更新日: 2022.06.08 セカンドライフ
老後を助けてくれる各種公的サービス、どんなものがある?
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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介護サービス
老後で必要になるものの1つに、介護サービスがあるでしょう。公的な介護サービスには、介護保険制度による予防給付と介護給付の2つが存在しますが、それ以外にも地域密着型サービスがあります。それぞれの違いや、具体的にどのようなサービス内容が設けられているのかについて、紹介します。
■予防給付・介護給付
介護保険における介護給付とは、要介護1~5に認定された人が利用できるもので、予防給付とは、要支援1~2に認定された人が利用できます。それぞれ以下のようなサービスがあります。
1.訪問入浴
介護職員と看護職員が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽によって入浴の介護を行うサービスです。
2.訪問介護
看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づき、療養上の世話や診療の補助を行うサービスです。
3.訪問リハビリ
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、機能の維持回復や自立して日常生活を送れるようなリハビリを行うサービスです。
4.通所リハビリ
利用者がリハビリ施設に通い、そこで食事や入浴などの支援や機能訓練を受けるサービスです。サービスは日帰りで行われます。
5.短期入所生活介護(ショートステイ)、養護介護(医療機関や介護老人保健施設、介護医療院が、日常生活上の世話や、医療、看護、機能訓練などを提供するもの)
利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活が送れるよう、体の機能回復や家族の介護負担の減少などを目的として実施されるものです。短期入所生活介護は連続して30日まで利用できます。
6.有料老人ホーム、軽費老人ホーム
利用者が自立した日常生活を送れるよう、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、食事や入浴などといった日常生活における支援や機能訓練などを行うサービスです。
7.特定福祉用具販売、福祉用具の貸与
特定福祉用具販売は、入浴や排せつのための貸与になじまない福祉器具を販売する制度で、利用者はいったん全額を支払った後、原則9割の払い戻しを受けられます(一定の所得以上の場合はこの限りではない。また、同一年度で購入できるのは10万円まで)。
また、福祉用具の貸与においては、介護の度合いによってつえや車いす、特殊寝台などの貸与を受けることができます。負担額は貸与にかかる費用のうち、1割となっています(所得によってはこの限りではない)。
■地域密着型サービス
地域密着型サービスとは、住み慣れた地域で介護サービスを提供する仕組みとなっており、その施設がある市区町村に住んでいることが利用の条件です。
1.夜間対応型訪問介護
夜間にホームヘルパーが利用者の自宅を訪問するサービスです。
2.定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期的な巡回のほか、随時対応など、利用者の状態に応じて24時間365日、柔軟に必要なサービスを提供します。介護および看護の両方のサービスを受けることが可能です。
3.地域密着型通所介護
利用者が利用定員19人未満のデイサービスなど、地域密着型の施設に通い、食事や入浴などの支援や機能訓練を受けることができます。サービスは日帰りですが、自宅から施設までの送迎も行われます。ただし、要支援1および2の人は利用できません。
4.療養通所介護
常時的に看護士による観察を必要とする状態にある人に向けたサービスで、利用者ができる限り自宅で自立した生活を送ることができるよう、心身機能の回復訓練や食事や入浴などの支援を行います。
5.看護小規模多機能型居宅介護
原則として通うことを中心とし、必要に応じて短期間の宿泊や利用者の自宅訪問、さらには看護師の訪問看護などが行われます。こちらも要支援1および2の人は利用できません。
6.地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
入所定員30人未満の特別養護老人ホームが、常に介護が必要となる人を受け入れるとともに、入浴や食事の支援、機能訓練のほか、療養上の世話を行います。要支援1および2の人、および新たに入所する要介護1・2の人も、やむを得ない理由がある場合以外は利用できません。
7.地域密着型特定施設入居者生活介護
入所定員30人未満の有料老人ホームや軽費老人ホームが、食事や入浴の支援、機能訓練を提供します。要支援1および2の人は利用できません。これらのサービスは介護保険制度の対象となるため、原則として1割負担で利用できます。
(出典:厚生労働省 介護事業書・生活関連情報検索 公表されている介護サービスについて ※1)
生活福祉資金貸付制度
介護に必要な資金が不足した場合や、日常生活を送るうえで必要な一時金を、年1.5%の借入利息(連帯保証人がいる場合は無利子)で借りることができる制度です。
都道府県の社会福祉協議会が主体となって行っており、65歳以上の高齢者がいる世帯も対象です。貸付限度額は用途によって異なりますが、福祉資金であれば、580万円まで借りることができます。
(出典:厚生労働省 生活福祉資金貸付制度 ※2)
まとめ
老後を助けてくれる公的サービスには、上記で紹介した介護サービスや福祉資金貸付制度のほか、各自治体が行っている見守りサービスなどがあります。
今後、高齢者の世帯や高齢者の1人暮らし世帯が増加するなか、このようなサービスはさらに拡大し、内容も充実していくと予想されます。今後も新しいサービスが開始されるかもしれませんので、自治体の動向や国が行う政策の動向をチェックしておきましょう。
出典
(※1)厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 公表されている介護サービスについて
(※2)厚生労働省 生活福祉資金貸付制度
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員