【老後の最終手段!】今注目のリバースモーゲージとは? 知っておくべきシステムをFPが解説
配信日: 2022.05.25
本人が亡くなったのちに自宅を処分して借入金を返済する仕組みになっており、老後の生活資金の確保を目的にしたものですが、どうすればこの制度を利用できるのでしょうか。
リバースモーゲージを利用できる人や、利用する前に知っておきたいデメリットを解説します。シニア世代の注目度が高いリバースモーゲージを知る参考にしてください。
執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)
2級ファイナンシャルプランナー
リバースモーゲージを受けられる条件とは?
リバースモーゲージは民間金融機関と行政サービスの2種類があります。融資できるそれぞれの条件は、図表1を参考に確認しておきましょう。
図表1
民間金融機関 | 行政(都道府県の社会福祉協議会) | |
---|---|---|
年齢 | おおむね55歳以上 | 65歳以上 |
世帯 | 構成員は本人・配偶者 | 構成員は本人・配偶者・親のみ |
収入 | 安定的な収入が必要 | 住民税非課税 |
貸付限度額 | 不動産評価額の50%~100% 金融機関によるが1億円~2億円限度 |
不動産の評価額の70%程度 上限は30万円内 |
出典:一般社団法人 「全国銀行協会 金融法務研究会報告書」より筆者作成
行政が提供するリバースモーゲージは、年金や所得が不安定なシニアに向けた制度といえます。どちらの制度を利用しても、居住している自宅に住み続けることは可能です。民間の金融機関で利用する場合は金融機関に問い合わせましょう。
行政でのサービスを希望する人は、各市町村の社会福祉協議会へ申出をしてください。
リバースモーゲージの利用で気を付けるポイントはある?
住宅を担保に融資を受けられますが、リバースモーゲージの利用については考慮しておくべきポイントもあります。
●長生きによる自宅の明け渡しリスク
●金利が上がって返済額が増加するリスク
●土地の値段が下落するリスク
●住宅の評価額が低いので十分な融資をされないリスク
いずれも融資額や返済額に関係します。特に「長生きによる自宅の明け渡しリスク」は必ずリバースモーゲージを利用する前に検討する時間を持っておきましょう。リバースモーゲージは、契約者が亡くなった時に自宅を売却して、借入金を返済します。
しかし、最近は契約期間をあらかじめ定めているプランもあります。もし契約満了まで生きていると、融資は終わって自宅は明け渡さないといけません。リスクが高いポイントなので、利用するかどうか慎重に検討しましょう。
リバースモーゲージは老後にお金が必要な場合に使う最終手段
リバースモーゲージを受けられる対象条件と、注意点をポイントごとに解説しました。リバースモーゲージは、土地や住宅の評価額によって融資額が変わります。そのため、あらかじめ適正な住宅の価値を確認したうえで制度を使うか検討しましょう。
また、居住している家を生前に明け渡すリスクもあるので、利用にあたっては注意が必要です。リバースモーゲージは老後の生活資金が必要な場合に使う最終手段として考えておきましょう。
出典
一般社団法人 全国銀行協会 金融法務研究会報告書
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー