更新日: 2022.06.08 老後

正規運賃6万1000円ほどが1万5000円ちょっとで済んだ! 制限はあるけどおトクな切符とは?

執筆者 : 上野慎一

正規運賃6万1000円ほどが1万5000円ちょっとで済んだ! 制限はあるけどおトクな切符とは?
今年・2022年4月のある日。朝方に新幹線で仙台駅を出発して、大宮駅乗り換えで長野駅に到着。善光寺参拝(7年に1回の秘仏公開が開催中)を済ませ、長野駅から松本駅乗り換えで特急を乗り継いで夕刻には新宿駅に到着。1日の行動としてはかなり忙しいですが、実際に筆者が旅した行程です。
 
ちなみに鉄道の正規運賃(指定席料金含む)合計2万6130円のところ、3800円あまりで済みました。どうしてでしょうか。
 
上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

おトクな切符の概要とは

実は、JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」を利用したのです。この切符は毎年発行されていますが、2022年度は次のような概要となっています(※1)。
 

<利用資格(条件)>
50歳以上

(「大人の休日倶楽部ミドル」への入会とカード発行が条件。カード会費を含む年会費は2624円で初年度会費無料)
 
<概要>
◇新幹線や特急を含めて連続する日数分乗り放題で、普通車指定席も6回まで利用可能
 
◇切符は3種類
(1)4日間 【JR東日本全線等・1万5270円】
(2)5日間 【JR東日本全線等+JR北海道全線(新幹線可)・2万6620円】
(3)5日間 【JR北海道全線(新幹線不可)・1万7400円】
 
◇通常設定3回で、2022年度の利用期間は次のとおり(発売期間は異なる)
第1回 6月23日~7月5日
第2回 11月24日~12月6日
第3回 2023年1月12日~1月24日
 
◇通常設定のほかに特別設定が発売されることがあり、2022年度は次が発売済み(利用期間:4月11日~4月20日)
[Web限定 東日本 スペシャル](上記(1)タイプ)
[Web限定 東日本・北海道 スペシャル](上記(2)タイプ)

参考までに、筆者が新幹線や特急などを利用した全行程は【図表1】のとおりです。
 


 
鉄道の正規運賃(指定席料金含む)は、合計6万1000円あまり。今回の切符が1万5270円(1日当たり3818円)なので、本来の75%引き。総額でも4万6000円以上おトクだった計算になります。
 

こうした切符は、いいことだらけ?

今回の切符は、会員入会が前提で年齢制限もあります。ただし入会は簡単で、シニア向けの下限年齢として50歳はかなり若年の設定。利用するハードルは、さほど高くないといえるでしょう。JR東日本以外のJR各社でも、似たような内容のシニア向けおトク切符を発売しているケースがあります。
 
こうしたおトクな切符、いいことだらけではありません。利用できる時期はハイシーズンではなく、設定期間も短め。鉄道会社としては、閑散期対策に大幅な割引をしているわけです。
 
また、おトク度合いを高める(つまり高速移動距離を多くする)ことは、旅の内容の自由度と反比例しがちです。例えば、筆者の行程(第1日)では、新潟駅で10分間の慌ただしい乗り換え以外は通算で6時間近く列車に乗りっ放し。観光などは一切できませんでした。
 
いろいろ制限はありますが、新幹線や特急など高速網を乗り放題で利用できることは確かに魅力です。しかし、おトクさの換算金額を高めることばかりに捉われてしまうと、旅の風情や趣がなくなり本末転倒になってしまうかもしれない。筆者自身も、改めて反省点だと感じました。
 

「健康寿命」とは

また、高速移動を含めてあまり忙しい旅の行程は、身体にも厳しいでしょう。年を取るにつれて、どんどんきつくなっていくかもしれません。
 
「健康寿命」という用語があります。健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を示すものです。3年ごとに算出され、最新値(2021年12月20日公表)は【図表2】のとおりです(※2)。
 


 
平均寿命との差は、男性で約9年、女性は約12年のイメージです。この期間は、[健康とはいえない]、[介護が必要になる]状況だともいえるでしょう。
 
また平均寿命は、実は0歳時点での「平均余命」です。【図表2】にリンクする「令和元年簡易生命表」(※3)での平均余命は、男性72歳で14.51年、女性75歳で15.97年。[健康とはいえない]、[介護が必要になる]などの期間は、平均寿命ベースよりもさらに長いことが予想されます。
 

まとめ

「人生100年時代」といわれる長寿化社会。人生終盤期は、「健康寿命」の前と後で様相がいろいろと変わります。健康寿命を延ばすために努力や心掛けを怠らないことはもちろん必要ですが、元気なうちに楽しんでおきたいことはたくさんあるでしょう。
 
旅もその1つかもしれません。健康や体力・気力に加えておカネも必要ですが、今回のような割引制度なども活用すると、新幹線や特急ほか高速網を効率的に利用しながらおトクに旅を満喫することも可能なのです。
 

出典

(※1)東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)「2022年度 大人の休日倶楽部パス」
(※2)厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」(第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会<令和3年12月20日> 資料3-1)
(※3)厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」~「令和元年簡易生命表(男)」および「令和元年簡易生命表(女)
(※3)厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」~「令和元年簡易生命表(男)」および「令和元年簡易生命表(女)
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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