、介護保険以外にも給付金を利用できる場合もあるので、問い合わせてみましょう。
 
出典
厚生労働省 「介護保険制度」について
東京都 介護保険の住宅改修と高齢社会対策区市町村包括補助事業の住宅改善との比較
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ライターさん募集