更新日: 2022.06.30 老後

年金が満額あるなら老後の生活には支障ない?

執筆者 : 柘植輝

年金が満額あるなら老後の生活には支障ない?
私たちの老後の生活を支えてくれる、年金。この年金が満額支給されれば、老後の生活は安泰といえるのでしょうか。増税や膨らむ社会保障費、物価高などを背景に老後への不安が高まる今、年金と老後の生活費について考えてみました。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

老後の生活費はいくらくらい必要か

ライフスタイルにもよりますが、老後の生活は意外とお金がかかります。ご自身が老後を過ごすにあたり毎月どれくらいの生活費がかかるか把握できているでしょうか。
 
公益財団法人生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によれば、「夫婦2人が老後必要となる最低の生活費がいくらか」という問いに対する回答の平均金額は月額22万1000円となるようです。
 
また、旅行やレジャー、趣味を楽しむなど、より日常の生活を充実させるために必要な上乗せ額の回答の平均金額は14万円でした。先の日常の生活費を踏まえると、多くの人が想像するようなゆとりある生活を老後に送ろうと思ったら、毎月36.1万円程度が必要になりそうです。
 
しかし、中には最低限の生活費だけで30万円から40万円必要と答えている方もいらっしゃいます。最低限の生活費もゆとりある生活のための生活費も必要な金額は個別の状況によって異なるため、この結果はあくまでも参考程度に考えるようにしてください。
 

年金は満額でいくら?年金だけで生活に支障はない?

続いて、先に出た老後の生活費が年金だけで賄えるか考えてみましょう。令和4年度における国民年金は満額でも月額で6万4816円です。夫婦2人併せても12万9632円と最低限の生活費にすら8万円近く不足します。
 
では、厚生年金を受け取れる場合はどうでしょうか。厚生年金は理論上、満額で月額25万6000円程度の金額を受け取ることができます(平成15年以降の加入期間のみで計算し、加給年金などは考慮しない場合)。
 
この金額であれば十分最低限の生活費を確保することができます。国民年金も含めれば夫婦のうち一方が専業主婦(夫)であっても年金収入が38万円を超えるためゆとりある老後生活を送っていくことができそうです。
 
ただし、厚生年金を満額受け取ろうと思ったら、15歳から70歳までの間、150万円以上の賞与を年3回、月々の給与は63万5000円以上であり続ける必要があるため、現実的ではありません。
 

現実的なところ、年金だけで老後生活に支障はないのか

年金の満額について現実的に捉え、国民年金の満額という意味で考えてみます。その場合、自営業者など国民年金のみに加入している方は先に見たように、年金を満額受け取っても月6万円程度とそれだけでは生活はできないでしょう。
 
では、国民年金を満額受け取った上で平均的な金額で厚生年金を受け取った場合はどうでしょうか。
 
平均的な収入で40年就業した夫が受け取る国民年金と厚生年金、そして専業主婦の妻が受け取る国民年金合わせた年金収入は月々21万9593円となるようです。老後必要な最低限の生活費には少々届きません。
 
ここから考えると、老後年金を満額受け取っても老後の生活に支障がないだけの収入を得られるとは言い難いでしょう。
 

老後の生活は年金だけに頼らないよう資産形成を

現実的な範囲で年金を満額受け取ったとしても、老後の生活に支障がないだけの収入を得ることは難しそうです。
 
年金はあくまでも老後の生活の支えとなるものの1つであると割り切り、不足する部分は資産形成や貯蓄で生活費を賄えるように現役世代のうちから備えておく、あるいは老後年金を受けながら就労して収入を得るなど、老後安心して生活するためには何らかの自助努力が必要となるでしょう。
 

出典・参考

公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」

公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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