更新日: 2022.05.25 セカンドライフ

老後に備える「リフォーム」みんなの検討のきっかけは? 費用はどのくらい?

老後に備える「リフォーム」みんなの検討のきっかけは? 費用はどのくらい?
老後の生活で発生する費用にはさまざまなものがあります。
 
食料品や光熱費など日々の出費のほか、有料の介護施設に入所する予定があるなら、一時金として平均260万円もの高額な出費が必要な場合も。そして、もしあなたが持ち家に住んでいるなら、忘れてはならないのが「リフォーム」の費用です。
 
本記事では「どんな理由で」「どれくらいの費用をかけて」リフォームを行うのかをデータに基づいて紹介します。明確な目的と金額を設定して、来たる老後のリフォームに備えましょう。
木元泰徳

執筆者:木元泰徳(きもと やすのり)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

どんな理由でリフォームするの?

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会では、住宅リフォームを実施した人および検討した人を対象に調査を行っています。
 
「リフォーム検討」に関する項目では、築30年以上が経過した住宅をリフォームする人の5割以上が「住宅の構造部分が古くなった又は壊れたから」「設備や機器が古くなった又は壊れたから」と回答。
 
さらに3割以上の人が「今の住宅に長く住み続けたかったから」と回答しています。現在住んでいる住宅に長く住み続けるために、構造や設備など住宅の基本性能を回復させる目的でリフォームを実施する人が多い、という結果となりました。
 
また、3割を超える人が「水回りや家事動線の使い勝手が悪かったから」と回答。30年前と現在とでは水回りの設備や間取りの設計思想が異なることから、現代の設備や間取りに合わせたリフォームを求めていることも見てとれます。
 

リフォームはどれくらいの費用がかかるの?

続いて、どれくらいの費用が必要になるのか見てみましょう。
 
築30年以上経過した住宅で、実際にリフォームを行った人の平均額は408万2000円です。大規模な改修が必要になるため、基本的には築年数が経過するほどリフォームの費用は高額になる傾向が見られます。
 
注目すべき点は「リフォーム費用」と「検討時予算」との間に大きな差が生じていることです。築30年以上の住宅で比較すると、検討時の予算平均は302万6000円、実際のリフォーム費用平均が408万2000円。実に105万6000円もの差が出ています。
 
リフォームは往々にして検討をするほどに要望が増えていき、予算も増えていくものです。さらに、工事に入ってから下地の腐食が見つかるなど、追加工事による思わぬ出費が必要になるケースも見られます。
 
予算に余裕を持つこと、業者に早めに現地を確認してもらい住宅の状態をプロの目で見てもらうことを意識して計画することが大事だといえるでしょう。
 
図表1


出典:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「2021年度住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果報告書」より筆者作成
 

老後のリフォームに向けて目的・費用を明確に!

持ち家に住んでいる人が直面する、老後に発生するリフォーム費用について解説しました。老後も自宅で過ごしたいと考えている人は、自宅のリフォームに一定の費用が必要で、想定していた金額より大きな金額になりやすいことを認識するべきです。
 
見積もっていた金額より多くの費用が必要だと分かっても、労働で収入を増やすのは年齢的にも難しく、生活費を切り崩して捻出するなど方法が限られてしまうからです。
 
老後に向けてリフォームを検討するのはどうしてなのか、どれだけの費用が必要になるのか早めに検討して、安心して長く住み続けられる住まいを手に入れましょう。
 

出典

総務省統計局消費統計研究会第15回(2020年度第2回)資料2高齢者施設入所者の家計の把握
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会2021年度住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果報告書
 
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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