60歳以上で「高年齢再就職給付金」がもらえるのはどんな人?

配信日: 2022.04.06

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60歳以上で「高年齢再就職給付金」がもらえるのはどんな人?
60歳以上65未満の厚生年金保険被保険者で、いったん離職し、再雇用された場合に、60歳時点に比べて収入が低下するケースがあります。
 
そのようなときに利用できる給付に「高年齢雇用継続給付」があります。また、この「高年齢雇用継続給付」は、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」に分けられます。
 
今回は「高年齢再就職給付金」にスポットをあて、その内容や受給要件について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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高年齢再就職給付金

高年齢雇用継続給付における、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の違いは、雇用保険(以下、基本手当)を受けていないか、基本手当の受給中に再就職をしたかです。
 
前者に該当するのが「高年齢雇用継続基本給付金」で、後者が「高年齢再就職給付金」です。
 

■受給要件

高年齢再就職給付金を受けることができる要件は、以下のとおりです。

1.60歳以降に離職し、基本手当を受給している(60歳前に離職をしていても受給できるケースもあり)
2.雇用期間が1年以上あることが確実な企業に再就職した
3.基本手当を100日以上残して再就職した
4.直前の離職時に、厚生年金保険の被保険者期間が通算5年以上ある
5.再就職にあたり、再就職手当を受けていない

「再就職手当」とは、基本手当の受給資格がある人が再就職した際に、基本手当の残りの日数が所定給付日数の3分の1以上あり、さらに一定の条件を満たした場合に受け取れる手当です。
 
ちなみに支給額は「基本手当日額×残日数×60%または70%」で計算された額を一括支給されます。
 

■高年齢再就職給付金と再就職手当の併用は不可

高年齢就職給付金と再就職手当の両方を受け取ることはできません。違いを図表1でまとめておりますので、どちらを受け取る方がよいかの判断の目安にしてください。
 
図表1


 
基本手当の支給の残り日数が100日以上200日未満は1年間の受給、200日以上ある場合は2年間の受給となります。ただし、65歳になった時点で支給は打ち切られます。
 

高年齢再就職給付金の支給要件

前述で受給要件を確認したところで、次は支給要件についてみていきましょう。
 

■支給要件

高年齢再就職給付金の支給要件は、支給対象期間中に被保険者として雇用されている各月において、以下の要件を満たしている場合です。

1.支給対象月において、被保険者でない期間がないこと
2.支給対象月において支払われた賃金が、60歳時点に比べて75%未満に低下していること
3.支給対象月に支払われた金額が支給限度額(36万584円)未満であること
4.申請後に計算した基本給付金額が最低限度額(2061円)超であること
5.支給対象月の全期間において、「育児休業」および「介護休業」の給付対象となっていないこと

 

「高年齢再就職給付金」の申請方法

60歳の時点で厚生年金保険の被保険者であった場合、事業所の所在地を管轄するハローワークにて申請を行います。その際に必要な書類は以下のとおりです。

●賃金証明書
●受給資格確認票(マイナンバーを記載して提出)

提出期限は最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4ヶ月以内です。また、申請の際には以下のものも持参するようにしましょう。

●賃金台帳
●被保険者である本人の年齢が分かるもの(運転免許証など)

 

「高年齢再就職給付金」を受給する際の注意点

「高年齢再就職給付金」は「高年齢雇用継続給付金」と同様に、年金と合わせて受給できますが、受給額が調整されます。
 
ただし、特別支給の老齢厚生年金を受給しながらこれらの給付金を受給している場合は、その給付額に応じて年金の一部が支給停止される可能性があります。これを併給調整といい、具体的な詳細については最寄りの年金事務所で確認するようにしてください。
 
また、受給中に本人が亡くなった場合、死亡した月の前月までの部分について、生計を一つにしていた遺族が代理で申請できます。これを「未支給高年齢雇用継続給付」といい、死亡日の翌日から6ヶ月以内に行わなければならない点に注意が必要です。
 

まとめ

60歳以降にそれまで勤めていた会社を退職し、その後、基本手当を受けながら再就職した場合でも、給付金を受け取ることができます。ただし、再就職手当との併用はできない点に注意してください。
 
給付期間が多く残っていれば、その期間に応じて再計算された給付金を受け取ることができ、さらに調整はあるものの年金受給とも併用できることから、60歳以降一気に収入が減った人にとっては非常に助かる制度といえるでしょう。
もちろん、要件を満たす必要がありますが、申請の際には、要件をきちんと満たしているかどうかを確認し、申請書や提出書類などについてもれのないように準備して行うようにしましょう。
 
出典
(※1)厚生労働省 第10章 高年齢雇用継続給付について
(※2)厚生労働省 再就職手当のご案内
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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