更新日: 2022.04.28 老後

基本手当だけじゃない! 再就職をお助けする「就職促進給付」を解説

執筆者 : 棚田将史

基本手当だけじゃない! 再就職をお助けする「就職促進給付」を解説
雇用保険の制度には、退職後の生活を保障する「基本手当」以外にも「就職促進給付」があります。就職促進給付とは、再就職や保育サービスの利用などに関して、給付金が受け取れる制度です。
 
今回は、就職促進給付のうち「就業促進手当」と「求職活動支援費」を解説します。
 
棚田将史

執筆者:棚田将史()

2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種

再就職やその後の生活を保障する「就業促進手当」

「就業促進手当」とは、失業者の早期の再就職などをサポートする目的の給付金です。全部で4種類あります。
 
※各手当の1日当たりの上限額は2021年8月時点の改定を記載(毎年8月1日に改定の可能性あり)。
 

(1)再就職手当

「再就職手当」とは、受給資格者が基本手当をもらっている期間中に、安定した職業(1年超えの就職や事業の開業など)に就いたときに支給される給付金です。
 
給付金額は、所定給付日数の支給残日数によって変わります。計算式は図表1の通りです。
 
【図表1】

所定給付日数の支給残日数等 概要
3分の2以上 基本手当日額✕支給残日数✕70%
3分の1以上 基本手当日額✕支給残日数✕60%
基本手当日額の上限 6120円(60~64歳は4950円)

※ハローワークインターネットサービス 就職促進給付を基に筆者が作成
 
ただし再就職手当は、離職前の企業に再雇用される場合は受け取れません。
 

(2)就業促進定着手当

「就業促進定着手当」とは、再就職先で受け取る賃金が、一定の基準に達しない場合に受け取れる給付金です。支給要件は次の通りです。

・当該の再就職に関して再就職手当を受給している
・再就職先に6ヶ月以上雇用されている
・みなし賃金日額(再就職先から6ヶ月間で支払われた賃金の1日分)が算定基礎賃金日額(再就職手当の計算に使われた賃金日額)を下回っている

給付金額の計算式は次のとおりです。
 
・(算定基礎賃金日額-みなし賃金日額)✕再就職後6ヶ月間のうち賃金の支払基礎となった日数
 
給付金額の上限は図表2のとおりです。
 
【図表2】

再就職手当の給付率等 概要
60% 基本手当日額✕支給残日数✕40%
70% 基本手当日額✕支給残日数✕30%
基本手当日額の上限 6120円(60歳~64歳は4950円)

※ハローワークインターネットサービス 就職促進給付を基に筆者が作成
 

(3)就業手当

「就業手当」とは、基本手当を受けている期間に再就職手当の対象にならない仕事(アルバイトなど)に就いたときに支給される給付金です。
 
就職日の前日において、「基本手当の支給残日数が3分の1以上」かつ「支給残日数が45日以上」の場合に受け取れます。
 
【図表3】

就業手当の計算式等 概要
就業手当の計算式 基本手当日額✕30%✕就業日数
1日当たりの支給額の上限 1836円(60~64歳は1485円)

※ハローワークインターネットサービス 就職促進給付を基に筆者が作成
 
受け取れる期間は、支給残日数を限度とします。
 

(4)常用就職支度手当

「常用就職支度手当」は、障害のある人など就職が困難な人が再就職した場合に、一定の要件に該当すると支給される給付金です。支給要件は次の通りです。

・厚生労働省令における就職が困難な者に該当している
・1年以上引き続き雇用されることが確実な職業に就いた
・基本手当の支給残日数が3分の1未満である

給付金額の計算式は図表4のとおりです。
 
【図表4】

所定給付日数の支給残日数等 概要
90日以上 基本手当日額✕90✕40%
90日未満 基本手当日額✕支給残日数(45日未満は45日)✕40%
基本手当日額の上限 6120円(60歳~64歳は4950円)

※ハローワークインターネットサービス 就職促進給付を基に筆者が作成
 

求職活動に関して支援する「求職活動支援費」

「求職活動支援費」とは、失業中の人の求職活動に関して発生する費用を支援する制度です。
 

広域求職活動費

「広域活動支援費」とは、広範囲の地域にわたって求職活動をする人を支援する給付金です。支給要件は次の通りです。

・住所地管轄のハローワークと訪問する事業所を管轄するハローワークとの距離が、鉄道等で往復200キロメートル以上ある
・住所地管轄のハローワークが紹介する上記求人に応募し、事業所を訪問して面接する

給付金額は、距離に応じて計算されます。
 

短期訓練受講費

「短期訓練受講費」とは、ハローワークの職業指導によって「再就職のための1ヶ月未満の教育訓練」を受けて、修了した人に支給される給付金です。
 
教育訓練の受講のために支払った費用の20%(上限10万円)が支給されます。
 
 

求職活動関係役務利用費

「求職活動関係役務利用費」とは、求職活動のために保育等サービスを利用したい人を支援する給付金です。
 
面接などをする場合は15日分、教育訓練などを受講する場合は60日分までが支給対象になります。給付金額はサービスの利用費✕80%ですが、1日当たりの利用費の申請限度額は8000円までです。よって、支給上限額は6400円となります。
 

給付制度をチェックして再就職に活用しよう

このように、雇用保険には求職活動に関するさまざまな給付制度が設けられています。基本手当との併用もできますので、再就職の際にはぜひご活用ください。
 

出典

ハローワークインターネットサービス 就職促進給付
厚生労働省 「広域求職活動費」と「移転費」の概要
厚生労働省 移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について
 
執筆者:棚田将史
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種

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